からくり時計は、子供も大人も釘づけにする魅力を持っています。プラハ旧市街広場にある「天体時計(Prague Orloj)」もその一つ。
そして、この「天体時計」はなんと死神が案内役をつとめます。
毎正時になると、骸骨姿に布マントを羽織っただけの死神が鳴らす鐘の音を合図に、時計上部の窓に12使徒たちが現れます。広場中に鐘が響きわたるのはわずか数分間ですが、時計台の前はこのイベントを一目見ようと集まる人でいっぱい。
ほとんどの人が鐘の音とこのからくりパフォーマンスを見て満足して立ち去りますが、ちょっと待って。このからくり時計は先人たちの知恵や知識を集結させた天体時計でもあるのです。
太陽と月と星とを組み合わせた複雑な天体時計は、ローマ数字部分で現地の時間を、ドイツ数字部分で日没を0時とする古チェコ時間を示し、文字盤部分は青色の明暗とオレンジ色とで、その時間の空の様子をあらわしています。
からくりを終えて静まった時計台の前に残り、頭上の空と時計上の、太陽や月の位置を確認してみませんか?天体図を持って夜空を見上げた幼い頃のワクワク感を味わえるかもしれません。
プラハ旧市街広場を囲むのは、ほとんどが歴史的建造物。その外観からは、そこを訪れる旅人の誰もまだ生まれていない遠い過去から、そこに佇んできた重みを感じとることができます。
しかし、それらの建造物たちは、修復不可能なほどに破壊された過去を持っています。
第二次世界大戦終盤、プラハを占領していたドイツ軍は旗色が怪しいと知るや、街を破壊して去っていきました。現在見ることができる姿は、チェコ国民、プラハ市民たちが愛情と忍耐で再建したものなのです。
プラハっ子は、形あるものが壊れやすいことを知っています。しかし同時にそれを甦らせる方法も知っています。
外観は焼夷弾を受けた黒焦げの壁を残していても、内部はまるで新築のように快適に整えられた建物。歴史ある教会と壁を共有するパステルカラーの現代風ギャラリーなど、古いままでもなく全てを新しくするのでもない、古さと新しさが同居する不思議なアンバランスさは、プラハ旧市街広場周囲の建造物の隠れた魅力となっています。
市街地広場は、プラハ随一の観光地であると同時に、市民たちが集って楽しむ場所でもあります。
大道芸人やパフォーマーたちは、チップのためというよりは、人生を楽しむために趣向を凝らした芸を披露しています。
また、広場に足を踏み入れるとすぐに漂ってくる香りのもとは、「プラハハム」と「トルデルニーク」。
巨大な肉の塊を直炭火でジュージューと焼く「プラハハム」。たれた肉汁からあがる煙の香りがお腹の虫を刺激します。プラハではジュースよりも安価なビールとのセットは大人気で、いつも行列。
「トルデルニーク」は、棒にクルクルと巻きつけて焼いたパン菓子。シナモンシュガーがたっぷりとかかった甘さと独特の歯ごたえがたまりません。
名物・伝統料理と呼ばれるものが少ないプラハで、決して逃すことのできない2品は、広場の立ち食い定番グルメです。
歴史や見どころはガイドブックや案内板が教えてくれます。しかし、歴史の裏側やB級立ち食いグルメなどもまた「プラハ旧市街広場」の魅力です。
プラハ旧市街広場は迷うことのないブラブラと歩いて回れる小さなエリア。ガイドブックを閉じて、目と鼻を使っての探検を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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