北海道・100年の歴史を刻む峠の鉄路を旅する〜函館本線「山線」乗り撮り歩き

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北海道・100年の歴史を刻む峠の鉄路を旅する〜函館本線「山線」乗り撮り歩き

北海道・100年の歴史を刻む峠の鉄路を旅する〜函館本線「山線」乗り撮り歩き

更新日:2014/11/14 15:36

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター

海あり山ありの風光明媚な風景が楽しめる北海道のJR函館本線。その中でも長万部から小樽までの区間は、険しい峠越えが連続する山間路線。手付かずの大自然や、ニセコ連峰や羊蹄山などの山々を愛でながらの旅が楽しめます。今回は、開通から100年以上の歴史を持つ函館本線「山線」の、峠越えと大自然の車窓風景を体感する旅を紹介します。

旅の起点は長万部駅

旅の起点は長万部駅

写真:もんT

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函館本線を函館方面から特急列車に乗車すると、約1時間20分ほどで長万部(おしゃまんべ)駅に到着。特急はこの先、太平洋に沿うように室蘭本線・千歳線(いわゆる「海線」)を経由して札幌へ向かいます。一方、函館本線の線路は、ここから日本海に向かって進路をとり、最短ルートで余市や小樽を経由して札幌へ向かいますが、この区間を走る特急列車はありません。「海線」経由よりも距離的には30km以上も近道なのですが、カーブや急勾配が多く、スピードが出せないのです…。山間部を走るこちらのルートは「山線」と呼ばれます。
近道なのに“遠回り”、本線なのに“ローカル線”…、そんな「山線」ですが、沿線には手付かずの大自然も残っていて、いくつもの峠を越えての旅をのんびりと楽しめます♪

「山線」の起点となる長万部駅は、かつては鉄道の町。昭和40年代までは蒸気機関車の機関区が置かれ、難所に挑む前線基地でした。今ではそれもなくなり、駅構内は閑散としていますが、やがて北海道新幹線の延伸工事が本格化すると、この風景も変わっていくことでしょう。出発までの間、このローカルな空気感に、しばし浸ります…。

かつての賑わいの名残として、長万部駅には名物の駅弁「かにめし」(¥1000)があります♪現在はホームでの立ち売りは普段は行われていませんが、駅改札を出てすぐ目の前の交差点付近、「駅弁かにめし本舗かなや本店」にて購入できます。かにめしを旅のお供に、さあ出発!

峠を越えて…気動車のパワフルな走りにも注目!

峠を越えて…気動車のパワフルな走りにも注目!

写真:もんT

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今回旅をする「山線」区間には、4つの大きな峠があります。長万部を出て熱郛(ねっぷ)駅を過ぎると、その最初、目名(めな)峠にさしかかります。現代の鉄道では、このような山間の峠区間は長大トンネルで直線的に掘り抜いてしまうところですが、この「山線」は明治37年(1904年)の開業。トンネル掘削技術がまだまだ未熟だった時代に敷設されたために、線路はカーブと勾配の連続で峠を越えていきます。トンネルが少ない分、峠の風景は存分に堪能できます。

防雪林の中をエンジン全開で峠に挑む車両にも注目です。この「山線」区間では主に、キハ150形という気動車が活躍。搭載するディーゼル機関は総排気量15240cc、そして定格出力450ps(馬力)は、古いタイプのディーゼルカーの2倍以上!うなりをあげるエンジン音が峠越えの迫力をいっそう引き立てます。鉄道車両の走行音などを録音する“音鉄”には、たまらないサウンドですね…。皆さん、ぜひ五感全体で「山線」を楽しんで♪

写真は、稲穂峠へと向かうキハ150形気動車です。

ニセコ駅で途中下車…ニセコ大橋からの大絶景をお見逃しなく!

ニセコ駅で途中下車…ニセコ大橋からの大絶景をお見逃しなく!

写真:もんT

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目名峠をパワフルに駆け抜けていくと、やがて右手には蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山、左手にはニセコ連峰が見えてきます。急ぐ旅でなければ、ニセコ駅で途中下車してみましょう。

ニセコ駅は、この先の倶知安(くっちゃん)駅と共に、羊蹄山やニセコの山々の玄関口。周辺には高原リゾート施設やスキー場も多く、シーズン中は観光客で賑わいます。ニセコ駅前には、台数に限りがありますが無料のレンタサイクルもあり!200円で自転車ごと乗れる循環バスとあわせると、周辺の観光スポットや大自然の中をかなり広範囲にサイクリングで周れます。5月から10月の気候の良い時期にはおススメです!

またあまり時間がない場合でも、駅の近くに、周辺の山々を一望できる大絶景ポイントが…。こちらはぜひお見逃しなく!駅前をまっすぐ、そして右斜めへと上っていく道を進みましょう。上りきったところ、信号機のある交差点を右へ行くと、函館本線と尻別川を大きく跨ぐ「ニセコ大橋」に出ます。ここまで、駅からは800m、徒歩15分ほどです。大橋の上からは「山線」の風景の代表でもある羊蹄山やニセコ連峰、そしてニセコ駅が一望…。駅近で北海道の雄大な風景が体感できるおススメのポイントです。

観光シーズン中は列車も増発…ユニークな臨時列車にも注目!

観光シーズン中は列車も増発…ユニークな臨時列車にも注目!

写真:もんT

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列車はニセコ駅からは尻別川に沿ってしばらく進み、倶知安駅を過ぎると、倶知安峠・稲穂峠を越えて、日本海を目指します。車窓風景は、どちらかといえば進行方向左手がおススメです。

普段は普通列車のみが走る「山線」ですが、夏や秋の観光シーズン中は週末を中心に、特にニセコから小樽の区間は、ユニークな臨時列車が走ることもあります。これらの臨時列車を旅程に組み入れるのも、旅の楽しみの一つ。臨時列車の運転日については、最新の時刻表やJR北海道のウェブページで確認しましょう。
写真は2014年まで、毎年秋の観光シーズンの週末に運行された「SLニセコ号」。倶知安峠に向かって全速力のシーンです。

「山線」の終点小樽駅…冬の夜は、あの赤い機関車が登場!

「山線」の終点小樽駅…冬の夜は、あの赤い機関車が登場!

写真:もんT

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ウイスキー醸造で有名な余市(よいち)に着くと、日本海はすぐそこ。ここから列車は、しばらくは日本海に沿って走った後、「山線」最後の峠、オタモイ峠を越え、終点小樽駅に到着します。ここから先は、電化区間。札幌や新千歳空港方面へ、電車がひっきりなしに出て行きます。気動車の活躍の舞台はここまでです。

「山線」の旅はここで終了ですが、冬季はぜひとも「山線」の気道車たちの運行を陰で支えるラッセル車の姿を一目見ておきたいものです。毎年12月の中頃から3月中頃まで、除雪作業のために毎晩、ラッセルヘッドを装着したDE15型ディーゼル機関車による「定期排雪列車」が、山線区間の小樽から長万部までを往復します。ここ数年のダイヤでは、小樽駅には19:45頃にやってきて、1〜2分停車して「山線」へと向かって行きます。じっくり写真を撮りたい!という場合は、その前に札幌方面へ二駅の、小樽築港駅へ行ってみて!出発の1時間以上も前から、側線に待機中の機関車の姿をホームからじっくり観察できます。今や全国的にも希少となったラッセル車…、ここでは冬季は毎晩確実に見られます。寒さをこらえて、ぜひお見逃しなく!

旅のまとめ

以上、函館本線「山線」峠越えの旅の魅力を紹介しました。
100年以上の歴史を刻む「山線」の鉄路…、これからも味わい深い旅情を醸し続けてくれるでしょう。ニセコや余市、小樽観光の際は、ぜひ、この函館「山線」ローカル線の旅も楽しんでください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/11 訪問

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