白川水源のある白川吉見神社の鳥居をくぐり、境内に入った途端、その静謐さに不思議と空気が変わったように感じます。この阿蘇の杉と銀杏の森は「ふるさと熊本の樹木」にも登録され、人が簡単に手を入れることのできない聖域です。
本殿にはこの水源の御祭神である国龍大明神(くにたつだいみょうじん)と罔象女命(みずはめのみこと)が祀られています。
地元では不老長寿、諸病退散の御神水の湧くパワースポットとして語り継がれ、社殿は元禄14年6月、山狩の際にここに参拝した第5代肥後藩主の細川綱利が「当社は余が領地養田の源神で水恩広大である。速やかに社殿を修造せよ。」と郡代に命じ、造営させたものです。肥後名勝の一つとしてその後も細川家の信奉厚く、九曜紋の社幕が細川家から奉納されています。
現在の社殿は明治41年の火災の翌年に造営されたもので、境内の森も昭和21年の台風で樹齢数千年の老木が数本が倒れ、現在の数になりました。
白川水源は14℃で毎分60トンの水が湧く、熊本市の中央を流れる一級河川「白川」の水源のひとつです。この付近には阿蘇独特のカルデラの地形から、他にも複数の水源があり、肥後平野の幾千ヘクタールの水田を潤しています。
水源「白川」の名は地元の地名にもなり、熊本県が明治初期に「白川県」と改められたのもこの湧水が由来とされています。
パワースポット白川水源は周辺の水源と共に、「南阿蘇村湧水群」として環境省の「平成の名水百選」に選定されています。また「南阿蘇村」は国土交通省による「水の郷百選」の「水の生まれる里」にも選定されています。
パワースポット白川水源の湧水は、この地方に浸透した雨が50年の歳月を経て湧き上がるもので、驚くほど透明で、勢いがあります。
阿蘇の大地から絶え間なく湧き出る豊富な水に、思わず森羅万象と悠久の神秘を感じずにはいられません。
白川水源では豊富な水量にもかかわらず、水の透明度が高いために、水源を覆うレース様の水藻がまるで手に取るように目の前に感じます。
水底から水が湧き出る勢いに、水藻がゆらゆらとゆれたり、小さな泡が湧き水底の砂がさらさらと踊る様子は、いつまで見ても飽かずに見守りたい感じです。阿蘇の大地に抱かれ、果てしない自然の営みを目の前にすると、不思議と気持ちが安堵して穏やかな気分になれます。
白川水源への観光客が年々増えていることから、トロッコ列車を運営する南阿蘇鉄道に2012年3月、最寄の南阿蘇白川水源駅が開業しました。
マイナスイオンたっぷりの白川水源では、森林浴と湧き水で身を清められるだけでなく、御神水を拝領して持ち帰ることができます。車で訪れる場合には、事前にペットボトルを準備して行くと良いでしょう。
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(2024/10/16更新)
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