河合神社の本殿にはたくさんの絵馬が奉納されています。美麗祈願「鏡絵馬」。この形は日本古来の柄鏡、今でいう手鏡です。いろんな顔が描かれています。顔の好みは十人十色。近寄って見ているとなかなかユニークで楽しい。絵馬は受験生のためだけのものではなかったのですね。
理想の美人顔は自分の化粧品を使って描きます。目、眉、鼻、口がベースに描かれた絵馬の表面にお化粧をしてあげるのです。意志の強そうな眉にして、目はばっちり大きく、鼻筋をはっきりさせて、口角が上がれば幸せになれるかしら・・・な〜んて思いながら自由に描くのです。日本第一美麗神が願いを叶えてくれます。
ちなみに、絵馬の裏側の赤い面に描かれている双葉葵は、葵祭でも有名な下鴨神社の御神紋。「あおい」と「あふひ」とも書き、「あふ」は「会う」、「ひ」は「神霊」を示し、神様との出会いを意味しているそうです。この面には「井川遥のような美人になれますように・・・」などの願い事を書きます。おもしろいですね。
京都府左京区にある河合神社は鴨川あるいは高野川にかかる橋を渡り、世界遺産に指定される糺の森・下鴨神社の参道を入ってすぐ左手。趣きのある山門と色鮮やかな鳥居が迎えてくれます。
小さな神社ですが、下鴨神社本宮の摂社の位置づけを持つ河合神社。御祭神玉依姫命(たまよりひめ)は、下鴨神社の御祭神賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)の娘、御子神です。一般に、同じ境内にあるこうした関係の祭神を祭る神社を、本宮に対し摂社と呼びます。
そして、玉依姫命(たまよりひめ)はなんと、日本を造った神武天皇の御母神。そして、古くから女性の守護神として信仰を集める安産や育児、縁結び、長寿の神様でもあります。河合神社の美麗祈願はここから始まりました。糺の森は歴史の源が集まる場所だったんですね。
ちなみに、「方丈記」を書いた鴨長明が河合神社の神官の家系の出身であることは知る人ぞ知るところです。このお話はまた別の機会に。
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