海や山頂など、遮るものが何もない空へと昇る朝日を見るには、まさに昇り始めの日の出が美しいもの。しかし、アンコールワットのような大きな遺跡では、昇る朝日というよりも、遺跡全体を包み込み、夜が明けていく朝日を待つ時間が、言葉にできないほど幻想的です。
ハスの蕾を模したといわれる仏塔が、朝日が昇る空の色と一緒に池に映り込む光景は、とても神秘的。夜明けとともにゆっくりと色が移り変わり、静寂な空気に包まれます。日によっては敷地内から読経の声が響き渡り、感動的な1日の始まりを体験することもできますよ。
朝5時には、アンコール遺跡へ入場するためのチケットブースは空いていますので、その日に入場パスを購入するなら、5時前のまだ辺りが暗い時間にはホテルを出て、アンコールワットへと向かうように早起きしましょう。
アンコールワットの入場パスは、その場で撮影してくれる顔写真の入ったもので、郊外を除くアンコール遺跡のほとんどがこのパスを表示すれば見学することが可能ですので、予定に合わせて1日券や3日券を購入するのが便利です。
天候不良に悩まされず、朝日が見られる確率がもっとも高いのが、ベストシーズンと言われている乾季の11月〜暑季が始まる3月までの間ですが、お薦めは1月初旬〜2月下旬までの約2ヵ月間です。3月に暑季を迎える直前の乾季は、曇る日も少なく、最も美しい朝日が鑑賞しやすいと言われています。
もちろん気象状況はその年によって変動しますが、この時期もう1つ見られる光景があります。日の出前の夜明けの時間だけ、遺跡付近の池には、敷地内で観光用に飼育されている動物たちが、乾季で少なくなった草や水を求めて、集まって来るのです!
写真の白馬がそうですが、とても優雅に現れるのです!観光客が多い遺跡前の撮影スポットから道を隔てた、小さな水辺にやって来る様子は、堂々としていて、神々しいものがあります。この時期にしか出会えない、早朝の世界遺産に相応しい敷地内散策も楽しみましょう。
夜が開けはじめ空が青へと変わりはじめると、太陽がアンコールワット遺跡から、眩しい光を放ちながら昇りはじめます!いよいよアンコールワット遺跡からの日の出の時間です。
16世紀のアンコール王朝時代に完成した、クメール建築の最高傑作とされる大伽藍(だいがらん:僧侶が集まり修行する清浄な場所)から昇る朝日は言葉にできないほど感動的!南北1300m、東西1500m、幅200mの掘りに囲まれた東南アジア最大の遺跡ですから、光と影とのコントラストが、壮大なスケールで広がっていきます。
凛とした夜明け前は、まだ肌寒いアンコールワットですが、日の出の朝日に包まれると、大地からの温かみが伝わって来て、地球の生きている鼓動を感じるかのようです。
アンコールワットの入り口となるのが、蛇神であるナーガの像が支える約560mの西参道です。その参道にある西塔門を過ぎた先に、2つの聖地の池があります。この2つの池のうち、遺跡に向かって左の池の手前がベストスポットです!池に伽藍が映り込む写真や、数人の人物を入れても、大きな遺跡を背景に写真を撮ることができます。
ただ、アンコールワットの不思議とも言われているのですが、通常は正面が東にあり、参道も東参道となるのがクメール建築なのに、この遺跡だけが西を正面にして建てられています。墳墓としての役割をもつなど諸説があるものの、今だ研究され続けている謎なのです。
その為、遺跡の素晴らしい石造建築全体を写真に撮ろうと思っても、午前中は逆光となり、綺麗に写すのは難しいのです。全体像でない、巨大な遺跡の中にいくつもある回廊や、レリーフなどは太陽光に左右されず撮影できます。カンボジアでは7月が見頃と言われている蓮の花も、この撮影スポットである聖なる池だけは、写真のように綺麗に咲いています。聖なる池では、朝日を撮影した後が、花開いていく様子が見られるベストタイミングとなります!
先ほどご紹介しました、朝は遺跡全体像が逆光となるアンコールワットでは、殆どの観光客が朝日ツアーなどで訪れる為、日が昇った7時過ぎからは朝食を食べにホテルに戻り始めます。
その為、朝日が昇った後の時間は、遺跡がじっくり見られるベストタイムなのです!この数時間、第1回廊から宇宙の中心として崇められる第3回廊の中央塔まで、他の観光客に会うことも滅多になく、ゆっくりとレリーフを見たり、回廊を散策したりできますよ。写真は、天地創造神話などのレリーフが壁一面に繰り広げられる、第1回廊の西側通路ですが、四角型の回廊の端まで誰もいなくて、まるで貸切り状態!
十字回廊を通って行く第2回廊では、祈りを捧げる地元の人々が。第3回廊のあるアンコール遺跡で最も高い地上65mの中央塔へも、この時間でしたら、見学時間を制限されず思う存分見ることが可能です。(通常は見学時間と1回の見学者数が制限されます)
ベストシーズンの乾季のシュムリアップ(アンコールワット遺跡のあるカンボジアの都市)は、日中は日本の真夏並みの暑さですが、朝晩は肌寒く気温差があります。朝日を観に行く夜明け前は長袖や羽織るものを持っていくのがお薦めです。また、早朝暗い時間に行かなければなりませんので、遺跡の敷地はかなり広く、現地のガイドの方などと一緒に行かれるのが安心です。
5:30に開かれるアンコールワット遺跡入場ですが、日の出と夕陽の鑑賞だけは時間を融通してくれます。ぜひ、カンボジア・アンコールワットで心に残る旅を楽しまれますように。
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(2024/10/3更新)
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