クレタ島を訪問するには船という方法が無い訳ではありませんが、一般的には空路でしょう。幾つか空港はありますが、ほとんどの国際線が離着するのがクレタの首都イラクリオンと第二の首都ハニアです。
ギリシャ本土から160km程しか離れていませんが、パリやフランクフルト等ヨーロッパの大きな空港からは空路で約3時間かかります。ギリシャは北−中央ヨーロッパ(ロンドン、パリ、フランクフルト等)と1時間時差がありますので、飛行時間など計算される際にはご注意ください。
イラクリオンは人口17万人でクレタ島の北岸の中央部にあり、クレタ島の首都です。ギリシャ全体では3番目に大きい町にあたります。ヴェネチア王国やオスマントルコに支配された時代を経て、第二次大戦ではドイツ軍の爆撃によって多くの部分が破壊されましたが、復興が進められました。
ハニアは人口5万3千人で、イラクリオンの次に大きな町です。クレタ島の西部にあたります。ギリシャでは3番目に人口密度の多い町です。1971年に首都がハニアからイラクリオンに移されるまで、ギリシャ内戦の飛び火を免れたクレタ島の繁栄をつかさどっていた町です。
この二つの町の丁度真ん中程のところにあるレティムノという町は、昔から商業港として栄えてきたことを彷彿させ、中心から旧市街にあたっては修復や保存がよくされています。ホテルや買い物に食事をする町の中心もとても清潔な印象を受けます。何日か滞在するのであれば是非訪問をお勧めしたい町です。
写真はレティムノの旧市街です。
イラクリオンを訪問する際に、第一に計画されるのがクノッソス宮殿観光でしょう。
クノッソス宮殿は紀元前4千年程からあったと考えられ、ミノア文化を代表する遺跡とされています。クレタ島の首都イラクリオンから南に5キロ程の所にあります。イラクリオンの中央駅からバス2番に乗って終点です。
ユネスコの世界遺産には登録されていませんが、ヨーロッパ遺産としてアテネのアクロポリス等に並んで登録されています。
クノッソス宮殿は、紀元前1750年の地震で壊れましたが修復され、その100年後に再度地震で損害を受けました。その20年後の紀元前1628年のサントリーニ山の噴火により完全に破壊されました。その後は修復がされてきています。
宮殿に入場した瞬間、まず目に付くのが宮殿の周りに廻らされた城壁です。すべての面にフレスコ画が施されていて、ギリシャ神話の神々、若しくは普通の民衆が描かれています。
あちこち見学しているうちに、迷宮に迷い込んでしまったような錯覚が起きます。それもそのはずです。敵が侵入した際に身を守るために宮殿は複雑に造られていて、迷路(Labyrinth)という言葉がここから生まれたとも言われています。
こうしてクノッソス宮殿は世界から沢山の観光客を魅了してきました。
写真は宮殿の北側の入り口です。
クノッソス宮殿には温水を作るシステムがあり、浴場には座れる浴槽があり、雨水が貯められる設備があったとされています。多くの宮殿に特有の噴水はクノッソスには無かったというのは、降水量がいかに少なかったかと言うことを裏付けています。
夏にクノッソスに行かれる場合には、帽子などの日よけと、水分補給をお忘れなく。宮殿の中に入ると、広くて観覧に時間がかかることがありますので、バテないように気をつけましょう。宮殿の入り口には沢山の食事処やお土産屋さんがありますが、割高ですので、あらかじめご用意されておくことをお勧めいたします。もう一つ大切なのは、写真を撮っている間に荷物がなくなっていたということを避けるために、どんな時でも荷物は体から離さないで持ちましょう。
考古学に興味があれば、クノッソス宮殿を訪問される際に、イラクリオンの国立考古学博物館も是非ご観覧ください。クノッソスも含めて、クレタの沢山ある遺跡の展示がされています。入場料は大人が6ユーロで18歳以下の子供はタダです。クノッソスの入場料も6ユーロですが、この二つの入場券をセットで購入すれば、10ユーロとお得になります。
写真はクノッソス宮殿の劇場跡です。
クレタには美しい海岸が沢山あります。その中でも、特筆すべきとしてバロス湾とエラフォニシが挙げられます。
バロス湾はキサモスというハニアから西にある町から行くのがいいでしょう。バス送迎もあるそうですが、出発時間が限られているので車での移動をお勧めします。
小一時間程岩ばった山道をひたすら走り、幾つもの山羊の群れを通り過ぎた後に見えてくるのが青色が4色も5色も重なり合ったバロスの海です。砂浜は真っ白で、太陽が反射して眩しいほどです。山の後ろに隠れている形になるので、秘境のビーチと言えるでしょう。
エラフォニシは、クレタ島の南西に位置します。バロス湾から車で1時間半程で着きます。パレオコラという南西の町に泊まってこのエラフォニシをゆっくり訪問するのもいいでしょう。エラフォニシは浅瀬が延々と続いていて、水の透明度が非常に高いです。こちらも砂浜は真っ白です。
ヨーロッパでは、死ぬまでに是非訪れてみたい海岸のランキングなどにこの二つの海岸は必ず登場します。
写真はバロス湾の入り口です。
クレタ島にはヤギが多いです。山の上まで急な斜面を楽々と登ったり降りたりしています。
クレタのヤギには立派に名前があって、クリクリという野生ヤギに属しています。(冗談のように聞こえますが事実です)多くは茶色から薄茶色の毛皮を持っていて、鼻から角にかけてこげ茶から黒い色をしています。もちろん白や黒いヤギもいます。
ヤギはクレタでは食生活にも重要な意味を持っています。ヤギの肉(ラムやマトンです。子羊と厳密に分けられないことが多いです)は、栄養豊富でクレタのみならず、南ヨーロッパでは頻繁に食されます。肉だけでなく、ヤギの乳で作られたチーズは一般的に日々食卓に並ぶ食品の一つです。
ハルーミチーズはキプロス島が原産地ではありますが、クレタでもよく見かけます。ヤギと羊の乳で作られたチーズです。加熱しても溶けないために、肉を焼くように網焼き等をして食されることが多いです。日本人には馴染みの少ないヤギ肉にチーズですが、クレタ島を訪問なさった際には是非試されてはいかがでしょうか。新しい味覚の発見があるかもしれません。
島の面積はほぼ広島県程ですので、一週間ほど滞在をなさるのなら車でまわりきれないことはありませんが、高速道路が完全整備されているわけではありませんので、車の移動にも予想以上に時間がかかったりします。それよりも、訪れたい町をいくつかターゲットに絞って、バス等での移動を計画されることをお勧めいたします。
物価は安いですから、観光客にとっては何でもお得に感じます。
人々は素朴で、陽気です。食事はもちろんワインも美味ですので、ギリシャ産の赤ワインを是非お試しください。
美しい海岸でのんびり、もしくはヘラクリオンやハニアでデザイナーものや地元の掘り出しもののショッピング、遺跡や博物館を回って古代に気分をタイムトリップさせてもいいですね。楽しみ方が沢山あるクレタへの旅行を検討されてはいかがでしょうか。
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(2023/11/29更新)
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