タイらしいエコツーリズム!チェンマイで「象使い」体験

タイらしいエコツーリズム!チェンマイで「象使い」体験

更新日:2018/06/20 17:38

象を見るだけならば、チェンマイまで行かなくても日本の動物園で十分ですね。では、チェンマイまで行く付加価値とは何でしょう。

チェンマイの超目玉ツアー「象使い」では、普通なら動物園で遠くから眺めるだけの「象」に、直接触れ、バナナを手渡しで与え、またがり、一緒に川遊びまでできてしまいます。

さらには、生きる場を失いつつある象への理解を増し、象たちに職を与えることにつながるエコツアーでもあるのです。

タイは象の国

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タイでは昔から生活の中に象が存在していました。

一部の象は神聖な生き物として崇拝の対象、または人間と共に働く大切な労働力、さらにはその大きさと力強さと従順さから軍隊の兵としても活躍してきました。

しかし、道や鉄道が整備され、トラックやショベルカーが活躍するようになると、労働力としての象は不要となり、象兵もまた現実的な存在ではなくなりました。伝統的な象の活躍の場は、限られてきています。

さらに、森林開発や密猟によって野生の象の数も激減し、象の国だったタイでは、象が絶滅の危機にさらされています。

人間が象の生活に参加するという観光

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象は長生きする動物です。平均年齢でも60歳以上となっています。そのため、若い頃には人間と共に働いていた象たちは職を失い、その子孫たちは厳しい就職難に面しています。

野生に返そうにも、象が生活していくのに必要なジャングルはもう多くは残っていません。また、絶滅の危機に瀕している象たちを保護するには費用がかさみます。

そこで考えられたのが、象を人間社会に組み込むのではなく、人間が象社会へと参加する観光施設です。

象使いとエコツーリズム

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チェンマイ北部の山裾には、いくつもの象の保護施設があり、もともと象使いを生業にしていた人々が観光客に象の乗り方をはじめとした象使いの術を教えて収入を得ています。

彼らは昔ながらのシンプルな高床式の住居で共同生活を送っていて、水道や電気が通じていないところも多く、上流の沢から引いた水を大きな樽に溜め、焚火の上で調理をしています。

そんな象の保護施設で象と触れ合えるエコツアーとの呼び名が高い「象使いツアー(エレファント・トレーニング・キャンプ)」は、チェンマイでももっとも高価でもっとも人気のあるアクティビティの一つです。

チェンマイ市街地からトラックで2時間ほど、後半は悪路を砂煙にまかれながら進むと象と象使いの村に到着です。

掘立小屋で作務衣のような服に着替えて、象使いと通訳から象とのコミュニケーション方法のレクチャーを受けます。「前」、「後ろ」、「右」、「左」、「止まれ」、「しゃがめ」などの言葉と合図を覚えたら、さぁ、象の背中によじ登ります。

象使い体験に大緊張&大興奮

象使い体験に大緊張&大興奮
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しゃがんだ象によじ登り、ざらざらチクチクするむき出しの象の肩のあたりにまたがると、象が立ち上がります。アジア象は象の仲間の中では決して大きいほうではありませんが、捕まるところも足をかけるところもない不安定さもあり、その高さに恐怖を感じるほどです。

離れたところから見ている象の動きはスローで優しげですが、背中にまたがって感じる肩の上下、固い枝を踏みつける衝撃、時折鼻から噴射される鼻水など、日常ではありえない強烈な刺激の連続。

象使い見習いとして、覚えたばかりの言葉や合図を駆使して、目的地に象を向かわせましょう。山の中を抜け、河原を歩き、ようやく座りなれて緊張がほぐれた頃には、象も象使いも大喜びの水遊びタイムがやってきます。

茶色く濁った川へとザブザブ進む象。背中から飛び降りるわけにも行かず、そのまま川で一緒に水浴びをすることになります。象の鼻シャワーを浴びるのも象使いの修行の一つなのです。

最後に

物価の安いタイのアクティビティの中で、「象使い」はかなり高額です。送迎や通訳の費用はほかのツアーと同条件なので、象の保護費用は想像以上なのでしょう。

多少高くても、チェンマイの象使いツアーへの参加は、それが象の保護につながります。そして何より非常に刺激的で、決して忘れられない有意義で貴重な体験となることも間違いありません。

象と触れ合えるエコツアー各種は、チェンマイ市内のホテルや旅行代理店で申し込むことができます。また、観光用の保護施設は複数あり、ご紹介した象使い体験以外にも、芸達者な象のショーを楽しめたり、宿泊施設を備えたりしているところもあります。

象と楽しく触れ合いながら、タイにおける象の現状を知り、保護活動にも参加できるこれらのツアーは、今もっとも注目されているチェンマイ観光の目玉の一つ。

チェンマイの思い出に、想像以上に高く硬い象の背中の乗り心地やバナナを舐めとる舌触りを加えてみてはいかがでしょうか?

掲載内容は執筆時点のものです。

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