京都・宇治に蘇った世界遺産「平等院鳳凰堂」と周辺の名所

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京都・宇治に蘇った世界遺産「平等院鳳凰堂」と周辺の名所

京都・宇治に蘇った世界遺産「平等院鳳凰堂」と周辺の名所

更新日:2017/04/30 17:32

高橋 樂のプロフィール写真 高橋 樂 旅行ブロガー

鳳凰が羽を広げたような姿で、平安貴族の栄華を今に伝える京都・宇治の世界遺産「平等院鳳凰堂」。外観見学だけでなく、内部拝観や平等院ミュージアム鳳翔館も外せません。とはいえ、約半日あれば十分ですので、残りの時間は名所満載の宇治散策をどうぞ。
徒歩圏内で特におススメなのは、日本最古の神社建築『宇治上神社(世界遺産)』と二社一体をなす『宇治神社』と『源氏物語ミュージアム』です。

まずは世界遺産「平等院鳳凰堂」へ

まずは世界遺産「平等院鳳凰堂」へ

写真:高橋 樂

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宇治に来たら、まずは世界遺産「平等院鳳凰堂」へ!
2014年、2年あまりをかけた修理が完了し、平安貴族が夢見た極楽浄土の世界を今は完全な姿で見ることができます。

11世紀、栄耀栄華を極めたのは平安貴族・藤原道長。
『この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば(この世は自分のためにあるようなものだ。満月のように欠けているものはない)』権勢の絶頂を詠ったこの歌はあまりにも有名ですね。そして、この道長の長男こそが『平等院鳳凰堂』を建立した藤原頼道です。

ここ宇治は、平安時代、貴族の別荘地でした。『源氏物語』の「宇治十帖」でも、話の舞台となっています。道長が左大臣・源重信の夫人から譲り受けた別荘「宇治殿」を、道長の死後、頼道がさらに譲り受けて寺院に改めたのが始まりです。

まずは世界遺産「平等院鳳凰堂」へ

写真:高橋 樂

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当時は仏教の歴史観の一つ「末法思想」真っ只中。「末法思想」とは、平安後期〜鎌倉時代にかけて流行した、末法に入ると仏教が衰えるいう思想です。平等院が創建された1052年は、まさに「末法」の元年。貴族達はこぞって極楽往生を願い、阿弥陀如来を本尊とする仏堂を造営しました。『平等院鳳凰堂』もそのうちの一つです。

「平等院鳳凰堂」は本来、阿弥陀如来を安置する“阿弥陀堂”なのですが、建物全体が鳳凰が羽を広げたような形であり、屋根に銅製の鳳凰があるところから、後に鳳凰堂と呼ばれるようになりました。

鳳凰堂内部『阿弥陀如来像』拝観もお忘れなく!

鳳凰堂内部『阿弥陀如来像』拝観もお忘れなく!

写真:高橋 樂

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鳳凰堂の正面の窓からは阿弥陀如来のご尊顔を拝すことができます。でも折角なので、わかりやすい説明付の内部拝観をおススメします。

見所は、主に3つ。全て国宝です。

まずは御本尊『阿弥陀如来像』。円満なお顔と水晶の入った表情豊かな瞳、丸みを帯びた体躯。限りなく慈愛に満ちた雰囲気があり、見る者を心穏やかにさせてくれます。

そして『雲中供養菩薩像』。上部壁面にかかっている52体の菩薩像群です。楽器などを持ち、踊ったり飛び回っている様は今にも動き出しそうです。約半分は複製で、本物は平等院ミュージアム鳳翔館で見ることができます。真近で見ると、高い彫刻技術とセンスに驚きますよ。

次に『14面九品来迎図』。阿弥陀如来が菩薩を従え、往生する人を迎えにくる様子を9階位に分け扉や壁に描いたものです。生前の徳によって迎えられ方も違うというわけです。今は見えなくなってしまっている箇所も多いですが、自らを振り返る良い機会となりそうです。

当時内部は、極彩色の鮮やかな西方極楽浄土が再現されていたそうです。もし、この並々ならぬ浄土信仰が現代にあるなら、3Dマッピングに飛び回る雲中供養菩薩像、光を放つ阿弥陀如来など、ハイテク阿弥陀堂が出来上がるのかもしれません。

一説によると、父の絶大な権力を継いだ頼通は、ここにこもり、ひたすら極楽往生を願い瞑想していたとか。当時は、怨霊や魑魅魍魎、迷信が信じられていた時代です。蹴落としたライバル達の怨念が頼道を苦しめたのかもしれません。しかし、「当代一の権力者が“極楽浄土パビリオン”に逃避」って、何ともやるせないお話です。

※鳳凰堂内部拝観申込については、下段に詳しく説明しています。

日本最古の神社建築「宇治上神社」

日本最古の神社建築「宇治上神社」

写真:高橋 樂

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「平等院鳳凰堂」から徒歩約15分、宇治川を挟んで対岸、朝日山の山裾に、日本最古の神社建築の本殿がある『宇治上神社』があります。世界遺産にも登録されています。
こちらは菟道稚郎子、応神天皇、仁徳天皇が祀られており、近くの宇治神社と合わせて、宇治離宮明神や八幡社、宇治鎮守明神と呼ばれていました。

創建年ははっきりしていませんが、2004年の調査で、本殿は1060年頃の最古の神社建築であることがわかりました。また、1052年創建の平等院との深い関連性が指摘されています。

本殿(国宝)は平安時代後期に伐採された木材が使われて、一間社流造りの三殿からなり、左右の社殿が大きく中央の社殿が小さいのが特徴です。拝殿(国宝)は、鎌倉時代前期に伐採された桧が使用されており、鎌倉時代の優れた建物遺構です。

こちらは、規模は小さいですが、後ろの山や木立に囲まれて、古えの香り漂う神聖な雰囲気の場所です。「平等院鳳凰堂」と併せてこちらを訪れてみてはいかがでしょうか?

日本最古の神社建築「宇治上神社」

写真:高橋 樂

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また拝殿右の手水舎には、唯一現存する宇治七名水、「桐原水」が湧き出ています。
柄杓が並べられ開放されていますが、湧水のため煮沸した方が良いと注意書きがあるため、手洗い用としてご利用される方が無難でしょう。

受験合格にご利益!「宇治神社」、パワースポットも有り!

受験合格にご利益!「宇治神社」、パワースポットも有り!

写真:高橋 樂

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宇治神社は、宇治上神社の東隣に位置し、二社一体となっている神社です。

宇治神社は、かつて平等院の地主神として祀られていました。隣の宇治上神社や、宇治川対岸の縣神社も同様です。これらは宇治川を挟んでほぼ一直線上に建っています。かつて、平等院の参詣者は、まず宇治神社(宇治上神社)に参詣した後に、参道として宇治川を渡り、平等院へと向かったと考えられています。

祀られているのは応神天皇、仁徳天皇、菟道稚郎子。宇治の産土神(その土地に生まれた者を一生守護してくれる神)としての信仰を始め、開運や学問の神として、志望校合格ご利益があるとされています。合格祈願に智恵の輪、是非くぐらせて頂きましょう!

また、境内各所に、神の使いの兎像「みかえり兎」が置かれています。その所以は、昔、御祭神・菟道稚郎子が、河内国から宇治に入られる途中で道に迷い、兎が御祭神を振り返りながら道案内申し上げたという言い伝えによるものです。

また、こちらには隠れたパワースポットもあります。
境内奥、本殿の右側、木々に囲まれひっそりとしている場所です。気の流れの違いを感じ、ぜひ古代の力でパワー充填してください。

源氏物語ファン必見!「宇治市源氏物語ミュージアム」

源氏物語ファン必見!「宇治市源氏物語ミュージアム」

写真:高橋 樂

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宇治と聞いて『源氏物語』の最後半、「宇治十帖」を思い出す人は多いのではないでしょうか。
宇治市は『源氏物語』を観光シンボルとしており、いたるところで源氏物語の雰囲気を感じられます。その代表ともいえる観光名所は「源氏物語ミュージアム」。前段落の『宇治上神社』からはさわらびの道を通り徒歩約5分です。

『源氏物語』の幻の写本とよばれる「大沢本」など「源氏物語」に関する資料の収集・保管等を行っています。1998年に開館し、開館10周年にあたる2008年9月にリニューアルが行われました。

企画展も年に度々行われており、平安時代の人々の考え方や暮らしぶりを知ることができますので、源氏物語ファンには必見の博物館です。
また、ファンならずとも、行ってみると現代との違いを知り、新たに何かを気づくことが多い“温故知新”の場所です。

まとめとその他

藤原頼道が憧れ求めた極楽浄土、それが京都・宇治の世界遺産「平等院鳳凰堂」です。内部拝観は、入園後に別途申込が必要です。混雑時は待ち時間がありますので、平等院ミュージアム鳳翔館を回ったり、一旦外に出て周辺を散策しても楽しいですよ。
宇治は見所が多く、宇治川の対岸の日本最古の神社建築『宇治上神社(世界遺産)』『宇治神社』『源氏物語ミュージアム』は特におススメです。

≪その他≫
■鳳凰堂内部拝観申込と流れ
入場料:300円(入園料<600円>とは別に必要)
受付は、鳳凰堂正面向かって右手の社務所です。チケットに予約時間が印字されますので、その時間前に集合し、説明係の誘導で入ります。(1回50名)。所要時間、約20分。

※ただし、混雑時はかなり待ち時間があります。内部拝観を希望される方は、入園後すぐ、購入しに行かれた方がいいでしょう。購入後は、集合時間まで園内を散策したり、鳳翔館に行くのが効率的です。それでも時間を持て余す場合は、内部拝観のチケットを見せると再入園できますので一旦外に出て周辺を散策するのもいいですよ。

■鳳凰堂近くのお勧めランチ・カフェは、別記事をご参考ください。URLは本文下のMEMOに掲載しています。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/03 訪問

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