提供元:遠藤隆尚
地図を見るまずはインドネシア第二の都市メダン(Medan)から、グヌン・ルセル国立公園の玄関口となる「ブキットラワン(Bukit Lawang)」を目指しましょう。メダンバスターミナルから定期的に「ブキットラワン」行きのバスが出発しています。小さな村やパームヤシ農園の間をすり抜けて、悪路を走ること約4時間。ようやく終点の「ブキットラワン」バスターミナルに到着します。そこからトゥクトゥクに乗り、数キロメートル先に位置する国立公園の手前の村まで移動しましょう。
舗装された道の終点が今回の旅のスタート地点。レストランやゲストハウス、雑貨屋などが立ち並ぶ川沿いの一本道が、唯一のメインストリートとなる小さな村は、村の入り口から最奥のゲストハウスまで片道45分ほどで歩けてしまいます。
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地図を見る2004年、同じくスマトラ島にあるケリンチ・セブラ国立公園、ブキット・バリサン・セラタン国立公園とともに「スマトラの熱帯雨林遺産」として世界遺産(自然遺産)に登録された「グヌン・ルセル国立公園」。しかし、密猟や違法な森林伐採、パームヤシ農園による環境破壊が続き、2011年には危機遺産リストに登録されてしまいました。
スマトラ・オランウータンやスマトラ・タイガー、スマトラサイを始めとする希少な野生動物が生息するジャングルに足を踏み入れてみましょう。密林のジャングルがスマトラの熱い太陽から守ってくれますが、気温と湿度はやはり高め。ゆっくり歩いていても汗が出てきますので、水分補給が欠かせません。
*国立公園のトレッキングには日帰りや1泊2日などのツアーがあり、現地の観光案内所やゲストハウスなどで手配ができます。
*トレッキングにお勧めの持ち物
・虫よけスプレー
・水
・タオル
・ビーチサンダル
1泊2日の場合は上記に加え、水着や防寒具(または夏用寝袋)、ヘッドランプなどがあるとよいでしょう。ビニールシートでできた簡易施設での宿泊となり、寝具は一切ありません。明け方にかけて気温が下がりやすいので、寝冷えに注意してください。
スマトラ・オランウータンを探し求め、ジャングルの中を歩くこと数時間。程よく疲れ、おなかも減った所でランチをいただきましょう。一休みしている間に、ガイドはランチの準備に取り掛かります。大きなナイフで器用に野菜とフルーツをカットして、インドネシアのローカルフード、ナシゴレンに盛りつけたら完成です!
運がよければフルーツの匂いを嗅ぎつけて、スマトラ・オランウータンがやって来るかもしれませんよ!
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地図を見るかつては東南アジアに広く生息していたオランウータンですが、現在ではボルネオ(カリマンタン)島とスマトラ島でしか見られなくなってしまいました。「グヌン・ルセル国立公園」では、約5000頭のスマトラ・オランウータンが生息していると言われています。
オランウータンはマレー語で「森の人」。一生のほとんどを樹木の上で過ごし、重力をうまく利用しながら木をしならせて、木から木へと移動します。ここ「グヌン・ルセル国立公園」では、密猟被害などにより親をなくした子供のオランウータンや、ペットとして飼われていたオランウータンを森へ返す場所でもあるそう。そのときの名残なのか、人を見ても逃げないオランウータンもいるそうで、遭遇率が高いのだそうです。
*オランウータンを発見した際は、大声を出したりむやみに近づいたりせず、ガイドの指示に従いましょう。
密林のジャングルはいつしか景色を変えます。傘の代わりになるほどの、大きなフキの林の谷を下ると、川の流れる音が次第に聞こえてきます。やがて景色は大きく開け、そこにはコバルトブルーの美しい川と、船頭さんが出迎えてくれます。
船頭さんは器用にゴムチューブを組み合わせ、ゴムいかだを作成します。二重にしたビニール袋に荷物をしまい、しっかり防水。ここからは、川下りで村へ帰ります。川の水しぶきを全身に浴びて、汗をかいた体もすっかりクールダウン。トレッキングの疲れも吹っ飛びそうですね。
*1泊2日の場合、川沿いの簡易施設に宿泊、翌日に滝遊びなどをしてからトレッキングまたは、川下りをして村へ戻ります。
「グヌン・ルセル国立公園」は、世界遺産の登録基準「類まれなる自然美」が認められた自然遺産です。そのお膝元の村「ブキットラワン」で、朝一番の朝日を浴びて鳥の鳴き声に耳を傾けてみてください。そして、目の前に広がる美しい自然は離れがたく、いつまでも「ここにいたい」と思わせるでしょう。
■メダンへのアクセス
バンコクやクアラルンプール、シンガポール、ジャカルタなど東南アジアの主要ハブ都市から、スマトラ島メダンへの飛行機があります。
■ブキットラワンへのアクセス
メダンバスターミナルから:ブキットラワン行きに乗車。約3時間で終点のブキットラワンバスターミナルに到着。そこからトゥクトゥクを利用。
*その他トバ湖など、スマトラ島北部の観光地にある旅行会社からも、バス(シェアタクシー)が手配できます。
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(2024/9/18更新)
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