世界で最も高いミナレット!クトゥブ・ミナールでインド史に思いを馳せる!

世界で最も高いミナレット!クトゥブ・ミナールでインド史に思いを馳せる!

更新日:2014/11/22 11:07

渡部 洋一のプロフィール写真 渡部 洋一 フリーライター、カメラマン
デリーは大国インドの首都であり、日本からの直行便も発着するインドの玄関口です。多くの外国人旅行者が、ここデリーからインドの旅をスタートします。直轄地域を含め人口2000万を超えるアジアを代表する大都市で是非訪れてみたい、オススメ歴史スポット「クトゥブ・ミナール」をご紹介します。

現役の大都市に聳える、世界で最も高いミナレット!

現役の大都市に聳える、世界で最も高いミナレット!

写真:渡部 洋一

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デリーは、新しい都市です。デリーに歴史が無いという意味ではなく、インドの首都として常に現役の街であるために、急速に新しいもので上書きされ、古いものが見え辛くなっているのです。確かにニューデリーエリア等は、歴史はおろか他のアジアの都市に良く見られる「古き良き懐かしさ」すら感じることは困難なほど、本当に奇麗に整備されています。

しかし、そんな現代都市デリーにも、超大国の歴史が残るスポットがいくつかあります。その中で特にオススメなのが、今回ご紹介する「クトゥブ・ミナール」です。天高く聳える約72.5メートルの塔は現存する世界一高いミナレットであり、1993年世界遺産に登録されています。

高さだけじゃない!塔側面の見事なイスラムの装飾!

高さだけじゃない!塔側面の見事なイスラムの装飾!

写真:渡部 洋一

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インド最初のイスラム王朝である奴隷王朝の建国者クトゥブッディーン・アイバクによって1200年頃に建設が始まったとされるクトゥブ・ミナール。ヒンドゥー教勢力に対する勝利を記念して建てられたと言われます。アイバクの存命中に完成したのは一部ですが、死後後継者によって工事が続けられました。
尖塔の高さ72.5メートルはミナレットとして世界一の高さを誇りますが、建設当初は100メートルほどの高さがあったと言われ、地震や落雷等で崩壊した後に修復されたのが現在の姿です。

世界一という高さもさることながら、ミナレット周囲に施された装飾も見事です。幾何学模様や唐草模様等イスラム教特有の彫刻たちは、イスラム王朝のヒンドゥー教への勝利を高らかに謳い上げているかのようです。

遺跡内随所に見られる時の洗礼

遺跡内随所に見られる時の洗礼

写真:渡部 洋一

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地震等で上部が崩壊したこともありますが、比較的建設当時の姿を留めているミナレット。
しかし、その周囲に目を向ければ、この遺跡が数百年の時の洗礼を受けてきたことがよくわかります。

このミナレットが現代に立っていることは奇跡であり、そこに多くの人々の努力があったと思うと、感慨深いものがあります。

「未完成」のアラーイーの塔

「未完成」のアラーイーの塔

写真:渡部 洋一

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塔の北に150メートルほど歩いた場所に、未完成のミナレット、「アラーイーの塔」があります。残された基底部だけでも直径約25メートルもあり、完成すれば100メートルを大きく越え、クトゥブ・ミナールを優に凌ぐ高さであったろうとされています。

「クトゥブ・ミナールの2倍の高さの塔を建てよう」としたハルジー朝(14世紀)のアラウッディーの夢は、計画半ばに本人が暗殺されることで幻となりました。

もしもアラーイーの塔が完成したら、21世紀のデリーの空に2本の巨大なミナレットが聳えていたかもしれません。そんな想像するだけで胸が高鳴る、インドの王様の夢の跡です。

イルトゥトゥミシュの墓

イルトゥトゥミシュの墓

写真:渡部 洋一

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クトゥブ・ミナール敷地内には、奴隷王朝第3代君主イルトゥトゥミシュの墓があります。
アイバクによって建設が始まったミナレットを、アイバクの死後さらに天へと伸ばし、王朝の領土拡大に大きな功績を残した王です。
自らの功績に見守られながら眠る偉大な王の周囲には、今日も人々が集まります。

デリーでインド史に触れるなら

いかがでしたか?
目覚ましい発展を続けるインドの首都デリー。繁華街で現代を生きるインドの人々のエネルギーとパワーに触れるのももちろん楽しいですが、せっかくインド旅行に来たのなら、是非ともこの超大国の歴史の一端に触れてみたいものです。

デリーで「古いインド」を見たくなったなら、「世界一高いミナレット」に歴代の王たちの夢が詰まったクトゥブ・ミナールをオススメします!

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/02/03 訪問

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