写真:渡部 洋一
地図を見るデリー旧市街、オールドデリー。ムガル帝国時代の香りを残すこの街の中心部に、ジャーマー・マスジッドは建っています。ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンによって建設が始まり、1656年に竣工しました。インド最大のモスクの一つとされています。
インドに関心のある方なら、「シャー・ジャハーン」という名前をご存知かもしれません。そう、愛する妃のため、世界一美しい墓とも言われるあのタージ・マハルを建設したシャー・ジャハーンです。タージ・マハルのあるアグラの街だけでなく、ここデリーにも世界遺産ラール・キラーやチャンドニーチョウク等彼の功績がいくつも残されており、このジャーマー・マスジッドもその一つです。
シャー・ジャハーンがデリーの都の中核をなすイスラム教の礼拝所として建造した巨大モスクは、赤砂岩と大理石組み合わせ。赤と白の美しいコントラストがインドの空に映えます。タマネギ型のドームと2本のミナレットは見事なシンメトリー。6年以上の歳月と莫大な費用を要して造られた、ムガル帝国繁栄の象徴です。
写真:渡部 洋一
地図を見る「ジャーマー・マスジッド」とは、「イスラムの休日金曜日に集団礼拝が行われる、町の中枢のモスク」といった意味であり、イスラム圏各地に同様の名のモスクが存在します。ここデリーのジャーマー・マスジッドも、言うまでもなく祈りの場です。
金曜日以外の日でも、デリーの街の喧噪を忘れるほど静かなモスクの中では、敬虔なイスラム教徒の祈りの姿を目にします。
国民の8割以上がヒンドゥー教のインドにあって、少数派とも言えるイスラム教徒の人々ですが、厚い信仰を胸に誇りを持って祈りを捧げています。
写真:渡部 洋一
地図を見るデリーの空に聳える、高さ約40メートルのミナレット。イスラム建築を特徴づけるこの優美なミナレットには登ることができ、デリーの街を一望することができます。
また、モスク前の中庭は、なんと25000人収容可能という広さです。この広大な中庭いっぱいにイスラム教徒が集まり、礼拝を行う様子を思い浮かべると、胸が熱くなりますね。
写真:渡部 洋一
地図を見るモスク正面左のミナレットからの景色です。眼下には大理石のドーム、その向こうにはオールドデリーの街並が見渡せます。高層建築の少ないオールドデリーで、街を一望できる数少ないスポットの一つです。
かつてシャー・ジャハーンや歴代の王たちも、この場所から人々の暮らしを見守っていたのかもしれません。
写真:渡部 洋一
地図を見るジャーマー・マスジッドの入口は、北南東の3カ所で、それぞれ立派な石段となっています。
1857年のインド大反乱の際には、反乱軍がこの場所に終結しイギリス軍に対して最後の突撃を試みました。3つの石段は、白装束で身をかためた反乱軍の死体で埋め尽くされたといいます。
集団礼拝所として造られたジャーマー・マスジッドは、世界史に残る大事件の目撃者でもあるのです。
いかがでしたか?
今回ご紹介したジャーマー・マスジッドは、オールドデリーの中心部にあるため、旧市街散策中に気軽に立ち寄ることができます。
そこで街中の喧噪を忘れるも良し、ミナレットに登り街並を見下ろすも良し、ムガル帝国の繁栄を偲ぶも良しと、本当にオススメの立ち寄りスポットです。
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(2023/12/6更新)
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