比叡山の鬼門の地・横川の禍々しい魔所を巡る

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比叡山の鬼門の地・横川の禍々しい魔所を巡る

比叡山の鬼門の地・横川の禍々しい魔所を巡る

更新日:2017/04/20 11:28

ナツキのプロフィール写真 ナツキ きのこの文化研究家、博物学者

都の鬼門として恐れられた滋賀県と京都府の県境にある比叡山。
その比叡山の鬼門に当たる処が横川です。比叡山ではもっとも遅く開かれた地ですが、密教と浄土信仰の融合を図った叡山中興の祖・元三大師良源とその弟子たちの横川の面白スポットをご紹介します。

舞台づくりの横川中堂

舞台づくりの横川中堂

写真:ナツキ

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横川駐車場から約300m歩いたところにある九頭龍池は元三大師が大蛇を掌にのせて仏法の守護神としてこの池にすまわせた伝説のあるところ。ここから見える中堂は若葉や紅葉の海に浮かぶ船の形をしています。中堂では、内陣の慈覚大師作と伝えられる本尊の正観音像の自愛に満ちた尊顔に接したら、外陣をぐるりと巡り、まず心を清めてから、魔所巡りをはじめましょう。

比叡山最大の魔所とされる元三大師御廟の墓石はなんときのこ形

比叡山最大の魔所とされる元三大師御廟の墓石はなんときのこ形

写真:ナツキ

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横川中堂から東へ緩く登る坂の途中には横川を愛した俳人の高濱虚子の塔があり、まもなく鐘楼に突き当たります。
そこを右(南)に行けば恵心堂から横川第二の魔所・覚超御廟(叡山ではごみょうと読む)があります。
まずは左(北)へとると箸塚弁財天、そして僧侶の修行道場・比叡山行院に出ます。
元三大師御廟はそこから300mほど北へ入ったところにあります。
ここは、元三大師が今も生きて修行しつつ大衆に利益をもたらすとされており、高野山の奥の院にならったもの。
その元三大師慈恵(じえ)大師の墓石が何ときのこ形なのです。
ここへいたる山気ただよう参道には霊場巡りめく石仏が随所にちりばめられており、捨てがたい雰囲気をかもし出しています。

横川第二の魔所は覚超御廟

横川第二の魔所は覚超御廟

写真:ナツキ

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第十八代座主の元三慈恵大師の門下は3千人と言われますが、そのうちでも四哲と言われたのが恵心僧都源信をはじめ、覚運、尋禅、覚超です。
その高弟の一人の覚超の御廟も恵心堂の先にあり、元三大師廟、麓の坂本にある飯室谷の慈忍(尋禅)廟とともに、叡山三大魔所と認定されているそうな。夜中に来れば面白いかも。
覚超は和泉国の出身で、元三大師から天台教学をまなび、源信の指導を受け、顕密二教を研究し著述を残しています。

ちなみに慈忍は第十九代天台座主となった九条師輔の子の尋禅で、修行に明け暮れたことから、後世の叡山僧が怠惰な生活をすると「慈忍はんが出てきてこらしめるぞ」という、いましめの意味で魔所とされたもので、なんともおそまつ。「ま」の悪い話でした。この御廟もきのこ形。
恵心堂から更に10分ほど南下したところにある恵心僧都源信の墓もきのこ形なんて聞けば、きのこ好きならずとも覗いてみたくなるでしょう。

わが国のおみくじの生みの親・元三大師の鬼の護符

わが国のおみくじの生みの親・元三大師の鬼の護符

写真:ナツキ

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御廟から箸塚弁財天まで戻ると、その真正面に元三大師良源の住まい跡の四季講堂(元三大師堂)があります。
入母屋造、銅板葺きで正面に一間の唐破風造の向拝がついており、江戸初期の建築。

比叡山中興の祖と仰がれる元三大師は角大師、豆大師として親しまれ昔から鬼の姿になって魔除けの護符として全国に広められました。

良源和尚は、なかなかのイケメンでしばしば都に招かれて祈祷を行ないましたが、あるとき、若い女官に誘惑されそうになりました。
そこでくわばらくわばらと鬼の姿になって折角の誘いを断ったそうです。
もったいない話ですが、同じ手を使って厄病神も追っ払った事から角大師の護符信仰が盛んになったと言われますので、この人生何が幸いするかわかりません。しっかりはげめよとの教えかな?。

源信の住居跡の恵心堂

源信の住居跡の恵心堂

写真:ナツキ

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小堂ですが、御堂の美しさでは群を抜いており、恵心僧都でなくとも、ここで過ごしてみたくなります。

栄達の一切を捨てて精進しなさいと言われた当麻の里の母の教えを生涯守り、横川に隠れ住み、多くの著作を著わしました。

その代表作の『往生要集』によって、元三大師慈恵の阿彌陀信仰を発展させ、念仏による極楽往生の方法をしっかりと示し、天台浄土教を確立しました。
ここから法然、親鸞らが輩出されることになります。

この横川は、浄土教ならずとも、日蓮、道元も修行したところで、日本仏教界のペレストロイカに等しい鎌倉仏教の担い手はすべてここから出発しています。

おわりに

横川は、東塔西塔からやや離れたエリアですが、見どころも多く、1日優に楽しめます。日帰りの旅なら、ここだけに絞ってじっくり巡ることをお薦めします。
比叡山へのアクセスは、京阪電車が季節毎のお得チケットを発売していますので、京阪電車のWEBでご確認の上お出ましください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/09 訪問

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