東大寺・毘盧遮那仏(奈良市)のみが知るくつろぎのB級スポット

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東大寺・毘盧遮那仏(奈良市)のみが知るくつろぎのB級スポット

東大寺・毘盧遮那仏(奈良市)のみが知るくつろぎのB級スポット

更新日:2014/11/30 10:09

ナツキのプロフィール写真 ナツキ きのこの文化研究家、博物学者

東大寺の塔頭群にはそれぞれ、魅力的な観光ルートが用意されていますが、その絢爛豪華な華厳世界の傍らで精一杯オーラを発している場所がそこここにあります。華厳世界の毘盧遮那仏おすすめのB級スポットをご紹介しましょう。

知足院の裏山はかっては石仏の宝庫

知足院の裏山はかっては石仏の宝庫

写真:ナツキ

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正倉院の東側にひっそりたたずむ知足院は、像高97.2cmの木造彩色のイケメン地蔵菩薩(重文)を本尊とする東大寺塔頭(たっちゅう)のひとつです。毎年の7月24日地蔵会の日のみご開帳で賑わいますが、その日を外すと、こんな静かな東大寺村もあるんだとうれしくなってしまいます。

その閑散とした知足院の更に裏山の林は、時おり食道楽の鹿がとりどりのきのこを食べにくる以外は人っ子ひとりいないだだっ広い空間がひろがっています。この鹿の楽園にはかって石仏が多数散見されました。今は多少整理されて少なくなってしまいましたが、それでも小1時間も歩けば、堪能できるくらいは残っています。

知足院 華厳宗 開創寛平2(890)年
拝観自由 拝観時間 9:00〜16:30

とても珍しい仏頭石と寝コロンボ地蔵

とても珍しい仏頭石と寝コロンボ地蔵

写真:ナツキ

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若草山南麓の水谷(みや)川の流れに沿って数百メートル行くと、月日亭という料亭が見えてきます。その料亭の手前左手の小高い所に、六角柱の頂部に阿弥陀如来を丸彫りにした仏頭石と倒れたままの地蔵像が無造作にころがされています。

仏頭石は高さ107cm。頭部の如来像の下の六面にはそれぞれ聖観音はじめ付随する六観音が彫られ、その蓮華座の下には相対する狛犬が刻まれています。室町中期の作。
寝コロンボ地蔵の方は、高さ120cmの自然石の表面に地蔵立像が刻まれており、とても美しい造形です。鎌倉中期の建長6(1254)年の年号があります。春日奥山へのぼるとっつき付近にあり、はじめギョギョっとしますが、近づいてみるととてもやさしい表情を湛えた仏でなごみます。

鑑真和上の戒壇院

鑑真和上の戒壇院

写真:ナツキ

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天平勝宝6(754)年、遂に来日を遂げた鑑真から聖武天皇と光明皇后はそろって戒を授かり、その翌年、天皇は日本初の正式な受戒の場として戒壇院を建立します。その当初は戒壇堂、講堂、僧坊、廻廊などを備えた大寺院でしたが、江戸時代までに3度火災で焼失し、戒壇堂と千手堂だけが復興されました。

聖武天皇崩御ののち、この受戒の方法を巡って異議申し立てがあり、鑑真は、ここを出て律宗の招提寺(私寺)を建て隠棲します。現在の唐招提寺です。こちらの戒壇は鎌倉時代に入って築造され、幕末に焼失、石段を3段残すのみとなってしまいました。

戒壇は、仏教界の伝家の宝刀、この争奪を巡って仏教界は荒れに荒れ、この権利は遂に伝教大師の比叡山に持っていかれてしまいます。
この戒壇院の前に立つと、今でも見事な寺院とは裏腹にうすら寒い人間の心を覗く思いがします。

玄ムの頭を埋めたと信じられてきた頭塔

玄ムの頭を埋めたと信じられてきた頭塔

写真:ナツキ

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方形七段の土塔で、東大寺僧実忠が神護景雲元(767)年、良弁の命を受けて仏舎利塔として築造したと伝えられます。
しかし、いつの時代にも居るスキャンダル好きの人たちによって、その当初から僧玄ムの頭を埋めたと、まことしやかに伝えられてきました。
昭和の発掘調査によって、仏舎利塔であることが判明しましたが、近年はパワー・スポットのファンたちが、奈良の町中のピラミッドとして注目を集めてきています。

しかし、この土塔には無数のすばらしい石仏群がちりばめられており、電話予約をして訪れるだけの値打ちは充分にあります。
管理のボランティアをしてくださっている近くの中村表具店さんにあらかじめ電話で予約をいれて、鍵を開けてもらい入場します。

中村表具店
奈良市高畑町
電話0742-26-3171
開館時間 9:00〜17:00
入場料  300円

まとめとして

平城京の時代には、東大寺界隈は郊外に当たり、閑散としていました。この東山の空白地に行基や良弁の活躍するようになり、草庵がちらほら建ち始め、やがてそれらが規模を整備拡張して春日神社にはじまり、東大寺や興福寺が建てられていきます。
奈良の面白さは、絢爛豪華な寺社仏閣には、小さな院が普段着のままの表情で取り巻いており、それらがそれぞれささやかな光芒を放って、全体として支え合っている感じがします。
今回ご紹介した場所、はいずれも近鉄奈良駅から10分も歩けば行きつけるところばかりです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2012/08/23−2012/09/16 訪問

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