写真:けいたろう
地図を見る最初の商品が、亀廣永さんの『したたり』です。
この何とも涼しげなネーミングのしたたりは、夏の京都の一大イベントの祇園祭で巡行する山鉾(やまほこ)の一つ、菊水鉾(きくすいほこ)に献上するために、亀廣永の二代目主人の西井新太郎さんが考案しました。
献上されたしたたりは、会所と呼ばれる山鉾の基地で行われるお茶会でのみ提供されていましたが、やがて口コミで評判が広がり、通年で一般にも販売されるようになりました。
一見すると羊羹のようなしたたりは、手に持つとプルプルと震える、黒蜜を寒天で固めたゼリー状のとてもシンプルなお菓子です。
真夏の祇園祭のお茶会で食べる為に作られたお菓子ですので、冷蔵庫で冷やして、お抹茶やほうじ茶などと一緒にお召し上がり下さい。
【近隣観光スポット】
六角堂
錦市場
【店舗データ】
亀廣永(かめひろなが)
京都府京都市中京区高倉通蛸薬師上ル和久屋町359
TEL:075-221-5965
定休日:日・祝日
写真:けいたろう
地図を見る次に紹介するのが、みなとやさんの『幽霊子育飴』です。
昔話に子育て幽霊という、女の幽霊が飴を買いに来るお話しがあります。
死んだ後も子供のために飴を買う、おどろおどろしくも美しい話で、『ゲゲゲの鬼太郎』の前身の『墓場鬼太郎』の元ネタでもある話ですが、そのお話しに登場するお店が今でも京都に存在し、実際に飴が売られています。
昔話に登場し幽霊が買った飴となると、インパクトのあるお土産になること間違いなしです。
幽霊飴は麦芽糖を原材料としたシンプルで、懐かしい味の飴で、日持ちもするので、お土産にピッタリです。
【近隣観光スポット】
六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)
六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)
【店舗データ】
みなとや幽霊子育飴本舗
京都府京都市東山区松原通大和大路東入ル2丁目轆轤町80番地の1
TEL:075-561-0321
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)
写真:けいたろう
地図を見る次に紹介するのが、名月堂さんの『ニッキもち』です。
商品名にあるニッキというのは、シナモンのことで、京都の定番お土産の生八つ橋の皮にも使用されてします。
四角くカットされたニッキもちは、指でつまみ上げるとフルフルと震えます。あまりの柔らかさは思わず「おっ!」と声がでるほどです。
口に入れると、シナモンの香りが広がります。食感はマシュマロよりもさらにふわっふわで、甘さは控えめ。
初見では「八つ橋の皮の分厚いだけ?あんこもないから物足りないかも?」という印象を持つかも知れませんが、物足りなさは微塵も感じません。
このニッキもち、かの松下幸之助も大ファンでよく食べていたそうです。
こちらの名月堂さんは、先ほどの幽霊飴のみなとやさんから400m程度の距離にあるので、併せてのご利用をオススメします。
あまりの柔らかさに、日持ちがしなさそうですが、常温で3〜4日は保存が可能な点も、お土産として高ポイントです。
【近隣観光スポット】
建仁寺
【店舗データ】
名月堂
京都府京都市東山区新宮川町通松原下ル西御門町447-1
TEL:075-551-0456
定休日:毎週火曜(祝日除く)
写真:けいたろう
地図を見る次に紹介するのが、松屋常盤さんの『紫野味噌松風』です。
こちらの松風は、古都京都を代表するお菓子の一つで、大徳寺の江月和尚が考案したとされています。創業は承応年間で、代々の公家や茶人に愛され360年以上の長きに渡って守り続けられた伝統の味です。
完全手作りで、大量生産は出来ないので、予約しての購入がほぼ必須となっています。
京都御所のすぐ南側にあるお店の暖簾をくぐり中に入ると、現在では珍しい小上がりのある店造り。ショーケースのようなものはなく、箱詰めの松風が予約分だけ紙袋に入って並べて置いてあります。お店の方に予約した名前を告げ、代金を支払うと手渡してくれます。
ちょっと緊張するシチュエーションですが、対応してくれる女将さんは気さくな方で心配はいりません。
見た目は和風カステラといった感じの松風ですが、食感はむっちりどっしりとしていて蒸しパンのようです。初めて食べたのに、遠い昔に食べた事があるような感じの懐かしい味がします。
ちなみに松風という名前は、表面は焼かれた味噌に胡麻が掛かっていて豪華なのに比べ、裏側は白くて寂しいことから、能の謡曲『松風』の「浦寂し、鳴るは松風のみ」という言い回しが由来になっています。
【近隣観光スポット】
京都御所
【店舗データ】
松屋常盤(まつやときわ)
京都府京都市中京区堺町通丸太町下ル橘町83
TEL:075-231-2884
定休日:無休(年始のみ)
写真:けいたろう
地図を見る最後に紹介する穂野出さんの雲母漬(きららづけ)は、いわゆる小茄子の味噌漬けです。
雲母(きらら)という名称は、お店が建っている坂道の名前に由来しています。
かつて洛北に存在した一乗寺から比叡山へと通じるその坂道は花崗岩の地質で、土砂に雲母が含まれ、古くから雲母坂(きららざか)と呼ばれていました。
比叡山へ向かう僧侶が、疲れた体を癒す為に、この雲母坂にある茶店で食べた漬物が好評で、現在まで伝承され土地の名前が付いたのが雲母漬です。
雲母漬は味噌の風味が独特で、初めての人は試食をして、気に入ったら購入するという、ちょっと変わった方法を採用しています。商品を購入しようとお店に入ると、お店の人に「初めてですか?まずは、お味見してください」と言われます。
プリッとした食感の小茄子と味噌の風味は大人の味という感じで、甘塩っぱさが疲れた体に沁み入りそうで、疲れた僧侶に好評だったのも頷けます。
いくらでもご飯が進むのはもちろんですが、お酒のおつまみとしてもバッチリで、キリッと冷えた日本酒が欲しくなります。
【近隣観光スポット】
修学院離宮(拝観には事前に宮内庁のページからの予約が必要)
曼殊院
金福寺
詩仙堂
【店舗データ】
雲母漬老舗穂野出(きららづけほんぽほので)
京都府京都市左京区上一乗寺谷田町43
TEL:075-781-5023
定休日:無休
京都に行かなければ手にできない、口にできない商品には、現在の日本では少し珍しい、昔懐かしい独特の味に巡り会える喜びがあります。
今回紹介した商品は、手づくりの商品で数に限りがある物ばかりですので、併せて紹介した観光スポットに行くという方は、事前にお店に確認しておくことをオススメします。
旅行のプランは、観光スポット主体で練るのが普通ですが、お土産がメインとなる旅行を企画してみるというのも乙な物ですよ。
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索