写真:下川 尚子
地図を見るまずは、桐生の織物文化を学べる「桐生織物記念館」より街歩きをスタートします。JR桐生駅から徒歩7〜8分ほどの場所に位置します。
山間部のため農業には不向きですが、気候的に絹織物業に向いており、生糸の供給にも恵まれている土地柄の桐生。江戸時代以降は積極的に西陣や西洋の技術を取り入れ、織物業を基幹産業として発達してきた街です。
その後、時代背景・生活様式の変化に対応しながら発展を続け、1977年には伝統的工芸品桐生織として、国の指定を受けています。
ここ桐生織物記念館では、そうした桐生の歴史や伝統工芸品の指定を受けた技法の紹介、実際に桐生織で作られたドレスや着物、当時の機械などの展示が行われています。手織り体験もできますので、興味のある方はトライしてみてはいかがでしょうか。
一階には、桐生織の製品販売を行っているショップも併設。ネクタイや和小物など、質の良いものがリーズナブルに手に入ります。お土産にもぴったりですので、ぜひ立ち寄ってみてください。
写真:下川 尚子
地図を見る「桐生織物記念館」より10分少々歩いて、次の見どころ「矢野園」(写真)および「有鄰館」へ向かいましょう。
矢野園は、かつて桐生の商業に大きく関与してきた「矢野商店」の本店。桐生が織物の街として栄えた時代に、人々の生活必需品である呉服、お茶、お酒、調味料などの販売を行ってきた商店です。現在は、矢野園はお茶とお米の販売・喫茶を行っており、建物は以前のまま残されています。
そして有鄰館は矢野商店の所有していた11棟の蔵群を指します。レンガ蔵、木造蔵とさまざまな形態の建物が見られ、当時は、味噌、酒、醤油などが醸造され、保管される場所として使用されていました。一つの敷地内にさまざまな造りの蔵が見られる例は珍しく、不思議な時代にタイムスリップしたかのような感覚が味わえます。現在は、イベントスペースとして活用されています。
矢野園と有鄰館は、歴史ある建物が保存された桐生において、その中心的な位置づけのスポットと言えます。その情緒あるたたずまいは、桐生の街並みを印象づけるものとして知られ、桐生の写真スポットといえばまずはココ、という場所です。ゆっくり時間を取って散策したいですね。
写真:下川 尚子
地図を見る続いて、ランチスポットとして、桐生グルメをひとつご紹介します。矢野園から徒歩5分の場所にあるのが、桐生の名物グルメ「ひもかわ」で有名な藤屋本店です。
ひもかわは昔から桐生で食べられてきた、うどんの一種。薄く、驚くほど幅広の麺が特徴的です。お店によってその幅は異なり、2センチ程度のものもあれば、10センチを超すものも(藤屋本店は5センチ程度です)。ツルツル・モチモチの食感がクセになるうどんです。
一説によると、織物が栄えた時代、工女がすばやく食事を取れるように、薄く平たく麺を延ばしたのだと言われています。
この日はカレーせいろをセレクト。つけ麺の要領で楽しむこのメニュー、ひもかわの食べ応えある食感とカレーのスパイシーさが好相性で、オススメです!
写真:下川 尚子
地図を見る藤屋本店の次は、ランチ、お茶、見学などさまざまな目的で人気のスポット、ベーカリーカフェ・レンガへ向かいましょう。藤屋本店から徒歩5分程度の距離です。
こちらは、大正時代の建築を改装して店舗としています。桐生の工場によく見られる「のこぎり屋根」という特徴を備え、外壁はレンガ積み。桐生にはいくつもののこぎり屋根工場が現存していますが、レンガ壁ののこぎり工場としては、ここが唯一のもの。もとは織物工場として使用されていました。
正面から見ると分かりませんが、店舗正面の道路を東へ歩き、建物を横から見てみると、特徴的な「のこぎり屋根」が確認できます。
中は広々としたベーカリーカフェとなっており、購入したパンを食べられるイートインスペースが広くとられています。天井が高く、レンガの質感が生かされた店内は、ほどよくレトロでお洒落。ゆっくりくつろげるソファ席もありますので、街歩きに疲れたらここで休憩しましょう。
写真:下川 尚子
地図を見るベーカリーカフェ・レンガから徒歩2〜3分、東へ向かって歩いてみましょう。すると、桐生の街に特徴的な「のこぎり屋根」の工場が見えてきます。
織物の栄えた桐生では、当時、背の高い機械を置き、効率よく採光する必要があったため、のこぎり屋根の工場が多く造られました。現在でも、こうしたのこぎり屋根の建築は貴重な産業遺産として多く残されています。
桐生を歩いていると、今も織物工場として稼働している建物や、飲食店などに転用されているのこぎり屋根の建物を多く見ることができます。写真は、ワイン貯蔵庫として転用されている工場群。こうした風景が市内のあちこちで見られますので、探してみるのも面白いですね。
見どころとして5つのスポットをご紹介しましたが、ここから駅へまっすぐ歩くと、30分弱。周辺には、桐生天満宮や群馬大学工学部同窓記念会館など、そのほかにも見どころが点在していますので、お好みでアレンジして街歩きをお楽しみください。
ここでは、街歩きのモデルコースとして、桐生の代表的な通りを徒歩で巡るコースをご紹介しました。いかがでしたか?
価値ある近代化遺産が多い桐生ですが、少し残念なのは街並みに連続性がなく、見どころが「点在」しているところ。そのため、一番オススメの観光手段は「自転車」です。
桐生では無料のレンタサイクルを観光に利用できますので、あちこち見て回りたいという方は、ぜひ活用してみてください。ぐっと効率的に、見どころを回ることができるはずです!詳しくは下記MEMO欄にてチェックしてくださいね。
そのほか、無料のコミュニティバス「まゆ」も観光には便利。上手に活用することをオススメします。
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この記事を書いたナビゲーター
下川 尚子
兵庫県出身。2013年より2年間群馬に住み、現在は横浜在住。趣味は、食べ歩きとスポーツ観戦。小さな夢は、家族で北海道スノーボードに行くこと。そして、老後の目標は、四国八十八か所踏破です。夫が転勤族のた…
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