提供元:遠藤隆尚
地図を見る「麗江」と聞いて最初に思い出すのは、街一面に広がるかわら屋根です。この付近の土を利用して造られたかわらは、黒と白い粒子が混じったような、グレーがかった色をしています。
街の全景を見下ろしたければ、ぜひ「万古楼」へ足を延ばしてみましょう。獅子(しし)山の山頂にある「万古楼」は、高さ33メートルの五層の建物です。「かわらの海」と呼ぶにふさわしい光景が眼下に広がります。お薦めの時間帯は夕日の沈む頃。何千、何万ものかわら屋根が、さざ波にきらめく海のように美しく光り輝いて見えます。
提供元:遠藤隆尚
地図を見る「四方街」を中心にした迷路のように複雑な石畳の道、網の目のように張り巡らされた水路、そしてナシ族の建築様式による木造の住居や商店が建ち並ぶ「麗江の旧市街」は、数百年前から同じ姿をとどめていると言われています。
1996年に起きたマグニチュード7.0の麗江大地震で「麗江の旧市街」もまた、大きな被害を受けました。その復興事業において、近代的な建築様式に建て直すという案が出ましたが、街に住む人々がこれに反対し、「麗江の旧市街」は昔のままの姿で息を吹き返したのです。
麗江旧市街には「三眼井」と呼ばれる湧き水があり、上流から下流方向に、三つに区切られています。上流の水は飲料水に、真ん中の水は野菜などを洗うために、そして一番下流の水は洗濯などに利用されています。
霊峰「玉龍雪山」から流れる玉龍江の澄みきった水が、絶えず供給される「三眼井」は、今でも街の人々の生活の一部として利用されています。
麗江の旧市街を散策する上で忘れてならないのが「トンパ(東巴)文字」です。麗江の旧市街を築きあげたナシ族に伝わる象形文字は、現在世界で唯一の「生きた象形文字」と言われています。
街の看板に注目をしてみてください。漢字の下に小さく「トンパ文字」を見つけられるでしょう。塀や標識などいたる所に「トンパ文字」が使われています。お土産屋さんで「トンパ文字」の辞書や、一言会話集なども購入できます。
もっと「トンパ文字」を知りたければ、トンパ文化博物館(東巴博物館)を訪れてみてください。トンパ文字とナシ族の文化に関する書物などが展示されています。
麗江の旧市街では、いたる所にレストランや露店、フードコートがあるので、食事には困りません。ちょっと珍しい中国料理や昆虫料理など、食の大国中国の食文化を存分に味わえるでしょう。
中国内陸部の雲南省は「麗江の旧市街」を始めとして、「三江併流(さんこうへいりゅう)」や「中国南方カルスト」など、多くの世界遺産を有しています。「麗江の旧市街」を中心とした中国雲南の旅は、一味も二味も違った中国を魅せてくれるはずです。
■アクセス
飛行機:昆明や上海から麗江空港へ。
鉄道、バス:昆明や大理より1日数本。
いずれも空港や鉄道駅から旧市街へのバスが運行しています。
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