写真:六三四
地図を見る今回ご紹介するのは「竹迫温泉」。
沸かし湯「竹迫湯」の名で銭湯経営がはじまったのが1892年(明治25年)。
今(2012年現在)からちょうど120年前にあたります。
「竹迫温泉」の温泉掘削は昭和5年にはじまり昭和7年に完工。
温泉湧出掘削深度は尺貫法で1,800尺(約540m)であったそうです。
挿入管を木管で行う上総掘りが主流だった往時を垣間見る貴重な跡も「竹迫温泉」敷地内に残っています。
温泉都市鹿児島といえどもこの掘削管跡が残っているのは恐らく「竹迫温泉」だけ。まさしく鹿児島温泉銭湯文化を象徴する温泉遺産なんですよね。
写真:六三四
地図を見る外観のデザインは娘さんが書かれた絵がベースとなっており、玄関上部に掲げられた一枚板の看板文字も娘さんが書かれたそうです。
建物の老朽化がすすみ「120年銭湯を続けてきたがここらが潮時・・・」と一時廃業も考えられたという「竹迫温泉」。
しかし県外在住の子供さんが跡を継ぐ意思を示したため銭湯経営を続けていく事に。後継者不在で廃業するケースも決して珍しくない鹿児島温泉銭湯ですが子供さんの“決心”が歴史ある銭湯の継続につながったんですね。
桜島の降灰対策で屋根は大きな切妻になり正面には鮮やかな銅板の小屋根。
唐破風にはハート型の文様が光で壁に映り込む心憎い細工が施されています。
心、想いのこもった新しい「竹迫温泉」にふさわしい意匠に筆者も思わず笑みがこぼれました。
「竹迫温泉」を訪れる方に是非教えてあげたいポイントの一つです。
写真:六三四
地図を見る新しきものと古きもののクロスオーバー。
そんな言葉がぴったりの「竹迫温泉」。
洗い出しの土間、玄関には昔ながらの松竹鍵の下駄箱。
おばあちゃんの久留米絣の反物を使った暖簾。
また、茶系で統一された新しい脱衣所にも以前からあるロッカーを。
新調された洗面台はタイル張り。
古き良き日の日本の銭湯のイメージを残しつつリニューアルしています。
天井が高くなり開放感あふれる浴場で一際存在感があるのが吐湯口。
120年前から使われている湯口がそのまま利用され、たっぷりの湯を浴槽に注いでいます。
戦争で焼け野原となった鹿児島市。
「竹迫温泉」も例外ではありませんでしたがこの吐湯口だけは無事。
明治、大正、昭和そして平成と「竹迫温泉」の代名詞とも言える吐湯口はこれからも多くの方に愛され続けていくことでしょう。
リニューアル前、筆者は吐湯口からの湯を“うたせ湯”のように利用していましたが(常連さんはほとんどしています)新しくなっても他にお客さんがいなければきっとやります。
写真:六三四
地図を見る薄く黄色みがかった湯はナトリウム-塩化物泉。
なめらかな優しい肌触りの湯が以前と変わらずかけ流しで利用されています。
源泉温度は48.7℃(気温:26℃)、pH7.9。
若干加水はしていますが本当にいい湯です。
というか、加水しなきゃ入れません(笑)
筆者はこの湯が好きで月に2度は必ず入りに来ていましたが相変わらずの湯質に大満足。少し心配していたのですがホッとひと安心。これからも通い続けます。
写真:六三四
地図を見る地域住民の憩いの場としてもこれから新しい道を歩き出す「竹迫温泉」。
今後は町おこしの一環として銭湯で出来るイベントなどを随時行っていくそうです。
いつまでも地域住民に愛される温泉銭湯として続いていって欲しいものです。
「竹迫温泉」お正月の営業時間
1月2日 5:30〜12:00(オープン初日)
1月3日 5:30〜12:00
1月4日 5:30〜22:00(通常営業)
【温泉名】竹迫温泉
【施設名】竹迫温泉
【住 所】鹿児島県鹿児島市下荒田3丁目22-18
【電 話】099-255-1954
【泉 質】ナトリウム-塩化物泉
【適応症】慢性婦人病,慢性皮膚病,きり傷など
【時 間】05時30分〜22時00分
【料 金】大人390円
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(2023/11/28更新)
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