写真:木内 つばめ
地図を見る尖沙咀(チムサーチョイ)から地下鉄で2駅ほど北上した油麻地(ヤウマティ)。ここにある美都餐室(メイドウツァンサッ)は映画のロケ地としても有名な美しいレトロ・カフェ。ぜひ2階の席へ足を運んで下さい。観光客には「2階に行きたいよね?」という素振りで、お店の方が上を指差してくれます。天井のファン、強い日差しを緩やかにするグリーンのブラインド、時間をかけて1杯のドリンクを飲みたい窓際のボックス席、そして資材が無かった時代に半端なタイルを使ってできたというモザイク模様の壁は、ここでしか生まれることのできなかった運命的な装飾となっております。
さて、このカフェで是非注文しなくてはならないのは「フレンチトースト」。みなさんが思い浮かべる両面を焼いたものとは違って「揚げてある」のがここのフレンチトーストの特徴。パンについた卵液が衣のようになり一回り大きく見えます。あとはお馴染みのバターと蜂蜜をかけて食べるのですが、飲茶や海鮮ものを食べ続けてきた舌とお腹にはこの素朴な味が何だかほっとするのです。ウシの絵が描いた愛らしいカップでミルクコーヒー、若しくはミルクティーと一緒にどうぞ!
写真:木内 つばめ
地図を見る美都餐室のもう1つのオススメメニュー、それは焗琲骨飯(スペアリブライス)!卵と一緒に炒めたご飯の上に、骨付き肉がゴロゴロと転がり、その上にオレンジ色のソースがたっぷり。このソース、「香港のどこかで食べたことのあるような味なんだけど、何なのか明確にはわからない・・・」というようなもどかしい味がするのです。ドリアとも違う初めて出会うようなメニュー、美都餐室に来た際はぜひトライしてみてください。
食べる場所の居心地や空気というのは、その食事自体に非常に影響します。香港は外食文化なのでパッと食べてあっさり去るだけの「造り」にあまりこだわりがない画一的な飲食店が多いです。そんな中、美都餐室のような食べる時間をも楽しませてくれるカフェはとっても貴重。店名の「美しい都」という名前の通り、慌ただしい香港でここは別の時間が流れている都のようです。
写真:木内 つばめ
地図を見る油麻地から更に1駅北上した旺角(モンコック)にある金華冰廳(ガムワーピンテン)。店頭を見る限りベーカリーなのですが、奥に入ると地元の方で賑わうカフェになっております。
このお店は1日1000個限定の菠蘿包(ポーローパウ)というパイナップルパンで有名。パイナップルの味がする訳ではなく見た目が黄色いからこう呼ぶのですが、表面はサクサク、中はモッチリといった食感の二重奏がたまらない香港を代表するパンなのです。この焼きたてのパンを開いて、中に厚切りのバターを挟んで食べるのが菠蘿油(ポーローヤウ)。まだ冷たさが残るバターといっしょにカブリと一口!口の中でじんわり溶けるバターが、パンに一層重みとコクを出してくれます。高カロリーのものはやっぱりおいしいですね。
写真:木内 つばめ
地図を見る金華冰廳でサンドイッチ系をお望みなら、厚切り豚肉を挟んだ菠蘿包で満足いくお食事をどうぞ!塩気のある豚肉が、甘みのあるパイナップルパンを引き締めてくれます。レタスやトマトがパンと肉の2つを馴染ませる役割を果てしており、総合的にどっしりとした内容。「香港らしさ」を感じる味と発想のパンメニューです。
金華冰廳は下町感たっぷり!朝の混み合う時間などは地元の方と相席になる可能性が高いです。しかしそれも好都合、お店には英語が通じないおばさまスタッフが多いので、相席になった若い方に通訳してもらったりということもしばしば。このすんなり事が運ばないドキドキ感や、見知らぬ現地の方の親切心に助けらる安堵感こそが海外旅行の楽しさでもありますね。
香港に行くと、お粥・飲茶・麺類を出す日本人観光客ウェルカムのお店に行きがちになってしまうのですが、ちょっと王道食からわざと外れて、あまりイメージにない香港的カフェのメニューにも手を出してみませんか?香港でコーヒーや紅茶と共に摂る食事は新鮮であり、日本には無い味との出会いもあります。
美都餐室は8:30から、金華冰廳は6:30からといずれも朝食タイムから営業しているので、ぜひここから1日をスタートしてみてください。
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(2024/3/28更新)
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