多くの文化財や伝説に彩られた滋賀の古刹「三井寺」の巡り方

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多くの文化財や伝説に彩られた滋賀の古刹「三井寺」の巡り方

多くの文化財や伝説に彩られた滋賀の古刹「三井寺」の巡り方

更新日:2014/12/08 18:07

成沢 崇のプロフィール写真 成沢 崇 名古屋仏像研究会 会長、旅ライター

三井寺は、一千百余年にわたる歴史を持つ天台寺門宗の総本山。西国三十三ヶ所霊場の札所としても有名で滋賀を代表する古刹です。
文化財も多く国宝10件、重要文化財42件とその数だけでなく質の高さは全国屈指。平成26年10月には新たに重要文化財を安置する「文化財収蔵庫」が完成し、さらに見どころが増えました。新しく誕生した文化財収蔵庫とあわせ、三井寺で必ず押さえておきたいおすすめスポットをご紹介します。

豊臣秀吉の正室北政所によって再建された国宝の「金堂」

豊臣秀吉の正室北政所によって再建された国宝の「金堂」

写真:成沢 崇

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三井寺の山門を抜け、階段を上った先には本尊弥勒菩薩像を安置する国宝の金堂(こんどう)が現れます。桧皮葺の大きな屋根が特徴で、現在の建物は桃山時代の慶長四年(1599年)に豊臣秀吉の正室である北政所によって再建されたもの。

金堂の中へも上がることでき、正面左手の通路からは金堂の後ろ側(後陣)へと続くことが出来ます。お堂の後ろ側と聞くと狭く暗いイメージですが、三井寺のそれは違うのです。まるで博物館のように明るく広いスペースには多くの仏像が安置され、さらにはショップも併設されています。この後陣に入れば、三井寺が文化財の宝庫と言われる由縁がきっと分かるはず。ここは要チェックです!

今も湧き続ける霊泉が三井寺の名の由来

今も湧き続ける霊泉が三井寺の名の由来

写真:成沢 崇

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三井寺という名は通称で、正式名称は長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)といいます。今から1300年以上昔の、天智・天武・持統天皇の三天皇の産湯に用いられた霊泉があり「御井の寺」と呼ばれていたことから、後に三井寺という通称で親しまれるようになりました。

三井寺の名の由来ともなったこの霊泉は今も湧き出ているのですが、その場所が少し分かりにくいところにあるのです。場所は金堂を正面から見た左奥。金堂に隣接している「閼伽井屋(あかいや)」がその霊泉です。
檜皮葺の小さな建物ですが、こちらも桃山時代の建物で重要文化財に指定されています。格子の戸を眺めると泉があり、左奥の水面を見ると今も湧いているのが分かります。

ここに湧く泉は古来より金堂の弥勒菩薩にお供えされる霊泉で、九頭一身の龍神が住むと伝えられています。閼伽井屋の正面上部には、名匠左甚五郎作の龍の彫刻があり、昔この龍が夜な夜な丑の刻に琵琶湖へ出て暴れるので困った甚五郎が目玉に五寸釘が打ち付け静めたと伝えられています。
(※三井寺の名は智証大師円珍が当時の厳義・三部潅頂の法儀に用いたことにも由来するとも伝えられています。)

武蔵坊弁慶が引きずった傷痕が残る「弁慶の引き摺り鐘」

武蔵坊弁慶が引きずった傷痕が残る「弁慶の引き摺り鐘」

写真:成沢 崇

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金堂に隣接する閼伽井屋の先の道を登ると、あの武蔵坊弁慶が引き摺ったと伝わる「弁慶の引き摺り鐘」が収められた霊鐘堂があります。

これは奈良時代の梵鐘(お寺でつかれる鐘のこと)で、その昔、田原藤太秀郷という人物が三上山のムカデ退治のお礼に竜宮から持ち帰ったされる鐘を三井寺に寄進したと伝えられています。

この鐘は後に武蔵坊弁慶により奪われ、比叡山へと持ち帰ったのですが、引き摺り上げて撞いてみると「イノー、イノー(関西弁で帰りたい)」と響いたので、弁慶は「そんなにも三井寺に帰りたいのか!」と怒り、鐘を谷底に投げ捨ててしまったと伝えています。霊鐘堂にある「弁慶の引き摺り鐘」には周りをよく見ると引き摺られたような傷痕や破目が残り、これがその時に出来たものかもしれません。

三井寺には「弁慶の引き摺り鐘」の他にも、金堂の南東に近江八景のひとつ「三井の晩鐘」があります。天下の三大梵鐘の一つと称されるその音色は有名で「日本の残したい音風景百選」にも選ばれました。

平成26年10月に完成した「文化財収蔵庫」

平成26年10月に完成した「文化財収蔵庫」

写真:成沢 崇

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霊鐘堂から境内をぐるりと歩いて行くと、文化財指定のされた一切経蔵や三井寺の開祖円珍の像を安置した唐院、三重塔があります。ちなみに一切経蔵の辺りは、映画で人気を博した「るろうに剣心」の撮影場所でもあり、剣心が刃衛と初めて出会い薫を刃衛の魔の手から危機一髪で救い出すシーンが撮影されました。

そのまま先へと進むと、平成26年10月に新たに完成した「文化財収蔵庫」へと到着します。完成したばかりの建物ですが三井寺の景観にしっかりと収まっており、違和感を感じさせません。ここには平安時代に作られた仏像や、塔頭の1つである勧学院障壁画などが公開されており、三井寺の新たな拝観スポットの一つに加わりました。また、入り口には三井寺のゆるキャラ「べんべん」グッズも豊富です。

文化財収蔵庫
拝観料:300円

西国三十三ヶ所霊場の札所「観音堂」からは琵琶湖が一望!

西国三十三ヶ所霊場の札所「観音堂」からは琵琶湖が一望!

写真:成沢 崇

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ここまでで山門から金堂を経由し、文化財収蔵庫まで三井寺の大半を押さえることが出来ました。お参りの最後にぜひ訪れて頂きたいのが文化財収蔵庫から道づたいに歩き、石段を登った先にある観音堂です。

ここは、西国三十三ヶ所霊場十四番の札所になっており観音堂の秘仏本尊如意輪観音坐像が安置されています。古来より三十三年に一度しか開帳されない秘仏で、ご開帳の時となると多くの参拝者で賑わいます。ちなみに次回の本開帳は二十年以上も先。

最近では智証大師円珍生誕1200年記念として平成26年10月18日から11月24日にかけてご開帳されました。今後もこういった機会があるかもしれませんので、三井寺さんのHPをご確認ください。

観音堂でのお参りのあとは本堂の反対側へ。山の中腹に建つお寺だということを忘れさせるような広大な境内を持つ三井寺ですが、観音堂からは琵琶湖が一望できる絶景が待っています。

おわりに

三井寺の拝観スポットをご紹介させていただきましたが、広い境内を周るには所要時間として最低でも1時間はみていただくのがベスト。
また、特別拝観やライトアップなど多くのイベントも行われていますので、通常非公開の国宝建造物が拝観できることもあります。大晦日の除夜の鐘は三井の梵鐘を撞くことができ、午後11時から厄除けと新年の招福を祈念する多くの参拝者で賑わいます。

滋賀県屈指の古刹「三井寺」へぜひご参拝ください。

三井寺
滋賀県大津市園城寺町246
077-522-2238
拝観時間:8:00〜17:00
京阪石山坂本線「三井寺」駅より徒歩約10分
駐車場有り

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/13 訪問

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