写真:東郷 カオル
地図を見るツキコヤは京急線追浜駅(おっぱまえき)から徒歩15分から20分くらいの山の上にある、海を望むカフェ。たどり着くまでにちょっと大変な場所にあるにもかかわらず、訪れる人が絶えない人気店。訪問される方はお席の準備とアクセスについて、まずはお店に電話で確認されるようにとHPでご案内されています。これは、混雑でお客様をお待たせするのが申し訳ないというお店の配慮。あと「迷子になったら遠慮なくお電話ください」ということが伝えられます^^
覚悟していざお店へ!
お店のHPでは「右折し、突き当たりを右へ、住宅街をどんどん進み、二つ目の突き当たりを左へ、さらに進み三つ目の突き当たりを左へ進んでください」と。さながら昔のロールプレイングゲームの攻略本を読んでいるかのごとく案内が、秘密基地へ向かうかのようで若干ワクワクします。ですが、初めてで土地勘がない方にはかなり難解ですので、スマホのナビを使ったほうが確実です。
階段を昇ったあと、最後に心臓破りの急な坂道がありますので、ここまで来たらあと少しです^^
写真:東郷 カオル
地図を見る小高い山の上に突如現れる数奇屋造りの純和風建築物。ここがツキコヤです。
カフェとして和風に建築された建物ではなく、もともとはお茶室として京都から職人を呼んで建てられた数奇屋造りの本格的日本建築です。縁あって今のオーナーが借り受け、カフェ・ツキコヤとして人々をおもてなししています。
もともとお茶室だったこの建物は、いたるところにその名残をとどめています。お店のスタッフに声をかけて、お庭を見学させていただくとおもしろいでしょう。入口の横には腰掛けがあり、その奥に露地があります。もちろん蹲も。そして一番奥には四畳半のお茶室が。なんとこのお茶室、今はコーヒーの焙煎室として使われているので驚きです!
カフェスペースも以前はお茶室として使われていた広間で、もちろん床もあります。掛けられているのはお軸ではなく、クリスマスの飾りだったりしますが、違和感無く馴染んでいるところが不思議です。
2階はプライベートスペースですので入ることはできませんが、この建物がお茶室として使われていた頃は、立礼席として使われていたのだとか。
いたるところにお茶室の趣を感じることのできる建物ですが、完全に「和」ではなく、良い具合にくずれていて、そこが居心地の良さに繋がっているようです。
※腰掛:茶室に入る前に腰掛ける長椅子のようなもの
露地:茶室へと続く通路
蹲:茶室に入る前に身を清める水を溜めた手水鉢
立礼:正座ではなく、椅子に座ってお茶を楽しむ席
写真:東郷 カオル
地図を見る先ほど露地奥にある焙煎室(元、四畳半の茶室)について少し触れましたが、その焙煎室をカフェの中(昔の水屋側)から見たのがこちら。
カフェ側の壁はガラス戸になっており、焙煎室の中にも大きなガラス窓が作られていて、海を望むことができます。細部にまでこだわって建てたお茶室を、このように改装することを許可された持ち主の懐の深さを感じさせられます。
焙煎室の中には様々な産地のコーヒー豆が。
ちょうどオーナーがコーヒー豆を焙煎している最中。ツキコヤはカフェもされていますが、本格的なコーヒーやさん。四畳半のお茶室でコーヒー豆を焙煎しているなんて、さぞかし気難しい方なのだろうと思いきや、予想に反してフレンドリーで笑顔の素敵なオーナー。カフェを運営し、スペシャルティーコーヒー協会の認定マイスターとして活躍されている今でも、美味しいと噂のコーヒー店に足を運び味覚を磨いているのだとか。
オーナーは焙煎の大会「ローストマスターズチャンピオンシップ2014」で日本一のチームに輝いたという腕前。オーナーの焙煎したコーヒーはお店で買うこともできますので、カフェタイムのあとに好みの味を相談してみてはいかがでしょうか。
写真:東郷 カオル
地図を見るツキコヤは、オーナーはもちろんスタッフの方々もコーヒーに詳しいので、好みを伝えると的確にお好みの味をチョイスしてくれます。
ですがここではコーヒーをテイスティングで選ぶこともできますので、コーヒーをこよなく愛する方は、是非試してみられてはいかがでしょうか。コンクール用に焙煎された、普段あまり口にすることのないようなスペシャルティコーヒーを味わうまたとない機会です。
写真:東郷 カオル
地図を見るツキコヤではとっても美味しいコーヒーをいただくことができますが、フレンチトーストも絶品で、わざわざこれをお目当てにやってこられる方も多いとか。
ランチのあとのデザートとしてはボリュームがあるように思えますが、不思議なことにペロリと食べられます。カリッとした部分ととろっとした部分が絶妙。「あ〜、次はいつ来ようかな」と帰る前から考えてしまいます。メニューリストをペラペラとめくっていると、お店の名前「ツキコヤ」の由来が記載されているページが。
「ツキコヤ」には、「月に一度はリラックスをしに遊びに来てください」という意味が込められているとか。なるほど…と、納得させられる素敵な空間です。
山の上にある、どこか非日常のカフェ。人気のカフェですが、予約をおすすめされているだけあって、待たされたり、逆に待っているお客さんを目にすることもなく、とことんのんびり癒されます。コーヒー好きの方やスイーツに目のない方はもちろんですが、建築に興味のある方や、カフェを開業するのを目標にされている方にもおすすめのカフェです。
近くには八景島シーパラダイスや、NHKドラマ『坂の上の雲』ゆかりの「記念艦三笠」がありますので、観光と組み合わせて是非お立ち寄りください。
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(2024/12/13更新)
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