ヴェネツィアには車が走っていないので、移動は水上バスのヴァポレットが便利です。料金は時間制。1時間券をはじめ、24時間券、72時間券などもあるので、滞在日数にあわせて購入できます。時間内は乗り放題なので、運河沿いに街を見て回る事も可能です。
それにしても、なぜ海の上に街を造ったのでしょう?
5世紀。ヨーロッパではゲルマン民族や、東方から侵入してきた騎馬民族のフン族によって破壊と侵略が繰り広げられていました。やがて彼らはイタリア半島にもやってきます。この地方は平原だったので、人々は逃げたくても逃げる場所がありません。そこでとった方法が目の前の海の干潟に杭を打ち、板を並べ、逃げ場を造る事でした。
まさに避難所として造られたヴェネツィアは、やがて船での交易を通して世界有数の貿易都市として発達していくのです。
8世紀になるとヴェネツィア共和国として実質的に独立していきます。その後、地中海貿易の拠点として発展し、14世紀から15世紀には全盛期を迎えますが、1797年、ナポレオンの侵攻によって約1,100年続いた共和国としての幕を下ろしました。
その時、ナポレオンが「世界一美しい広場」と称賛したと言われているのがこの広場です。広場周辺にはサン・マルコ寺院をはじめ、鐘楼、ドゥカーレ宮殿など観光スポットが集中しています。
また迷路のような島内では道に迷う事も多いのですが、広場へ出る道はいたる所に案内が出ていますので、まずはここを拠点に散策するのがおススメです。
9世紀に聖人マルコの遺骸が持ち込まれ、それを奉るために造られました。以降、聖マルコのシンボルだった有翼の獅子がヴェネツィアの紋章となり、今でも街を歩いているとあちらこちらで獅子の像が見られます。
現在の寺院は、11世紀にビザンツ様式で再建されたものです。内部は金、大理石、そして美しいモザイク画で覆われており、その豪華さに圧倒されます。特にこの寺院の至宝、パラ・ドーロは金銀細工芸術を集結させた祭壇画で息をのむ美しさです。なお見学の際、リュックなどの荷物は預かり所へ預ける事になります。無料ですが少々離れた場所にありますので、入場者の行列に並ぶ前に預けておきましょう。
入場料:無料
※内部のパラ・ドーロと宝物庫は€3、博物館は€5と別料金なので注意
高さ96.8m。元々は見張り台と灯台の役目を果たしていました。16世紀には今の形で建っていましたが1902年に突然崩壊。現在のものは1912年に再建されたものです。
現在はエレベーターで上まで昇れます。眼下には中世の街並みを彷彿とさせる素晴らしい景色が360度広がります。
入場料:€8
大運河にまたがる橋の中でも最大の、大理石でできた美しい橋。12世紀に木造の橋として建設されたものが、16世紀に今の形に改修されました。この時、改修案は一般公募され、その応募者の中にはルネッサンスの巨匠ミケランジェロもいたんだとか。それを抑えて採用されたのは無名の建築家アントニオ・ダ・ポンテの案でした。
橋の周辺はヴェネツィアの中でも標高が高く高潮の被害が少なかったので、最も早く人々が住み始めたと言われており、商業の中心地として栄えました。現在でも橋の上や周辺は多くの土産物屋が並んでいます。また、橋からは船の行きかう大運河を見下ろす事ができ、風情ある景色を楽しめます。
ヴェネツィアの見どころを全部見ようとすると、とても1日や2日では回れません。代表的なものを紹介させて頂きましたが、美術館や教会、ゴンドラによる遊覧、主に毎年2月頃に行われるカーニバルなどその魅力は尽きません。
しかし、近年では街が海へ沈み始めており、世界各国からの救済支援を受けているといった問題もかかえています。その原因は地球温暖化による海面上昇とも、地下水や天然ガス採取による地盤沈下とも言われています。
訪れる際には、貴重な世界遺産を守るという観点も持ちながら、この水の都を散策されてみてはいかがでしょうか?
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