写真:渡部 洋一
地図を見る日本屈指の観光名所である白川郷の合掌造り集落は、1995年世界文化遺産に登録されました。2015年「明治日本の産業革命遺産」の登録で日本の世界遺産は19件となりましたが、白川郷は日本で6番目と比較的初期の段階で登録された世界遺産です。古都京都の文化財のわずか1年後の登録と考えると、早い段階で国として世界遺産登録に尽力していたことがわかります。
日本政府は世界遺産への推薦理由として、日本の木造建築群の中でもきわめて特異な要素、すなわち急勾配の屋根、屋根裏の積極的な産業的活用などを備えていることや、そのような集落が、それを支える伝統的な大家族制などとともに稀少なものになってきており、保護の必要性があること等を挙げました。
実際にこの場所に立つと、日本的な奥ゆかしい美しさはもちろん、その希少性をも肌で感じます。非常に日本的でありながら、現在の日本ではあまり見ることのできないこの風景を、いつまでも残していきたいものです。
写真:渡部 洋一
地図を見る白川郷のある岐阜県庄川流域は、豪雪地帯。かつては冬になると陸の孤島と化したようですが、交通の整備された現在では車で気軽に訪れることができます。
ライトアップの行われる日は、夜だけ訪れる観光客も多いようですが、時間に余裕があれば明るいうちから訪れることをおすすめします。夜とは異なる雰囲気を楽しめることももちろんですが、日が落ちる前なら周囲の山々がはっきりと見えるのもポイントです。
周囲の風景にも目を向け、山々に囲まれた小さな集落であることを実感することもまた、白川郷を理解するために一役買ってくれるはずです。
写真:渡部 洋一
地図を見る日没とともにライトアップに照らされる合掌造り。これぞ木造!といった家屋に茅葺きの屋根。そこに積もる純白の雪が夜の闇に浮かび上がる姿は、息を飲む美しさです。
私個人としては、日本的夜の美しさとして、トップクラスに位置づけられるものと感じています。
煌びやかなイルミネーションのような華やかさはありません。ライトアップというよりは、素朴な日本の美しさをただ闇に浮かび上がらせただけ。だからこそ、私はシンプルに心を打たれました。飾らない日本の美しさを、夜の白川郷は教えてくれます。
写真:渡部 洋一
地図を見る趣のある茅葺き屋根とそれを覆う真っ白な輝く雪に目を奪われますが、その傾斜も特筆するべき点。その斜度は45度〜60度と、非常に急に作られています。その大きな理由が、この地域の豪雪。雪が積もり建物を押し潰さないよう、雪が滑り落ちる急斜度の屋根となっています。
効率的な空間の使い方とは言えないけれど、自然に合わせて生活する人々の知恵が作り出した形状です。そしてその美しい二等辺三角形は、現在の日本では特異な建築物として、私たちの目を楽しませてくれます。
写真:渡部 洋一
地図を見る集落から徒歩20分程の場所にある、荻町城跡展望台。そこから見下ろす白川郷合掌造り集落は、まさに絶景です。雪を被った逆三角形の可愛い合掌造りの建物が数十個、雪国の闇に浮かび上がる姿は幻想的の一言。極寒の中で、一つ一つの建物の窓の灯りがわずかな暖かみを感じさせてくれます。
世界が認めた人類の遺産、白川郷。世界に誇る景勝地として、貴重な伝統文化を後世に伝える場として、いつまでも残ってほしい日本の風景です。
いかがでしたか?
世界遺産白川郷の、冬ならではの魅力をご紹介しました。
2016年の白川郷ライトアップの日程は、記事下部にある「MEMO」よりご覧いただけます。スケジュールが変更される可能性もございますので、訪れる際には直前の情報をご確認されることをオススメします。また、白川郷へのアクセス、宿泊情報等も同じく記事下部にある「MEMO」からご確認いただけます。
この冬、ライトアップに輝く世界遺産白川郷に足を運んでみませんか?そこには、美しき日本の夜景があなたを待っています。
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(2023/12/4更新)
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