アブ・シンベル神殿は小神殿と大神殿の二つがあり、これらは僅か数十メートルの距離に建造されています。小神殿はラムセス二世の愛する妻、王妃ネフェルタリの為に建造されました。大神殿は高さ22mもあるラムセス二世の巨像が4体も据えられており、見る人すべてを圧倒する迫力です。
写真の右に写るのが小神殿、写真の左に写るのが大神殿です。
小神殿とは言うものの、神殿の入口には十分迫力のある巨像が6体も据えられています。この6体のうち、外側と中央の4体はラムセス二世自身、そしてその間に挟まれた2体が王妃ネフェルタリの巨像です。
写真では見にくいのですが、それぞれの足元には王子と王女の小さな像が据えられています。妻の為にこんな神殿を建造するなんて愛妻家とも思えますが、王には8人もの王妃がおり100人以上の子供がいたとか・・。
写真の通り入口には4体の巨像が据えられていて、前述した通り全てラムセス二世のものです。自身の若い頃から順に左から右へと並べられています。しかし左から二番目の像は、神殿が完成して僅か7年後の大地震で崩れ去ったとされています。
写真では見にくいですが、入口上部にはこの神殿の祭神「太陽神ラー」の像が配置されており、巨像の足元には王家の人々の小さな像が据えられています。
実はアブ・シンベル神殿は1960年代に、ダムの建設計画によって水没の危機が訪れました。しかしユネスコの国際的な救済活動が行われ、現在神殿が存在している200mほど高台の場所へと移設されたのです。
この活動がなければ、現在はダムの底。後に、この活動が「世界遺産」が創設されるきっかけとなりました。
もちろんアブ・シンベル神殿も1979年に「人類の創造的才能を表現する傑作」などと認められ世界遺産に登録されています。
前述した通り、アブ・シンベル神殿が位置するのはカイロから南へ約1200kmも下った「スーダン」との国境付近。砂漠気候で非常に暑い事で知られるカイロよりも遥か南にあるのです。約280km離れた最寄りの都市「アスワン」は年間を通し最高気温が40度を超す月が多く、一番暑い5月はなんと最高気温50度以上!一番涼しいとされる12月〜2月でも40度近くまで気温が上がります。
また、世界で最も「年間平均降水量」が少なく、世界一乾燥した居住地とも言われています。そんな都市からさらに砂漠の中へと入り込んだ場所にアブ・シンベル神殿は存在します。
脱水症状や日射病には十分に気を付け、また日射しも日本とは比べものにならないほど強烈ですので紫外線対策もしっかり行いましょう。
いかがでしょうか?3300年も前に巨大な岩山を繰り抜いて建造されたこのアブ・シンベル神殿。内部は一切写真撮影が禁止されている為、ここでは外部の紹介のみとなりましたが、この神秘的な神殿の内部も見てみたいとは思いませんか?内部はとても広く大列柱室、巨像、彫刻、絵画など見事な芸術品が多数あり、保存状態も良好です。
最後に少しビックリする気候のお話をしてしまいましたが、現地のツアーは気温が高くなる前の午前中に設定されていますので、最低限の対策さえしておけば体力に自身の無い方でも問題ありません。
また、アブ・シンベル神殿の近くには空港がありますので、カイロから空路を利用すれば僅か2時間半でアクセス可能です。エジプトに来てピラミッドだけを見ていてはもったいない!
3300年前に建造されたこの神秘的な神殿を、是非ご自身の目で確かめて見てください。
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/10/15更新)
- 広告 -