カマルグ湿原の広さは約15万ヘクタールもあり、日本最大の湿原・釧路湿原の4〜5倍ほどの広さを誇ります。この一帯は、1986年に、フランスで最初のラムサール条約登録地(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)となりました。そのため、やみくもに車で走っていても、なかなか塩田には辿りつけません。
今回ご紹介するこの塩田は、D36ルートを車で走り、『サラン・ド・ジロー (Salin de Giraud)』という小さな村を10分ほど超えた右側にある場所です。大きな目印は、塩の山と小さな看板のみなので、見落とさないように気を付けて下さい。駐車場に車を停め、左手に見える塩の山を眺めつつ、小高い丘を登ると、辺り一面に美しいピンクの塩田が広がります。あまりの壮大な美しさに、多くの観光客たちの溜息が聞こえてくるほど。
塩田と言えば、普通は『白色』を思い浮かべますが、ここカマルグの塩田は、美しい『ピンク色』。写真は4月末頃に撮影した淡いピンク色の風景ですが、季節によっては、真っ赤に近い色に変わることもあり、その美しさは計り知れません。
その美しいピンク塩田の横には、対照的な真っ白な塩の山。
この塩の山の持ち主は、フランス大手の製塩会社『サラン・ドゥ・ミディ社』で、サラン・ド・ジロー(Salin de Giraud)とエグモルト(Aigues Mortes)の2か所に、塩田を所有しています。カマルグ産の塩は、水と土壌の質が優れているため、精製していないにも関わらず、美しい白色になるのが特徴です。
太陽を浴び、表面に浮かんだ塩の結晶を、『フルール・ド・セル』または、『ペルル・ド・セル』と呼び、この繊細な塩の結晶は、料理人にこよなく愛されます。フランスの塩と言えば、『ゲランド』が有名ですが、このゲランドの塩は、カマルグの塩とは違い、少しグレーがかっているのが特徴。2つ並べると非常に違いがわかります。ちなみに、ゲランド、イル・ド・レ、カマルグが、フランスの塩の三大産地となります。
ここカマルグは、ヨーロッパでも有数の鳥類たちの楽園。
その中でも、カマルグを代表する鳥として有名なのが『フラミンゴ(大フラミンゴ)』です。この地を訪れるフラミンゴの数は、2万羽〜4万羽と言われており、繁殖地としても有名です。
みなさんは、なぜフラミンゴが、ピンク色をしているかご存知ですか?
正解は、フラミンゴが、プランクトンや藻類(スピルリナ)を餌としているからです。このスピルリナは、強いアルカリ性の湖に育ちます。
カマルグ湿原を走っていると、フラミンゴが見られると思いますが、確実に見たい方は、ポン・ド・ゴー鳥類公園(Parc Ornithologique de Pond de Gau)を訪れるとよいでしょう。その他に、旧石器時代の馬と呼ばれる白馬、黒牛などを見ることもできます。
フランス旅行に何度も来ている方にこそ、この塩田はおすすめ。
フランスの自然の美しさに、驚嘆すること間違いなしです。また、この美しいピンクの塩田を背景に、フラミンゴが飛来する姿を見られる場所は、ヨーロッパの中では、非常に貴重な存在としても有名です。
また、ここカマルグは、フランスでは珍しい「米」の産地。地元のマナード(農家兼牧場)に宿泊し、郷土料理に舌鼓。美しい夕陽を眺めながら、ゆったり過ごす時間は、まさに至福の時といえましょう。
そうは言っても、ここカマルグ塩田は、個人で行くには、なかなか難しい場所にあります。また、カマルグ湿原自体、とても広いため、効率よく回ろうと思った場合、現地ツアーなどにおまかせしたほうが安心です。
事前に、アルル(Arles)やサント・マリー・ド・ラ・メール(Saintes Maries de la Mer)等の観光案内所に問い合わせてみるのもいいでしょう。ジープにのって、カマルグを半日観光したり、サイクリングを楽しんだり、馬に乗って散歩したりと、様々な過ごし方が見つかります。
あなたも、是非、カマルグ湿原に出かけ、神秘的な塩田を見てみませんか?
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(2024/12/12更新)
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