写真:村井 マヤ
地図を見る大正14年、代表的な洋館駅の傑作として建設された萩駅。現在では観光客の利用頻度が高いのは東萩駅です。けれども、風情ある洋館駅の前で記念撮影したり、隣にある萩市観光協会で、情報収集もできる萩駅からの旅のスタートは、萩のもう一つの魅力発見には最適です。
もう一つ加えると、レトロな萩駅から歴史の旅を始めるって、ロマンチックですよね。
駅舎は、建設当時の姿を残しており、登録文化財にも指定されていて、見応え十分です。
萩駅は、現在無人駅となっていて、駅舎内には『萩市自然と歴史の展示館』があります。そこでは、観光名所の紹介や、萩出身の鉄道の父・井上勝の資料などの展示もされています。
また、展示館前にある電話ボックスは大正末期から昭和初期に設置され、日本で2番目のものだったそうです。現在あるものは、写真をもとに復元されたものだそうですが、是非電話ボックスもご覧になって下さいね。
写真:村井 マヤ
地図を見る旧湯川家屋敷は、藍場川の最上流に位置している川沿いの屋敷。江戸時代には、この藍場川は「大溝」と呼ばれており、この水は田畑への農業用水、川舟を使った荷物の運搬、家庭用水や防火用水として利用されました。享保2(1717)年江向まで、元文4(1739)年新堀川まで用水路として、その後延享元(1744)年、川舟が通航できるよう整備されました。
写真は、屋敷内の様子です。台所なのですが、川の水を生活用水として利用していたことがお分かりになると思います。これは「ハトバ」と呼ばれ、「川沿いの水利用の場所」といったところです。藍場川沿いには、こうした施設がたくさん残っていますよ。外から見ると、川沿いの石垣などが工夫されていますので、観察しながら歩くのも楽しいでしょう。
写真:村井 マヤ
地図を見る写真は、風呂場の様子。外から見ると三角形のでっぱりが突き出ていて、雨の日でもぬれずに風呂の水汲みができるようになっています。
この屋敷では、藍場川沿いの民家として典型的な水の利用法を観察できますし、見事な技術力の高さを垣間見ることができます。庭園や茶室、また外観の佇まいも美しいので是非足を運んでいただきたいです。
萩駅からですと、「まぁーるバス」の西回り(晋作くん)を利用されると便利でしょう。萩駅から乗られて、「藍場川入口」で降りるとすぐです。「まぁーるバス」については下記MEMO参照のこと。
写真:村井 マヤ
地図を見るこの旧宅は、旧湯川家屋敷のすぐ近くに位置しています。明治維新後3回も総理大臣になった桂太郎が、明治42(1909)年に穏やかな生活を楽しむために建てたお屋敷です。
お屋敷の規模はそう大きくないですが、藍場川の水を引き込んだ流水式池泉庭園は、屋敷よりあとに作られたもので、懸石(かけいし)と呼ばれる萩地方独特の石組は特徴的です。
桂太郎は、軍隊の育成に貢献した人ですが、人材養成のために大学も設立しています。明治33(1900)年に現在の拓殖大学(当時:台湾協会学校)を創設。
写真は、藍場川と屋敷をつなぐ石橋。この藍場川沿いの佇まいも風流ですので、のんびり歩くのにおススメです。
写真:村井 マヤ
地図を見る桂太郎は、弘化4(1847)年11月28日、萩藩士の桂與一右衛門の長男として萩城下平安古に生まれました。3歳の時、この藍場川沿いの川島に移り住みました。現在「桂太郎旧宅」となっているあたりは、桂太郎が少年時代を過ごした場所です。桂家は、125石の上士。母方の実家中谷家は180石で、叔父の中谷正亮は松下村塾のスポンサーでもありました。裕福な少年時代を想像できますね。
幕末期、四境戦争では石州口の戦いに参加し、凱旋後は明倫館にも入学しています。戊辰戦争では、奥州総鎮撫総督府に参謀添役や第二大隊司令として奥羽各地を転戦しました。かなりの苦戦を強いられ、多くの死傷者をだした戦いでしたが、桂太郎は戦後この功績によって賞典禄250石を受けたそうです。
明治3(1871)年にドイツ留学。帰国後日本の軍隊をフランス式からドイツ式へ改め、軍隊の近代化に助力しました。陸軍大将、陸軍大臣を経て明治34(1901)年に第一次桂内閣を組織。翌年には日英同盟(1902)の締結に成功。明治41(1908)年、大正元(1912)年と計3回組閣しました。
旧宅には、拓殖大学創立100周年の際、大学より萩市に贈られた銅像があります(写真)。
萩市内の有料文化財9施設(1施設:100円)共通の1日券を、販売しています。
(城下町地区)
1:木戸孝允旧宅 2:青木周弼旧宅 3:旧久保田家住宅
(堀内地区)
4:口羽家住宅 5:旧厚狭毛利家萩屋敷長屋
(川島地区)
6:旧湯川家住宅 7:桂太郎旧宅
(旧松本村地区)
8:伊藤博文別邸
(平安古地区)
9:旧田中別邸
※いずれも開館時間は9:00〜17:00
販売場所は、各文化施設、萩市観光協会、萩市観光課です。料金は310円で、当日限りですので朝から頑張って観光される際にはお得です。
◆問い合わせ先
萩市観光課 電話0838-25-3139
(注)2:青木周弼旧宅は、平成25年7月1日〜平成28年3月(予定)まで、修理工事のため公開を休止。
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(2024/4/20更新)
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