写真:カノオミツヒサ
地図を見るまずはJR大森駅へ。羽田空港からは電車で30分、東京駅からは20分足らずです。駅からは路線バスに乗り、20分ほどの場所にある「平和島五丁目」バス停で下車。徒歩2分で、「大森 海苔のふるさと館」に到着です。
こちらには、国の重要有形民俗文化財に指定されている「大森および周辺地域の海苔生産用具」の一部や、昭和30年代に造船された最後の海苔船「伊藤丸」などが展示されています。パネルやクイズなどで海苔の生産工程について学べるほか、小型の海苔採り舟「ベカブネ」や、海苔を育てる竹ヒビ、きめの細かい海苔にするための特殊な包丁類といった資料が並んでおり、見所が豊富です。時間をかけてゆっくりと見学したいですね。
海苔作りについて興味が湧いてきたら、近くにピッタリの場所があります。次は海苔の生育実験を見に行きましょう
写真:カノオミツヒサ
地図を見る「大森 海苔のふるさと館」の前には「大森ふるさとの浜辺公園」が広がります。約400メートルに及ぶ人工砂浜は、まさに都会のオアシス。自然とふれあい、ちょっとしたリゾート気分を味わえる憩いの場所となっています。
公園内を5分ほど歩くと、海の中に竹ぼうきのようなものと網が見えてきます。その正体は、海苔を海中で成長させる竹ヒビと海苔網。実はこの場所で、絶滅危惧種にあげられているアサクサノリの、生育観察実験が行われているのです。かつての海苔作りの光景を再現させるため、2007年から開始されました。元生産者さんたちが協力し、毎年冬に設置されています。
竹ヒビは戦前、海苔網は戦後に普及した養殖方法で、当時は大森沿岸部の一面にわたって建てられていました。現在でもアサクサノリは育ち、乾し海苔に加工されたものが「大森 海苔のふるさと館」に展示されています。
海苔のことばかり考えていると、やっぱり海苔が食べたくなりますよね。次は海苔問屋の「海苔の松尾」へと向かいましょう
写真:カノオミツヒサ
地図を見る「大森ふるさとの浜辺公園」から歩くこと10分。商店街のなかにあるのが、海苔問屋「海苔の松尾」です。
大森界隈には、50以上の海苔問屋さんが存在します。「海苔の松尾」もそのなかのひとつで、寛文9年(1669年)創業という老舗です。こちらで販売しているのが「御膳のり」。江戸時代に将軍家などに納められていたもので、今でも当時の製法を受け継いでいます。是非、極上の海苔の味を確かめてみましょう。
また、ご飯に相性バツグンなのが「のり佃煮」。木更津沖産の朝採れの生のりを、最小限の調味料で仕上げています。弾力のある海苔の歯応えが心地良く、上品な味わいが後を引く逸品です。
海苔の旨味を堪能できたら、次は海苔のスイーツを求めて、「大黒屋」へ行ってみましょう。
写真:カノオミツヒサ
地図を見る「海苔の松尾」から5分ほど歩くと、御菓子処「大黒屋」に着きます。お団子や、美しい練り切りに目を奪われますが、やはり注目は海苔を使用した「海苔大福」と「美原ど〜なつ(のり)」です。
草もちと見間違えそうな「海苔大福」は、やわらかいお餅に青海苔が練りこんであります。甘さ控えめの自家製こしあんが、海苔の風味にマッチしていますね。食感が軽く、何個でも食べられそうです。
「美原ど〜なつ(のり)」は国内産海苔を使用。大福よりも、海苔の味が濃い印象です。シュガーがたっぷりとかかっており、甘党と海苔好きを1度に満足させるドーナツです。
珍しいお土産として、一風変わったスイーツを購入してみてはいかがですか?
かつての特産品である海苔をテーマに、大森を旅してきました。実際に使われていた道具類や、海苔作りの現場を見ると、1枚の海苔ができるまでの時間と苦労が分かります。それを知ったうえで海苔を食べれば、いつもとはひと味違ってくるかもしれませんよ?!
「大森 海苔のふるさと館」では2015年3月まで月2回、生海苔から乾し海苔を作る「海苔つけ体験」を実施中です。また、企画展「描かれた海苔づくりの風景」が、2015年3月15日(日)まで開催中。1857年(安政4年)の安藤広重作「名所江戸百景 南品川鮫洲海岸」には、竹ヒビの間を進むベカブネが描かれており、大森周辺の海の様子をイメージできます。海苔作りの情景を思い浮かべながら、観光してみてはいかがでしょうか?
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(2024/12/14更新)
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