写真:西藤 カオル
地図を見る『三保の松原』のある三保半島は、清水港からちょうど駿河湾にのびたように広がっています。霊峰富士に、数万の松林、駿河湾という眺望は、日本最古の歌集・万葉集にも和歌があるくらい古来から人々を魅了してきました。
天女が舞い降りたとする羽衣伝説ゆかりの社「御穂(みほ)神社」には、守り神の神馬(しんめ)がおり、叶え馬とよばれ人々の願いを叶えてきた馬が奉られています。まずは、ここでお参りをしましょう。この神社から、天女が羽衣をかけたとする「羽衣の松」までは、まっすぐにのびた参道があり『神の道』と呼ばれています。両脇に樹齢300年を越える松が500m程続く様は、圧巻!老松にみとれながら参道をしばらく歩けば、そこは名勝『三保の松原』。松林の中を進むと、まぶしいくらい青い海がみえてきます。
写真:西藤 カオル
地図を見る海岸には小さな神社があります。こちらは、御穂(みほ)神社の離宮となる羽車(はぐるま)神社。天より羽車(はぐるま)に乗ってきた神様は、まずこの神社に降り立つといわれ、神々しくも有難い場所なのです。さっそくここでもお参りをしましょう。
ふと足元をみると、神社の付近に石が集まっているところがあると思います。石のひとつひとつに願い事が書いてあるものもあったり。それらの石は、パッと見は何のへんてつも無い海岸に落ちている石にみえます。けれど、ある特長があることに気づくことでしょう。まるで石がハチマキをしたような、白い一本のスジがあることに。
地元では「はちまき石」とよばれ、願い事が叶う石としてお守りに持ち帰るそうです。この石に願をかけて願いが叶ったら、羽車(はぐるま)神社におかえしに行くとか。比較的みつかりやすいので、はちまき石探しにも興じてみませんか。
写真:西藤 カオル
地図を見る海岸線まで歩いていくと、左手に大きく富士山が見えてきます。気温の高くなる春先から夏は雪が少なく、若々しい青々とした姿をみせてくれます。秋から冬にかけては雪化粧の凛々しい富士山も拝めるでしょう。
歌川広重が日本の名所を描いた浮世絵木版画、『六十余州名所図会(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)』にも「駿河 三保のまつ原」として描かれるほど、天晴れな景色。普段はあまり写真に興味のない人でも、いろんな角度からその雄姿を収めようとカメラを構えたくなります。日本人にとって、富士山くらいパワーを感じるものってなかなかないものです。
写真:西藤 カオル
地図を見る三保の松原では毎年10月初旬の土曜に「羽衣まつり」が開催され、薪能が演じられます。駿河湾を背に波の音を聞きながら、富士を背景にかがり火のもと上演される「羽衣の舞」は幻想的で幽玄の世界へ見るものをいざないます。
この祭りは、あるフランスの舞踊家の功績を称えることからはじまりました。能「羽衣」に魅せられ独学で学び、装束は手作りという熱意で上演に生涯をささげたエレーヌ・ジュグラリス夫人。35歳という若さで病に倒れ、羽衣伝説発祥の地・憧れの三保に訪れることはできませんでした。その遺髪は夫により、彼女の遺言どおり三保の地にてエレーヌの碑のもとに埋葬されています。
三保の松原は昔も今もかわらぬ景勝地ですが、世界文化遺産となってからは注目も大きく、観光客は2倍以上といわれています。駐車場の数が限られていますので、臨時駐車場なども上手に利用しましょう。
そして、ここに行くからには拝みたい富士山ですが、天候に大きく左右されます。天気予報も参考にお出かけください。もし、お天気に恵まれなかったら「はちまき石」探しなどして、三保のパワーを持って帰ってくださいね。
◆「羽衣まつり」のチケットは8月1日頃に販売されます。
詳しくはMEMO欄よりご確認ください。
◆アクセス
JR清水駅/三保方面行バス約25分「三保松原入口」下車徒歩約10分
清水IC 臨港道路・三保街道経由車約25分
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(2023/12/7更新)
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