写真:SHIZUKO
地図を見るかつては、関西の社用族御用達だった関西の奥座敷・加賀温泉郷も、バブル崩壊以降は苦境に立たされていました。大型旅館で宴会をして、夜は温泉町に繰り出すという旅行スタイルが、すでに過去のものとなってからは、如何に生き残るかが最優先課題。
加賀温泉郷では、あの手この手が模索されていたのですが、近年、格安旅館チェーンと格安直行バスを設定することで、若者たちの支持を得て、再び息を吹き返したようです。格安旅館チェーンの中で、粟津温泉にあるのは湯快リゾート・あわづグランドホテル。格安で泊まれるといっても、もともとは高級旅館。自家掘りの源泉を持っています。
1泊8000円以下(プランによって値段は違う)。夕食も朝食もバイキングスタイルですが、それがまた、自分の食べたいものだけを食べたいという個食傾向にもマッチしたようで、卒業旅行などで訪れる若者がたくさん。
温泉旅行は、おじ様たちのお遊びの場から、家族旅行や若者のレジャー施設に生まれ変わりました。
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地図を見る2006年から始まったプロポーズを応援する『恋人の聖地プロジェクト』をご存知ですか。
一生に一度のプロポーズは、結婚前の恋人たちにとっては、何よりも大切にしたい重大なイベント。どんな風に、どんな場所でプロポーズするかというシチュエーション選びは重要課題です。そんな幸せな恋人たちを応援するために発足したプロジェクトが『恋人の聖地プロジェクト』。2012年4月現在、全国111ヶ所が恋人の聖地に認定されています。
ここ粟津温泉が恋人の聖地に選ばれたのには理由があります。
約400年前のこと。粟津温泉宿の下女「お末」は、別の宿に奉公していた「竹松」に恋をします。どうしても好きな人に会いたいお末は、塀を乗り越え竹松に会いにいくのですが…。
一途な恋心が通じ、二人が結ばれたという『おっしょべ恋物語』。恋人の聖地にふさわしい大恋愛です。
その様子が唄われたのが『おっしょべ節』。
毎年8月の最終木・金・土曜日には、粟津温泉あげて『おっしょべ祭り』が開催されます。金・土曜日には『おっしょべ踊りコンテスト』も開かれます。地元のいろんなグループが、それぞれ独自の衣裳で参加する様子は、見ているだけでもワクワク。観光客も飛び入り参加出来るので、夜遅くまでおっしょべ節と太鼓の響きで温泉町は盛り上がります。
屋台もたくさん出ていて楽しいので、そういう時期を選んで温泉を楽しむのもいいですよね。
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地図を見る加賀友禅や九谷焼、山中漆器に輪島塗りなど、加賀には多くの伝統工芸が息づいています。そんな伝統工芸を一堂に集めたのが『ゆのくにの森』。
粟津温泉の中心地から歩いても30分ちょっとで到着できるので、飲み疲れ、踊り疲れ、食べ疲れを朝風呂で癒したら、荷物をホテルに預けて、ぜひ、散歩がてら歩いて行ってみてください。
古民家を移築した13万坪という広大な敷地。緑豊かな落ち着いた園内はどこから廻ろうかと迷うくらい。11の館で50以上の伝統工芸体験が出来るのですから驚きです。なので、事前にチェックして、何を体験するか決めておいた方がいいかと思われます。ギャラリーもあちこちにありますから、見るだけでも充分楽しめます。
でもせっかくなので、まず、体験したいのは、加賀といえば金箔! ということで『金箔の館』で『金箔はり体験』からスタート。選んだのはコンパクトミラー。折りたたみ式の鏡の外側に、金箔と金粉を使って装飾していきます。なんといっても鏡は女の命ですから。
まず、お気に入りの金蒔絵シールを選んで貼り付けたら、金箔を張りたい場所と張らない場所の境目にテープを張ります。次に接着剤を塗ります。そして、いよいよ、厚さ0.0001ミリメートルという超極薄の金箔を貼っていきます。本物の金ですから、緊張します。息を殺して、丁寧に丁寧に作業を進め、アクセントとなる色のついた金粉を振ります。すると、いよいよ、自分だけのオリジナル鏡の完成です。
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地図を見るまだまだ、体験メニューはあります。色鮮やかな全面絵付けが特徴の『九谷焼の館』では、格安の豆皿や茶碗なども販売されていて、その鮮やかな色彩は見ているだけでも心躍るものがあります。この絵付けが体験できるんです。
九谷焼は、かなり派手な色合いと大胆の絵柄から、日常食器というよりは、お土産や飾り皿など日本らしさの象徴として扱われることが多いかもしれません。絵の具の部分が盛り上がっているのも特徴の一つです。
さて、体験では、数種類用意されている素焼きの器から、お気に入りの一枚を選びます。器には下絵が書いてありますので、どの部分にどの色をのせるか、6色を大胆に配色して、出来上がりをイメージしつつ筆を進めていきます。色を混ぜない! ということが大切。絵付けした日にはもちろん焼き上がりませんから、預けて焼いてもらいます。
もっと、自分だけの器が欲しい人は『ろくろ体験』もできます。
まずスタッフに何をどんな感じで作りたいかを伝えます。すると、作りたい大体のフォルムを電動ろくろを使ってスタッフが作ってくれます。その後は、自分の両手を使って、廻るろくろに乗っている土のかたまりの厚みを、下から上へと手を動かしながら調節して仕上げていきます。
絵付けした作品は一ヵ月後、ろくろ作品は二ヵ月後に自宅に送られてきますので、忘れた頃に再び旅の思い出が蘇る、一度で二度嬉しい体験です。
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地図を見る他にもいろんな体験が出来ますが、時間と共にお腹も空いてきます。そこで最後の体験は『そば打ち』。
難しいかと思っていたそば打ちは、意外に簡単。力は必要だけど、美味しい昼食になって欲しいと願いつつ進める作業は、あっという間です。もちろん、その場で調理してもらうことも可能なのです。自分で打ったそばは格別に美味しく感じます。
でも、グループの場合は『和紙の館』にある『そば処白山』で食べる方がいいかもしれません。そば打ちで使用しているのと同じ越前そば粉で打ったそばは、薫り高く、喉越しのよさは絶品。付け出汁もとっても美味しかったので、お勧めです。
恋人と行くか、気兼ねのない女グループで行くか、夫婦で行くかなどメンバーによって、温泉旅行の趣きはいろいろ変わりますね。でも、体験メニューは誰でも楽しめますし、作ったものは、旅の思い出と共にずっと心に残りますから、ぜひ、お楽しみいただきたいと思います。
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(2024/3/29更新)
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