写真:乾口 達司
地図を見る「大和郡山盆梅展」の会場は、大和郡山市の中心に位置する郡山城跡。盆梅展がお城の敷地内でもよおされるのは、全国的にも珍しいことです。梅の香りが広がる城下町。大和郡山盆梅展はそんなイメージを私たちに抱かせてくれます。
写真の撮影場所は城跡内に復元された追手門。人の背丈よりも大きな梅の古木が門の両脇に並べられていますが、追手門をくぐり、城内に足を踏み入れると、そこが盆梅展の会場入口。そうなんです。メイン会場である城址会館のほか、この追手門や渡り廊下でつながった追手門向櫓・多門櫓も盆梅展の会場となっているのです。追手門・追手門向櫓・多門櫓の内部を観覧できるのは、毎年、盆梅展の時期だけ。お城好きの方は郡山城跡を見物しがてら盆梅展に足を運んでみてはいかがでしょうか。
写真:乾口 達司
地図を見る会場に足を踏み入れると、色あざやかな盆梅の数々が観光客を出迎えてくれます。所狭しと並べられた盆梅の数は約120鉢!あたりには梅の濃厚な香りも漂っており、まだまだ寒い屋外とは異なり、屋内はすでに春爛漫といった華やいだ雰囲気をかもし出しています。もちろん、盆梅の形もさまざま。それぞれの盆梅には名前もつけられているので、会場を巡回しながらお気に入りの一鉢を見つけてみましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る左右に並べられた盆梅を愛でながら奥に進むと、ひときわ大きな盆梅が林立する区画にいたります。それぞれは人の背丈よりも大きく、その見事な枝ぶりや花の美しさと相俟って、圧倒的な存在感を見せつけています。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は大和郡山盆梅展を代表する一鉢。その名も「悠妃」。樹齢は120年といわれています。幹の部分をじっくり観察するとすでに空洞化している部分も目につきますが、それでもこれだけたくさんの花をつけていることには驚かされます。そのたくましい生命力を見せつけられると、自分自身もがんばって長生きしなければ……という気になりませんか?盆梅を鑑賞することで我が身を振り返る。そんな気持ちにさせてくれる古木、なかなかありませんよ。
写真:乾口 達司
地図を見る写真の手前側、ひときわ大きな古木の名は「大納言」。安土桃山時代、郡山城のあるじとして城下町の整備をおこなった豊臣秀吉の実弟・秀長が朝廷から「従二位権大納言」の官位を贈られたことにちなんだものです。ほかにも、秀長の入国以前に大和国の覇者となり、郡山城の大規模改修を手掛けた戦国大名・筒井順慶ゆかりの「順慶」などもあり、大和郡山ならではの歴史まで学ぶことができます。一挙両得ですね。
「大和郡山市盆梅展」がどのようなものか、おわかりになったでしょうか。会場となる郡山城跡は近鉄郡山駅から徒歩10分ほどのところにあり、アクセスも快適。城内には無料の臨時駐車場も設けられていますが、城内ということもあってそれほどたくさんの駐車スペースがあるわけではないので、来場に際してはできるだけ公共交通機関をご利用ください。城下町に春を告げる盆梅展を堪能しながら、大和郡山の豊かな歴史にも触れてみてください。
2025年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
乾口 達司
これまでは日本文学や歴史学の世界で培った見識にもとづいて数多くの評論や書評を執筆してまいりました。奈良生まれ、奈良育ちの生粋の奈良っ子。奈良といえば日本を代表する観光地の一つですが、地元民の立場からい…
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