グリュイエールはスイス西部のドイツ語圏とフランス語圏の境にあるフリーブール州の小さな村です。こんなに小さな村なのに、世界中から観光客が集まるんです!それもそのはず、世界的にも美味しいと知られるチーズの原産地であると同時に、山に囲われ田園風景の広がる、いかにもスイスな優しく逞しく、そして美しい景観が広がっているからです。
グリュイエールの旧市街はお城の立つちょっとした丘陵の上にあります。石畳、旧市街をぐるりと囲う古い家屋、教会、その周りにはばかる山々、中世の風情をそのまま色濃く残しています。夏にはゼラニウムの花々が家屋の窓に飾られ、冬にはクリスマス装飾で華やかに。都会の洗練された旧市街とは異なり、田舎町の素朴さがあるところがグリュイエールの町の魅力といえます。この旧市街の規模は非常にコンパクトで1時間もあれば余裕で回れてしまいますが、その素晴らしいアルプスの田舎の雰囲気に包まれると、不思議と何時間でも過ごせてしまいます。
また軒を連ねているお土産やさんも魅力的♪ そのほとんどがチーズ屋さん、というところがいかにもチーズ原産地です。チーズのほかにもご当地スイーツのメレンゲやスイスの伝統工芸品、民芸品も売られています。山の遭難者を助ける、ウィスキーの樽を首から下げた救助犬「セント・バーナード」のぬいぐるみや、一人用チーズフォンデュ鍋などもあり、見ているだけでも楽しめちゃいます。素朴なテイストがまたいかにもスイスの田舎風で惹かれます。
先ほども「ご当地スイーツ」として名前を出しましたがチーズ以外にも、この地方では昔からメレンゲ(Meringues)が有名です。メレンゲとは卵白をきめ細かに泡立てお砂糖を加えて焼いたサクサクとした軽くて甘いお菓子です。
グリュイエール地方にはメレンゲの独特の食べ方があります。それはグリュエール特産のダブル・クリーム(Crème double) をつけて食べるところです!そのクリームは40〜55%までの脂肪分を含むマスカルポーネのような濃厚なクリームです。甘くはないのにキャラメルのような香ばしい風味のある、他では食べたことのない珍しい独特で美味しいクリームです。
さくさくのメレンゲにたっぷりとダブルクリームをつけて思い切り楽しんじゃってください!シンプルですが忘れがたい美味さです。
*写真イメージのメレンゲは、グリュイエール駅前にあるチーズ工場、メソン・デュ・グリュイエール(La Maison du Gruyère)内のレストランのもの。
グリュイエールにはスイスを代表する素晴らしい画家/デザイナー、H. R. ギーガー(H. R. Giger)の美術館があります。残念ながら昨年突然事故でこの世から去ってしまいましたが、ギーガーは映画「エイリアン」のイメージを生み出したアーティストとしても世界的に名が知られています。米国のアカデミー賞でも視覚伝達効果賞を受賞しています。作風は「エイリアン」そのもの、人間の体や機械のパーツなどを組み合わせた恐ろしいイメージを描いたものが大多数です。しかしながら彼の描く綿密で忠実な手描きの表現は息を飲むほど素晴らしく美しい技術です。
恐ろしい絵画や彫刻がずらりと並ぶ美術館の窓の外には、その芸術作品とは対照的に、朗らかなスイスの風景が広がる、という不思議な空間でもあります。
美術館の向かい側には、ギーガーバーもあり、彼の作った椅子やテーブルに実際に座ってお茶をすることができます。ギーガーファンは必須です!
〜ギーガー美術館(H.R.Giger Museum)〜
所在地:Château St. Germain, 1663 Gruyères
月・休館
火・水 12:00〜20:30
木−日 10:00〜20:30
グリュイエールの旧市街に興味を持っていただけましたか?小さいながらもとても充実した時間を過ごせるんですよ!美味しい空気を吸ってたくさん歩いた後、ランチに旧市街の雰囲気満点のレストランでグリュイエールチーズを使ったチーズフォンデュを食して、デザートにメレンゲコースなどいかがですか?
駅前にあるグリュイエールチーズ工場、ラ・メゾン・デュ・グリュイエールとスイスチョコレート工場、メゾン・カイエと組み合わせて観光に行かれると「一石三鳥」ですよ!
〜グリュイエールへのアクセス方法〜
ベルン中央駅からまずフリーブールへ出ます。フリブール駅前から30分おきに運行しているビュル駅前行きのバス(Bulle-Gare)で終点まで行き、ビュル駅からはローカル電車でグリュイエールへ。
アクセスが少々面倒ですが、是非訪れてみてください!車窓から望める景色だけでも十二分に楽しめるはずです。
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(2023/12/8更新)
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