写真:Naoyuki 金井
地図を見る政治の中枢の一つが「総理官邸」です。
勿論、中には入れませんが、警戒警官の熱い視線を浴びながら、建物を望むことは問題ありません。
この敷地は、江戸時代に大名屋敷のあった場所で、維新後、鍋島家の所有となり、関東大震災後、鍋島家より政府復興局に売却されたのです。
昭和4年に当初は「内閣総理大臣官舎」と呼ばれた官邸となり、この官邸と渡り廊下で繋がった首相住居用の公邸も造られました。
その後、5.15、2.26事件などで死者も出し荒廃したことから、しばらくは事務所として使用されたのですが、時の首相佐藤栄作が改修を行い、久しぶりに公邸として使用されたのです。
こうした歴史的背景から、後の森喜朗首相や羽田孜首相夫人などは霊が見えると主張し、この話を聞いた小泉首相は「霊なんか…」と笑い飛ばしたのですが、お祓いをした挙句、後年、新官邸の建設→公邸の取り壊し→旧官邸の移動→新公邸への改装が行われ、結局、曰くつきの旧公邸は取り壊され、現在の官邸、公邸となったのです。
グルッと巡れば官邸・公邸とも見ることができますので、そのユニークな歴史的建造物を見学しておきましょう。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る外国人に人気のホテルが、東急ホテルチェーンのフラッグシップ「ザ・キャピトルホテル東急」です。
前史は、漫画“美味しんぼ”のモデルである北大路魯山人の美食倶楽部「星岡茶寮」があり、戦後、東急グループの五島氏の所有となり、中国料理店「星ヶ岡茶寮」となりました。
その後、この地は東京オリンピックを前に、東京ヒルトンホテル(後のキャピトル東急ホテル)となり、「星ヶ岡茶寮」は、中国料理店「星ヶ岡」としてホテル内のレストランとなったのです。
このホテルが日本中の視線を集めたのが、あの「ビートルズ」の来日・宿泊で、当時の東京ヒルトンホテルのプレディデンシャルスイートに缶詰状態で宿泊し、その来日から離日までのビートルズの一挙手一投足に世界中が関心を寄せました。
これ以来、ソフィア・ローレン、ショーン・コネリー、三大テノール、エリック・クラプトン、マイケル・ジャクソンなど多くの海外スターが滞在するホテルとなったのです。
現在は2代目の建物となり、当時、ビートルズが記者会見した宴会場も宿泊したスイートもありませんが、記者会見したステージの壁面が地下1階の壁に復元されており、先の星ヶ岡を始め、開業当初からあるダイニング「ORIGAMI」などは、現在でも多くの方に親しまれています。
和の雰囲気をふんだんに取り入れた由緒あるホテルが、開業以来、外国人客には大人気なのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る観光やビジネスで来日した外国人客は、当然、それぞれの目的地に向かうのですが、ホテルの隣にある「日枝神社」もその一つです。
国籍を問わず日枝神社は有名ですが、訪れるのは神社の境内にある末社「山王稲荷神社」です。
山王稲荷神社は、福知山藩主松平忠房の邸内に祀られていた屋敷神を、1659年日枝神社とともに社殿を建立し祀った神社です。
意外なことに本殿は、関東地方には希少とされる縋形式の春日造の本殿であることから、千代田区の文化財指定となっています。
しかしながら、外国人観光客のお目当てはこの本殿ではなく、社殿に向かう「稲荷参道」です。
現在、外国人観光客に人気の日本の観光スポットの常に上位にランクされているのが京都の伏見稲荷大社で、特に東の雷門、西の千本鳥居は日本観光のシンボルと言っても過言ではないポイントです。
その伏見稲荷大社に行きたいながら、ビジネスや東京だけの観光の為に京都まで行けない外国人達が、この稲荷参道を撮影していくとメディアでも取り上げられたほどの参道です。
母国に帰れば、どれが本当の千本鳥居かわかりませんから、案外、この稲荷参道の鳥居の写真を千本鳥居と偽っているかもしれませんね。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る観光のあとはグルメで、勿論、ホテル内でも十分グルメを堪能できるのですが、外国人客の通はホテルの目の前にある、あの“世界のクロサワ”の世界に浸っています。
世界のクロサワと言えば外国人にも通じる巨匠黒澤明監督のことで、この黒澤監督をオマージュした店舗が「永田町 黒澤」なのです。
オマージュと言っても単なるパクリではありません。
黒澤明監督の長女・黒澤和子さんのレシピと監修のもと、黒澤監督が好んだしゃぶしゃぶやすっぽん料理などを取りそろえ、更に、そば打ち名人として知られる広島のそば店「翁達磨」の指導を受けた職人による蕎麦もいただける粋なお店です。
そして何よりも築60年以上の建物を改修した際の外観や内装は、黒澤組の美術スタッフが担当したという力の入れようで、外観は映画「用心棒」の居酒屋をモチーフとし、入口は映画「赤ひげ」のワンシーンをイメージしているのです。
更に店内には黒澤監督のポートレートや映画のポスターなどが品よくディスプレイされており、建物すべてが黒澤ワールドとなっています。
こうした“世界のクロサワ”の世界感と和の風情が、外国人客に大変喜ばれているのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る日本のお土産と言えば、やはり外国人には浅草や京都のものが人気ですが、ここ永田町には、他では手に入らない珍しいお土産が人気となっています。
総理官邸と並ぶ政治中枢の権化とも言える「国会議事堂」には、見学コースの中に国会グッズの購入できるお店があるのです。しかしながら国会見学や通行証などの手続きがいるので簡単に購入することができませんが、隠れたスポットが存在しているのです。
国会議事堂の北側に隣接する見学バス駐車場の一角にある「新美堂」は、手続きも必要なくなく、誰でも国会グッズが購入できるのです。
現在人気のお土産は、やはり安倍首相、麻生太郎、小泉進次郎だそうで、特に麻生太郎のお土産はパンチが効いています。
この他にも歴代首相の似顔絵が描かれた湯のみや、衆参議院の名簿付き手帳など、ここでしか手に入らないものがひしめいています。更に議事堂の裏手にある参議院別館の売店でもフリーで購入できます。
ただし、すべてがほぼ季節限定商品と同じで、政権交代や首相交代などがあれば、一気にその商品はなくなりますので要注意です。
日本のお土産が「タロ・カポネ」で良いのか、という声もあるかもしれませんが、ここはひとつユーモアを大事することにいたしましょう。
かつて大物政治家のことを「永田町の妖怪」と揶揄していましたが、現在の政治家はパロディの題材になるくらい、砕けた存在となったのでしょうか。
と、同時に、その日本人の気付かなかったディープなエリアを楽しむ外国人のセンスに驚かされます。
外国人の楽しんでいる永田町を楽しまない手はありません。
ある意味ディープな世界で、あなたなりの「永田町ワンダーランド」を楽しんでみてください。
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(2024/12/2更新)
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