暴れまわる3匹の鬼と大松明!2月14日は奈良・長谷寺の「だだおし」で福を呼ぶ

| 奈良県

| 旅の専門家がお届けする観光情報

暴れまわる3匹の鬼と大松明!2月14日は奈良・長谷寺の「だだおし」で福を呼ぶ

暴れまわる3匹の鬼と大松明!2月14日は奈良・長谷寺の「だだおし」で福を呼ぶ

更新日:2015/01/13 17:34

成沢 崇のプロフィール写真 成沢 崇 名古屋仏像研究会 会長、旅ライター

バレンタインデーの2月14日、奈良県桜井市の長谷寺では、大松明と共に3匹の鬼が走る「だだおし」という火祭りが行われます。

奈良を代表する火祭りのひとつとして有名で、当日は多くの参拝者で賑わう冬の行事。雄叫びを上げて暴れる3匹の鬼たちと火の粉が飛び散る大松明に、参拝者からは歓声とどよめきが上がります。参拝者に福を呼び、長谷寺に春を迎える大切な儀式「だだおし」の魅力をご紹介します。

「花の御寺」と称される長谷寺

「花の御寺」と称される長谷寺

写真:成沢 崇

地図を見る

奈良県桜井市初瀬。自然に囲まれた静かな景勝地で、四季の花々で彩られた長谷寺は「花の御寺(みてら)」と呼ばれる美しい山寺。
小初瀬山中腹に建つ長谷寺は、山門から本堂まで続く399段からなる回廊形式の石段を登ると、断崖絶壁に懸造りされた本堂を拝することが出来ます。

本堂には像高10mの木造の十一面観音がお祀りされており、木造としては国内最大の観音さま。今回ご紹介する長谷寺の「だだおし」はこの懸造りの本堂を使って行われる春を迎える儀式です。

「だだおし」は奈良を代表する初夏の火祭りのひとつ

「だだおし」は奈良を代表する初夏の火祭りのひとつ

写真:成沢 崇

地図を見る

毎年2月14日に行われる「だだおし」は鬼祓いの儀式で、2月8日からはじまる修二会の最終日に行われます。修二会とは、罪や過ちを仏前で悔い改め、人々の安穏、五穀豊穣を願い春を迎える古来から続く伝統的行事。

だれでも参拝することの出来るこの儀式は、奈良を代表する初春の火祭りのひとつで、東大寺の修二会のように大松明が本堂内を駆け巡ります。ただ、東大寺の修二会と異なるのは松明との異様なまでの距離の近さ。東大寺の修二会では遥か上のお堂を何本もの松明が走り火の粉が散る様を下から見上げますが、長谷寺の場合は参拝者の目の前を巨大な松明が通り過ぎます。そして、3匹の鬼が叫びながら堂内を走り回る姿は東大寺の修二会とはまた違った荒々しさがあるのです。

うなり声を上げる鬼が登場するのは午後4時頃

うなり声を上げる鬼が登場するのは午後4時頃

写真:成沢 崇

地図を見る

当日にはこの日にしか頂くことのできない「牛王符」というお札(大札一体3,000円、小札一体1,000円)があり、これをいただくと礼堂に上がることができ、法要に参列出来ます。午後3時頃には法要が営まれ、散華がまかれたり「牛王符」を持っている人には額に宝印が押され加持祈祷をしていただけます。ひと通りの法要が終わるとお坊さんから「だだおし」や長谷寺の縁起についてのお話があります。

そして、薄暗い本堂の内陣から鬼のうなり声が上がります。いよいよ鬼の登場です!
金棒を振り回して堂内を暴れまわる鬼に対して僧侶が「すわえ」と「シデ」に挟んだ牛王符の威力をもって鬼たちを堂外へ追い出します。

法螺貝や太鼓が打たれる中、ついに「だだおし」のメインイベントである3匹の鬼と大松明が本堂から礼堂へと出てきます。まず最初に出て暴れるのは緑と青の鬼。

物凄い迫力で走り回り、時には本堂によじ登ろうとする素振りも。参拝者に掴みかからんばかりの勢いで威嚇する鬼たちに、見ているこちらも興奮してきます。

100キロを超える大松明の熱さを感じる!

100キロを超える大松明の熱さを感じる!

写真:成沢 崇

地図を見る

本堂から出た鬼たちの後ろには男衆5人が担ぐ長さ4〜5メートルの大松明。鬼と一緒に右へ左へと暴れながら走るために、参拝者の頭上近くを真っ赤に燃える炎が迫ります。飛び散る火の粉と松明の熱に全員がどよめきを上げる大迫力の祭りです。

大松明の火力の強さが長谷寺の「だだおし」のもうひとつの特徴で、長谷寺の東の山から伐採する松は樹齢200〜300年の大木。松ヤニの油分が豊富なために火力の強さは他の松明を遥かに凌ぐといいます。

鬼たちが出てくる前に僧侶の方から何度も注意がありますが、前に出過ぎたりセーターなどの燃えやすい服装をしていると大変危険です。

と言っても、ついつい前に前に出て迫力を感じたくなるのが火祭りというもの。行かれる方は、くれぐれも近づきすぎたり火の粉で服に穴が開かないようご注意ください。僧侶の方が言うとおり松明の炎は本当に熱くて怖いのです。

鬼と一緒に走り回る大松明から落ちる燃えかすも、その火力の強さでなかなか消えないのですが、本堂と礼堂はどちらも国宝に指定された建造物。火災が起きてしまってはいけないので、松明を持つ男衆の後ろには常にお坊さんが付き水をかけて一緒に回っています。

祭りもいよいよクライマックス!ついに赤鬼が登場

祭りもいよいよクライマックス!ついに赤鬼が登場

写真:成沢 崇

地図を見る

緑と青の鬼が大松明に追われ本堂周りの回廊を3周すると退散していきます。そして最後に現れるのが一番大きな面をかぶった赤鬼。

祭りもいよいよクライマックスへと向かいます。
やはり主役は赤鬼のようで動きは一番荒々しく迫力があります。もちろん後ろには松明を担ぐ男衆もいて、鬼の迫力とともに松明の火も前に陣取る参拝者の顔の近くへ向かってきます。この鬼役の人たちは景気付けにお酒を飲まされるのが慣例のようで、演技の枠を超えた迫力ある暴れっぷりが感じられるのもそれが関係しているのかもしれません。

3周もまわると、赤鬼も退治され残った大松明は東の納経所前で消火されます。この松明の燃え残った木片はご利益があるとされ、大事に持ち帰る人も多くいます。

最後に

「だだおし」の語源には諸説あり、「だだ」は閻魔大王の持ち物で、穢れを祓う杖という説や、「閻浮壇金宝印(えんぶだごんほういん)」を人々の額に押す「壇だ押し」から来たという説、厄病神を駆逐する「難押し(だおし)」から来たという説、はたまた「だだだだ!」と鬼を追い出す所作からきたという説などがあるようです。

この日は、法要が午後3時頃から行われ、鬼が出てくるのは午後5時頃でした。その年によって多少時間に違いがあると思いますので、目近で拝見したい方は早めに本堂まで行かれるといいでしょう。鬼が暴れるのは約30分間。その間は本堂の周りは多くの人で埋め尽くされますので、身軽な格好で、尚且つ火の粉で穴が開いてしまってもいい服装で参加してください。

今年のバレンタインデーは福を呼び込む長谷寺の「だだおし」へ行かれてはどうでしょうか?

長谷寺
奈良県桜井市初瀬731-1
0744-47-7001
拝観時間:8:30〜17:00(10月〜3月は9:00〜16:30)
近鉄大阪線「長谷寺」駅より徒歩約15分
駐車場有り

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/02/14 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp 旅行ガイド

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ