石見神楽の怖い鬼がやってくる!京都・松尾大社「節分祭」

石見神楽の怖い鬼がやってくる!京都・松尾大社「節分祭」

更新日:2015/02/02 12:34

毎年2月3日の立春の前日(節分の日)の前後は、京都市内のあちらこちらの神社・お寺で「節分祭」が行われます。その節分祭では必ず「鬼は外」「福は内」と豆を撒いて鬼を追い払う儀式が執り行われます。鬼は古来から邪気があるとされていて、心の邪気と疫病や天災などの退散を願っての行事です。

今回は、京都嵐山渡月橋にほど近い「松尾大社」での「迫力満点の怖い鬼が退治される」節分祭を紹介します。

京都洛西松尾大社

京都洛西松尾大社
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松尾大社は大宝元年(西暦701年)に社殿が創建された京都でも古い神社の一つです。平安遷都が794年、桓武天皇により実施されていますので、それより前に創建された由緒ある神社です。阪急嵐山線の「松尾駅」の前に大きな赤い鳥居があり、そこから参道が松尾山の麓に建つ社殿に向かって伸びています。明智光秀、角倉了以も改修した楼門を入ってすぐの一ノ井川沿いには、4月中旬から5月初旬にかけて黄色い可憐な山吹が咲き乱れ、「山吹まつり」が催されることでも知られています。

追難(ついな)儀式

追難(ついな)儀式
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「追難(ついな)の儀式」は、悪鬼・疫病退散を目的として盛んに行われて来た祭事で、古代中国から宮中に伝えられていましたが、次第に時代を経て、豆を撒いて悪霊退散を願う民間儀式に変遷していったそうです。松尾大社では毎年、石見神楽を招いての儀式が執り行われます。

迫力満点の石見神楽の怖い鬼

迫力満点の石見神楽の怖い鬼
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石見神楽は、島根県西部(石見地方)と広島県北西部(安芸地方北部)において伝統芸能として受け継がれています。もともと、収穫期に自然や神への感謝をあらわす神事として神社において夜を徹して朝まで奉納されるものだったそうですが、現在はこれに加え、地元ほか各地で行われる定期上演、祭り、各種イベントへの出演などを行っています。奏楽は、大太鼓・締太鼓・銅拍子(手打鉦)・横笛で構成され、演技中の掛け声などでより雰囲気を盛り上げています。写真のように見るからに怖そうな鬼の扮装です。

豆まき風景

豆まき風景
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追難(ついな)儀式が終わると、拝殿では宮司が弓を構え弦を3回引き、「松尾の神に祈らむ梓弓 弦の音きけば悪魔退く」と和歌を唱えて疫鬼の退散を念ずる『鳴弦破魔弓神事』が執り行われます。弓がキューンという音を立てながら放たれます。その後、拝殿の四隅から弓が放たれる『四方奉射神事』が行われ、その後で拝殿上の福男・福女による『福豆まき』が行われます。拝殿下では大勢の人が思い思いの袋を持って待ち構えます。多くの福豆とみかんが撒かれますので、たぶん拝観したほとんどの人は福豆を手にすることができます。

動画

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当日の動画をお楽しみください。(2014年2月3日の撮影です)
石見神楽の怖い鬼が見事に退治されて、福豆が善男善女から撒かれる様子がお分かり頂けるでしょう。

松尾大社の名水

本殿の裏手の山のふもとに「霊亀の滝」がありその手前に「亀の井」という京都の名水として知られている霊泉があります。この「亀の井」の水を酒に混ぜると腐敗しないと言われ、醸造家がこれを持ち帰って混ぜるという風習が現在も残っています。またこの水は「延命長寿」の水としても有名です。早朝から開門と同時にご近所の方が酌み帰られます。
こんな見どころと共に、松尾大社で「節分祭」を楽しんで下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/02/03 訪問

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