炎の絶景!!トルクメニスタン「地獄の門」を見に行こう

炎の絶景!!トルクメニスタン「地獄の門」を見に行こう

更新日:2015/02/24 14:42

Chanos Mayaのプロフィール写真 Chanos Maya トラベルコンサルタント、ワイナリーツアーアドバイザー
見渡す限り砂だらけの大地、トルクメニスタン・カラクム砂漠の中に突如現れる「地獄の門」。砂漠の中にぽっかりと空いた直径60m、深さ約30mの巨大な穴の中で、灼熱の炎が燃え続けています。忌まわしすぎる名前のせいか、一歩間違えれば本当の「地獄」であるせいか、ガイドブックにもあまり取り上げられないこの場所。派手な様相ながら、人知れず地味に砂漠の中心に40年もあり続ける「炎の絶景」をご紹介したいと思います。

「偶然」をきっかけにしてできた地獄の門

「偶然」をきっかけにしてできた地獄の門

写真:Chanos Maya

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世界で第4位の天然ガス埋蔵量を誇る、中央アジアのトルクメニスタン。約70%の国土がカラクム砂漠におおわれています。この砂漠の地下には豊富な天然ガスが埋まっているとされ、昔から開発がすすめられていました。

トルクメニスタンがまだ旧ソ連の一部であった1971年に、カラクム砂漠の天然ガスの掘削作業中、落盤事故が起こって直径60mにもなる穴(ガスクレーター、通称:地獄の門)ができました。有毒ガスが漏れるのを防ぐために火が放たれましたが、ガスは絶えることなく噴き出しており、結果的に40年以上たった今も燃え続けています。近くに住む住民が大穴が燃える様を見てこの場所を「地獄の門(Door to Hell)」と名付けました。

この経緯のせいか、それとも噴出するガスがいつ尽きるかわからないためか、このガスクレーターには正式名称もなく、トルクメニスタンが発行する観光ガイドにも掲載されていない、知る人ぞ知る秘境です。

砂漠の一本道をひたすら走り続けること約4時間・・・

砂漠の一本道をひたすら走り続けること約4時間・・・

写真:Chanos Maya

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地獄の門は首都のアシハバードから北に約300キロほどのカラクム砂漠のど真ん中にあります。アシハバードと北部の世界遺産都市クフナ・ウルゲンチとを結ぶ幹線道路がこの砂漠を通っていて、地獄の門への唯一の道です。道路の舗装も完全で「地獄の門への道」にしては驚くほどスムーズ。

地獄の門へは車以外でアクセスする方法はありません。国の事情でレンタカーはありませんので、旅行会社にアレンジを依頼します。アシハバードの街を出てしまうと道中にはガソリンスタンドと小さな商店がある程度です。移動の途中に必要な水や食べ物などを事前に用意をしておくと安心です。

信号も道路標識もない砂漠の道を走ること4時間、舗装道路を離れてさらに道なき砂地を20分。方向感覚を失いそうなほどに特徴も目印もない、カラクム砂漠の真ん中に到着です。

ダイナミックな自然を実感する「地獄の門」

ダイナミックな自然を実感する「地獄の門」

写真:Chanos Maya

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地獄の門周辺は小さな石が転がる土の砂漠。地下に埋まっているガスのせいなのか、地獄の門の周囲だけ地面の色が変色しているくらいで、明るい時間帯だと離れたところからは地獄の門は全く見えません。カラカラになった植物がぽつぽつと生える以外に、人や動物の「動」の気配を感じることのない静かな砂漠に、地獄の門は突如現れます。

平坦な荒野にぽっかりと口をあけた炎の大穴。炎がゴーゴーとうなる、その迫力と珍しい様相には圧倒的な存在感があります。もちろん安全柵や「近づくな危険!」みたいな立て看板もなし。よそ見をして歩いていたら落とし穴のごとく落っこちて本当の「地獄の門」になってしまうのでは??しかし、炎の轟音、吹き上がる強風と熱・・・地獄の門の存在に気付かないことは、ヘッドフォンで音楽を聴きながら歩いていたとしても、誰かと難しい経済の話を議論しながら歩いたとしても、不可能でしょう。

風向きによっては熱風が顔に当たり、紙飛行機を地獄の門に向って飛ばすと強風で手元に戻るくらいの強風が吹いています。これだけのガスがなぜ噴出し続けるのか、どれだけのガスが埋まっているのか、不思議な大地の力を感じずにはいられません。

より迫力のある「地獄の門」を見るなら朝晩がおすすめ

より迫力のある「地獄の門」を見るなら朝晩がおすすめ

写真:Chanos Maya

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一番迫力のある地獄の門を見るなら、早朝と夕方の日暮れ頃がおすすめです。昼間もその炎の勢いは変わりませんが、一日で一番鮮やかに見えるのはやっぱりあたりが薄暗い時間帯です。そもそも「地獄」という表現自体、あまり聞こえのいい呼び名ではありませんが、夜の地獄の門はそう呼ぶしか他の表現がないほどの驚きの景観が広がります。

地獄の門までは首都のアシハバードから車で4時間半かかるため、アシハバードからの日帰りだと、地獄の門には日中に滞在することになります。夜の地獄の門を見るなら1泊が必要です。5月から10月頃なら地獄の門のすぐ横でテント泊も可能。テント、食事の準備をした上でアシハバードを出発します。砂漠でのBBQディナーを楽しみましょう。(炭火を利用します。地獄の門の火ではありません。念のため・・・)あわせてトルクメニスタンのおいしいパン「チョレック」にもトライ!(チョレックは1枚2マナト程度(約70円)で街中の市場、屋台などで簡単に買えます)

砂漠の朝晩は相当冷え込みます。夏でもフリース、ウインドブレーカーなどの上着とカイロなどをお忘れなく!
(2015年2月現在/1トルクメニスタンマナト=35円)

ちょっとコツが必要なトルクメニスタン旅行

ちょっとコツが必要なトルクメニスタン旅行

写真:Chanos Maya

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ガイドブックに載らない観光地、永世中立国、独裁国家、ドバイのようなビル群、にぎやかな市場、ホスピタリティーにあふれる人々・・・トルクメニスタンは古き伝統と新しきものが混ざった未知なる国。トルクメニスタンを深くご存じの方もそれほど多くないかもしれません。

旅行にも少しだけ準備がいります。日本国籍の方はトルクメニスタン入国には査証が必要です。空港、ウズベキスタンとの国境、また東京のトルクメニスタン大使館にて取得可能ですが、その際に旅行会社が発行するインビテーション(招待状)が必要となります。インビテーションは日本や現地の旅行会社を通じて、滞在中の日程をトルクメニスタン政府に提出すると1か月ほどで発行されます。フリータイムに街や市場を自由に散策することには一切制限はありません。個人ではインビテーションは取得できません。十分余裕をもって信頼できる旅行会社などに相談をしてください。

“奇跡”の地獄を覗くなら今!

砂漠の荒野にできた「炎の絶景」。大きな穴の中でガスが絶えることなく燃え続けています。はたしていつまで炎が続くのか、これは誰にもわかりません。
そして気になる安全面は・・・落ちたら間違いなく救助は難しいこの場所で1971年の落盤以来、転落や自殺事故は一度も発生していないといわれています。柵などの安全対策は一切なく、さらに「地獄」というあまりに直接的で不適切に近い名前に反して、無事故という奇跡。ここは大自然にできた奇跡の場所かもしれません。

行くならお早めに、そして十分お気をつけて!

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/24−2014/12/01 訪問

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