ボートの上でタンクを背負って海中へエントリー。ホテイウオ、ホッケ、リュウグウハゼ、ミズダコなど、北海道ならではの生物を眺めながら待っていると、トドは突然やって来ます。体長2メートル前後の大きな生き物がこちらに向かってくる姿は迫力たっぷり。ミサイルが飛んできたのかと誤解してしまいそうです。
陸上のイメージとは違う、鳥のようにしなやかでスピーディーな動きに圧倒されていると、トドはダイバーを一人一人チェックするように、周りをまわってくれます。こっちを向いているトドと目が合ったり、ダイバーが変な格好をしているとトドが真似をしてくれたり、哺乳類ならではの知性を感じます。
水温は12〜1月、5月で7〜9度、2〜4月は4〜6度ぐらいまで下がりますが、トドとの遭遇は寒さを忘れるぐらいホットな瞬間です。
運が良ければ1ダイブ30〜40分の間に、何度もトドが回ってくることもあります。
水中に入るのはちょっと…という方は、クルージングでもOK。船上からは、岩の上に上陸してくつろくトドの姿を観察することができます。子トドを連れた家族が、子供を守るように並んでいることもあります。
岩の上だけでなく、水面から顔を出して浮かんでいる姿や、時には水面でパシャパシャ遊んでいる姿も見ることができます。
岩の上のトドも、水面のトドも、船や人を意識して、じっとこちらを見つめています。一説によると、トドはダイビングボート(クルージングボート)と漁船の区別がついていて、ダイビングボートはあまり怖がらないのだとか。
■寒さ対策はしっかりと
気温はマイナス、水温も一桁のことが多いので、ダイビングをするにはドライスーツは必須です。必須ではありませんが、3本指グローブ、アイスフードなどのフルフェイスフードがあるとさらに暖かいです。
ちなみに筆者は伊豆の7月でもドライスーツで潜るほどの寒がりですが、しっかり寒さ対策すれば北海道でも暖かく潜ることができます。
流氷ダイビングとは異なり、普段のレギュレータがそのまま使えます。もし凍結した場合は船長やスタッフのアドバイスに従えば安全に潜ることができます。
水中よりも船上のほうが寒いので、クルージングのみの場合もしっかり寒さ対策しましょう。
■トドに会ったら追いかけない
じっと待っていればトドは自分からダイバーをチェックしに来てくれます。追いかけると逃げてしまいますし、トドのスピードには追いつけません。トドが近づいてきたら、怖がらせない程度に動いたり、変な格好をしてみると、トドが興味を持ってくれるかもしれません。
■トドや海獣のことをもっと知ろう
トドは何を食べているの?夏の間はどこにいるの?など、トドのことを知ると、トドとの出会いがもっと楽しくなります。事前に自分で調べても良いし、ダイビングのついでにスペシャルティコースを受講してみるのも良いでしょう。
ダイバーの間では人気のトドも、残念なことに漁師さんの間では害獣扱いされていて、駆除の対象にもなっています。楽しいダイビングやクルージングの後には、自然と人間との関わり方についても少し考えてみてください。
トドダイビング、クルージングに参加するには、まず積丹にあるダイビングショップに問い合わせてみてください。積丹のダイビングショップには、トドに魅せられたリピーターさんも多いですが、排他的な雰囲気は全くなく、皆さんフレンドリーで親切ですので、初めての方でもすぐにとけこめると思います。
札幌や東京のダイビングショップで、積丹ツアーを開催しているところもありますので、お近くのショップで聞いてみるのも良いでしょう。
トドのシーズンは12月〜5月ぐらい。雪が積もる時期には、雪道に慣れた方以外のレンタカー移動はおすすめしません。公共交通機関では、札幌や千歳空港から電車で小樽まで行き、小樽から積丹までバスで2時間弱です。積丹のバス停まではダイビングショップに頼めば送迎してもらえます。
自然相手なので、必ずトドに会えるわけではありませんが、筆者の経験では、トドの遭遇率は2〜3ダイブに1回ぐらいです。また、海が荒れて出航できない場合もありますので、できるだけ余裕を持った日程を組んでおくと、トドと出会える確率もアップします。
トドに出会ったときの迫力と感動は、なかなか文章や映像では伝えきれません。気になった方はぜひ、ご自分の目で体験してみてください。大物好きなダイバーさんと、動物好きな方には特にオススメです。
この記事の関連MEMO
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/12/14更新)
- 広告 -