山と谷にある梅の名所ならココ!奈良の賀名生梅林と広橋梅林

山と谷にある梅の名所ならココ!奈良の賀名生梅林と広橋梅林

更新日:2015/01/19 11:40

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
寒さの中にも、ふと、春の兆しを感じるようになると、各地から梅の便りが届きます。日本全国梅の名所は数々あれど、急峻な山肌と谷を埋め尽くし、香しい梅の愛らしさに包まれる場所は、ここしかないのでは。和歌山県と奈良県の境にある梅の名産地『広橋梅林』と『賀名生(あのう)梅林』。一日で二か所の梅の名所を堪能するプランはいかがですか。

寒さに耐える梅の美しさ

寒さに耐える梅の美しさ

写真:SHIZUKO

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うららかな春の陽気に誘われて開花する桜と違って、人々がまだ肩をすくめて寒風と戦っている時期に咲き始める梅の姿に、芯の強さを感じる方も多いことでしょう。桜は観賞用に植栽されていることが多いですが、梅は、咲いた後の収穫が主目的なのも桜との大きな違いです。アリとキリギリスではないけれど、一口に花見と言っても大きな違いがあります。

極寒の時期に花を咲かせる梅は、時として、雪をかぶることも。特に、奈良県の山間部にある2つの梅林では、紅白の美しい風景に出会えることもあります。

大和平野を見渡しながら『広橋梅林』の梅を楽しもう!

大和平野を見渡しながら『広橋梅林』の梅を楽しもう!

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近畿地方の背骨にあたる奈良から和歌山へかけての紀伊山地の入り口にあたる奈良県下市町に『広橋梅林』はあります。広橋峠を越えて進んでいけば、吉野から熊野奥駈道へと道は続いていきます。広橋から奥は、山深い地域。なので、広橋梅林からの眺めが最高なんです。

小さな白い梅の花、紅の咲き誇る花々の先に見える、二上山、金剛・葛城山の雄大な眺めは、とても気持ちいい清々しい風景です。梅の花そのものは、どこでも見られるけど、眼下に広がる風景と共に楽しめる広橋梅林の梅の花は格別です。

『天守の森』ハイキングコース

『天守の森』ハイキングコース

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広橋梅林のある場所は、かつて広橋城があった場所。あまりはっきりした城跡はないのですが、眺望の素晴らしさはピカイチです。地元の方々が整備されている『天守の森』ハイキングコースは全長12キロと、結構な距離です。終着地は温泉なので、温泉に一泊というのも一興。標高552メートルの城址には、高峰稲荷神社があります。

『賀名生(あのう)梅林』の急斜面は必見

『賀名生(あのう)梅林』の急斜面は必見

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『賀名生梅林』は、谷間に咲き誇る梅が自慢の梅林です。谷筋に梅が咲き誇るということは、香りがその谷筋に漂い、目だけじゃなく鼻でも梅林を堪能できるってことです。ちょっと急な道を登って行くと、深い谷に一面の梅。訪れた日は、春の大雪で、一面白くなっていますが、見事な梅林です。下から見上げるとピンクのかすみがかかったような山肌。

ここの梅は、観賞用というより、梅の実を収穫するために栽培されています。
山道沿いには、そんな梅を梅干しにしたり、梅酒にしたり、いろんな加工を施し売られているお店があります。一般市場に出回らないレアなものもあるので、ぜひ、ご自分の足で発見してみて下さい。

『賀名生の里・歴史民俗資料館』でより深く知ろう

『賀名生の里・歴史民俗資料館』でより深く知ろう

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南北朝時代に激動期を迎えたこの地は、名前が「穴生(あなふ)」から、望みがかなう「叶名生(かなふ)」となり、叶うでは恐れ多いと「賀名生(あのう)」へと変遷した歴史ある場所。公家たちが流れ込んだことで、優美な雰囲気が漂っています。

そんな歴史をわかりやすく解説・展示されているのが『賀名生の里・歴史民俗資料館』です。落ち着いた建物はコンパクトですが、とても分かりやすく歴史や地域の展示がされていますので、ぜひ、お立ち寄りください。

ハイキングを兼ねて

梅を見に行くときは、寒いことも多く、出歩くのが億劫になります。でも、だからこそ、エイっ!と心を決めて一歩踏み出すと、とても素敵な風景に出会えます。

2箇所の梅林を巡ってみると、似ているようでもそれぞれに違う伝統を感じられます。地元の方との会話も楽しい山間の道。かなりの急坂もありますが、ゆっくり登って、しっかり深呼吸して、梅の香りを楽しんでください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/03/10 訪問

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