春の桜はもちろん、菜の葉やつつじ、菖蒲やあじさい、藤棚や夏のさるすべり、秋のコスモスや紅葉などいつ訪れても季節を代表する花が見事なこと。将軍の庭らしく、おめでたい繁栄の象徴、松の木が随所に植えられ、きれいに手入れされて整って大きな盆栽のよう。
特に入口の近くにある将軍御手植えの300年の松は、どっしりと威厳のある重厚感。冬には松に雪吊りのロープがかかっている松もあって、雪の少ない東京でも丁寧に樹木を保護する意気込みが感じられます。
庭園内には池や小高い丘が配置されているので、様々な角度から景色を楽しみましょう。中心となる潮入りの池には、島々をつなぐ橋を渡って対岸までひと歩き。橋には直線ではない個所もあり、左右の風景を楽しみながら進むという趣向です。
潮入りの池は海の風景を表現していて、火山性の黒っぽい岩が、荒磯を表し、松も斜めに池に乗り出し風を受けているかのよう。池の水は東京湾から引かれ、水位を調節する水門があり、海の魚が一緒に流れ込んでくるので、江戸時代には将軍が釣りを楽しんだとの話もあります。
潮入りの池の中島には御茶屋があり、もとは将軍や多くの方々、招待客などが景色を堪能した休憩場所でした。建物は戦後に復元されたものですが、靴を脱いで上がる和風建築で、畳が敷かれた室内や、ベランダの椅子からはとてもよい眺めです。抹茶とお菓子(510円)も注文できます。抹茶と上生菓子のセットだと720円。
公園内を歩いた後、抹茶を飲みながらほっと一息つくのもいいですね。
江戸時代に将軍がこの庭園を訪れる目的の一つは鷹狩。鷹を使って逃げる鴨を捕獲する狩りでした。皇室も賓客をもてなす時には鴨猟をしたので、鴨をおびき寄せる仕組みが案内ボードで見られます。遺構を含め全国に6か所しか鴨場は残っていませんが、そのうちの2か所がここです。
冬に渡ってくる鴨が安心して休めるように、庭園の中でも土手で囲われて見えにくい構造になっています。池には細い堀が設けられ、おとりのアヒルを夏から仕込み、エサやりのときに木をたたく音で堀に入ってくるようにします。アヒルにつられて鴨も入ってきますが、人に驚いた鴨が逃げようとするところを網で捕まえていたようです。
池のほとりには松の御茶屋もあり、木曜日の午後13時から15時に内部の見学が可能。平成22年に資料に忠実に復元された和風建築の落ち着いた空間です。屋久杉が天井に使われていたり、千鳥の透かし彫りが施されていたり、書院造の違い棚や満月に霞の円窓など、この御茶屋だけで総工費1億4千万円とか。
現在は燕の御茶屋を建築中で今年(2015)の3月に完成予定です。浜離宮にかつてあった日本初の迎賓館「延遼館」を2020年のオリンピックまでに復元しようとの話も出ています。
庭園に一歩足を踏み入れると、緑に囲まれ、季節の花を楽しめて、ゆったりとした時を過ごせます。冬でも天気の良い日は暖かく快適です。
お堀のような川や水路に囲まれ、一方は東京湾に面し、将軍の出城としても機能していた庭園は仕事運の上がるパワースポットとも言われています。広々とした庭園で緑の風景に癒されたり、自然のパワーを感じて元気になったり、歴史に思いをはせたりと、興味に合わせて訪れてはいかがでしょうか。
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(2023/12/8更新)
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