東京『山の上ホテル』〜文豪の愛したホテルで音楽と共に〜

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東京『山の上ホテル』〜文豪の愛したホテルで音楽と共に〜

東京『山の上ホテル』〜文豪の愛したホテルで音楽と共に〜

更新日:2015/01/24 11:43

吉野 良のプロフィール写真 吉野 良 ホテルビジネス実務検定試験

神田駿河台の坂道を上がった小高い丘の上。
緑の木々に囲まれて佇む文豪達の愛したホテル「山の上ホテル」。
小説内に登場したり、このホテルで執筆活動をしたり、様々な歴史や想いの詰まったクラシックホテルは都内でも貴重な存在。現在でも現役の小説家もお忍びで訪れるそうです。
そんな上品で大人のクラシックホテルにはちょっと珍しい客室や素敵なバーがあったりと、文豪達の足跡と共にご紹介します。

ビル街に佇むアールデコ建築のホテル

ビル街に佇むアールデコ建築のホテル

写真:吉野 良

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JR御茶ノ水駅からすぐの神田駿河台。多くの大学や楽器店、スポーツ用品店などが立ち並び、学生街とも言われるこの地区に、古くから多くの文豪に愛されている、クラシックホテルがある。
「山の上ホテル」。

HILL TOP HOTELとも言われるその名のとおり、小高い丘の上にあるこのホテル。今では多くのビルに埋もれるようにして建っているホテルはここだけ時間が止まっているかのよう。昭和12年建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズによるアールデコ様式、西洋文化を学ぶための「佐藤新興生活館」が現在の山の上ホテルとなっています。

館内は気品ある上品な空間

館内は気品ある上品な空間

写真:吉野 良

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玄関も近年のホテルにはない小さな入口がとても可愛らしく、どなたかのお屋敷にでもお邪魔するかのよう。ホテルに入ると、東京にいることを忘れてしまうような、気品あるクラシカルな空間が広がる。決して派手ではないが、優雅で品のある家具と壁や天井のライトひとつを見ても、時代を感じる事が出来る。

玄関左右にあるラウンジもお屋敷の応接間のような空間。ラウンジでの過ごし方は人それぞれ。読書をする人、仕事をする人、珈琲を飲む人、まるで自宅のリビングのようです。飲み物が飲みたい時にスタッフに声をかけて珈琲などの飲み物が注文でき、あえて声掛けをしないのもこのホテルらしさなのでしょう。

ラウンジの一角に作家池波正太郎が執筆に使用したライティングデスクが置かれています。ライティングデスクに座ると、いまにも同氏の執筆の苦悩が伝わってきそう。
ここで手紙を書くのもよし、ラウンジでデスクを眺めながら、同氏の作品を読むのもまた楽しい過ごし方かもしれません。

屋根裏風の秘密のお部屋

屋根裏風の秘密のお部屋

写真:吉野 良

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山の上ホテルに宿泊する時には、ぜひとも宿泊してほしい客室があります。その名も「モーツァルトの部屋」。ホテル5階に到着すると、なにやら小さな入口が。
入口上部にはMozartと書かれています。部屋への階段は、なんだか特別な空間へ入口。まるで屋根裏の秘密基地のよう。本当に小さく、少々急な螺旋状の階段を登ると、その先には客室の扉が。

部屋に足を踏み入れると、まず目に飛び込むのが大きなオーディオセット。
そう、ここは宿泊の際、好きなCDを持ち込んで部屋の中で聴くことができるのです。近年のホテルではDVD設備が完備された客室も多くなってきましたが、音楽を聴くというためのオーディオセットが用意された部屋はなかなかお目にかかれないかもしれません。

さらに、部屋を見渡してみると、いろいろ目に飛び込んでくるものがある。
壁には、額縁に入ったモーツアルトの楽譜(原版の複写)、サイドテーブルには一冊の本「モーツァルトのいる部屋」、モーツァルトをモチーフにした置物。
モーツァルトの部屋はダブルサイズのベッドひとつと少々狭く感じるかもしれませんが、1人ゆっくり何か考えた時、夫婦でゆっくりおしゃべりしたい時、お気に入りのCDを持ってきて、音楽を聴きながら時を過ごす。そんな滞在には部屋の広さはあまり気にならない気がします。

音楽は日常の物だけれど、ここで聴く音楽は日常を忘れさせてくれる、特別な物になるかもしれません。
山の上ホテルにはモーツァルトのお部屋の他にも、様々な顔をもつ客室があります。
小さな庭付きのお部屋、スタンダードシングルやツイン、畳にベッドを配置した和室など、自分のスタイルにあったお部屋を探してみてはいかがでしょうか?

文豪の愛したバーでお気に入りのカクテルを

文豪の愛したバーでお気に入りのカクテルを

写真:吉野 良

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山の上ホテルはレストラン施設も充実しており、代表的なフレンチから和食、中華まであるので、ご心配なく。もちろん宿泊のみで、文豪のように近くの神田の老舗そば屋で食事をするのもまた面白いかも。

食事をしたら、ロビーラウンジにあるバー「ノンノン」に訪れていただきたい。小さなカウンターのみのバーで、開店前だとその存在に気付かない方も多いとか。作家川端康成や三島由紀夫も愛したバー、英国風の重厚な雰囲気は、山の上ホテルの雰囲気に良く合います。

食後にホテルオリジナルのカクテル「ザ・ヒルトップ」を味わってみるのも、豊富な洋酒も取り揃えているので、あなたのお気に入りのカクテルを作ってもらうのもよし。バーテンダーやパートナーとおしゃべりしながら過ごす時間は、きっと特別な思い出になるはず。

山の上ホテルを後にして

山の上ホテルを泊まり、バーでカクテルをいただき、文豪気分で過ごしてみると、なぜ山の上ホテルが文豪達に愛されたのか、すこし分かるような気がします。自然な接客と静かな空間。そんな自宅のような隠れ家のような雰囲気が文豪達には心地よいものだったのかもしれません。
少し背伸びをして緊張して訪れても、すぐに馴染んでしまう。昨日より少し大人になれるホテル、是非訪れてみてはいかがでしょうか?

「東京の真中にかういふ静かな宿があるとは思はなかった。
設備も清潔を極め、サービスもまだ少し素人っぽい処が実にいい。
ねがはくは、ここが有名になりすぎたり、はやりすぎたりしませんやうに。」  
三島由紀夫

山の上ホテル
〒101-0062東京都千代田区神田駿河台1-1 

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