心地良い潮風を受けて。港町・横浜で、船の博物館めぐり!

心地良い潮風を受けて。港町・横浜で、船の博物館めぐり!

更新日:2015/01/25 14:14

カノオミツヒサのプロフィール写真 カノオミツヒサ フリーライター
日本を代表する国際都市・横浜。異国情緒ただよう街並みが人気を集める観光地ですが、この風情を生み出したのは、1859年(安政6年)に行われた開港です。以来、多くの船が往来し、貿易の中心地として発展を遂げてきました。横浜にとって、船はとても関係の深いものなのです。
今回は船をテーマに、横浜の海に係留されている「帆船日本丸」と「日本郵船氷川丸」に乗船するほか、港や船の博物館を巡るコースをご紹介します。

みなとみらいの「帆船日本丸」

みなとみらいの「帆船日本丸」

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

まずはJR桜木町駅へ。東京駅や羽田空港から電車に乗ると、40分程度で着きます。駅から5分ほど歩けば、「帆船日本丸」に到着です。

1930年(昭和5年)に進水した「帆船日本丸」は、船員を養成する訓練船。1984年(昭和59年)に引退するまで11,500名の実習生を育てました。引退の翌年からは、水上に浮かべて保存・公開する「フローティングシップ」として活躍中。「船長公室」や「実習生室」などを見学できます。「食堂」や「機関室」といった場所をチェックしていると、乗組員になったような気分ですね。

船の舵は甲板の最後部に設置されています。理由は帆の状態をよく見るため。通常、帆は出ていませんが、年に約12回行われる「総帆展帆」では、29枚すべての帆が広げられます。祝日などには国際信号旗が綴られる「満船飾」(上記写真)も行われますので、日にちを合わせてみてはいかがでしょうか?

さて、次は「横浜みなと博物館」へ進路をとりましょう。

開館時間:10:00〜17:00
帆船日本丸・横浜みなと博物館常設展の共通券:600円

体験コーナーが楽しい「横浜みなと博物館」

体験コーナーが楽しい「横浜みなと博物館」

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

「帆船日本丸」を下船し、目の前にあるのが「横浜みなと博物館」です。横浜港をテーマに、2009年(平成21年)にオープンしました。

館内では、横浜港が開港してからの150年を時代ごとに展示。開港当初の様子が分かる三代歌川広重の「横浜海岸通之図」のほか、壊滅的被害を受ける関東大震災時の大桟橋の写真などが並び、近代的な貿易港へ発展を遂げる軌跡を辿ることができます。

また、海上輸送や港のしくみも展示され、コンテナターミナルの模型ほか、港で働く船を映像で紹介するコーナーが設けられています。ここで特に面白いのが「操船シミュレーター」。なんと小型船で、横浜港をクルージングできるのです。映像はCGですが、周囲の景色がリアルに作られているので、実際に船を動かしているような感覚になれますよ。係員さんのアドバイスに従い、無事に着岸させてみましょう!

陸にあがったところで、今度は「日本郵船歴史博物館」へと参りましょう。

開館時間:10:00〜17:00

クラシックなビル内の「日本郵船歴史博物館」

クラシックなビル内の「日本郵船歴史博物館」

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

「横浜みなと博物館」から歩くこと10分、「日本郵船歴史博物館」に到着です。入館前に、横浜郵船ビルをご紹介しましょう。鉄筋コンクリート造の3階建てで、竣工は1936年(昭和11年)。正面を飾る巨大な柱(コリント式大オーダー)が美しいですね。内部は当時流行したアール・デコのスタイルを採用。6メートルある天井には円形の花飾り(ロゼット)が並び、細部まで見応えのある建物です。

そんな横浜郵船ビルの1階にあるのが、「日本郵船歴史博物館」。日本郵船の歴史を通して、明治維新以降の海運業の歴史が分かる博物館です。日本郵船会社の創立願状や、客船「信濃丸」のイスなど、貴重な資料が陳列されています。

圧巻なのは氷川丸の模型。第2次大戦下にカナダ政府へ没収、戦後はウィスコンシン海洋博物館へ寄贈といった数奇な運命を辿りつつ、2014年から一般公開されています。緻密に作られた48分の1スケールの模型は、全長約340センチ、幅約42センチの大作。じっくりとご覧になって下さい。

模型を見たら、実物が見たくなりますね。次は「日本郵船氷川丸」へ行きましょう。

開館時間:10:00〜17:00
「日本郵船歴史博物館」と「日本郵船氷川丸」のセット券:500円

山下公園の「日本郵船氷川丸」

山下公園の「日本郵船氷川丸」

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

「日本郵船氷川丸」まではバスを利用しましょう。博物館を出て左手の「警察本部前」バス停から乗車すれば、5分ほどで「山下公園」バス停に到着です。公園に入れば正面に、「日本郵船氷川丸」が見えてきます。

氷川丸は1930年(昭和5年)に建造され、シアトル航路の貨客船として活躍しました。1960年(昭和35年)に引退するまで、太平洋を横断すること254回、約2万5千人の乗客を運んだとされています。翌年から山下公園に係留され、2003年(平成15年)には横浜市指定有形文化財になりました。

「日本郵船氷川丸」も「フローティングシップ」なので、乗船して見学できます。船内で驚くのは、チャップリンが利用した「1等特別室」をはじめ、「1等社交室」や「1等喫煙室」のゴージャスな造り。天井、柱、ドアなどにアール・デコの装飾が施され、これだけで華やかな気持ちになれますね。ほかにも「操舵室」、「船長室」、「機関室」といった場所を自由に見られます。船旅に出ている優雅な気分で、客船のなかを歩いてみましょう。

開館時間:10:00〜17:00

おわりに

いかがでしたか?横浜に係留されている2つの船はどちらも違った魅力にあふれており、乗組員や上流階級の気分が味わえます。甲板に出て潮風を受けていると、大海原へのロマンが広がりますね。
また、2つの博物館にはショップが併設されていて、舵やイカリをモチーフにしたマリングッズはお土産に最適。「日本郵船歴史博物館」や氷川丸前の売店で販売されている、「氷川丸ドライカリー」もおススメです。

みなさまも船をテーマに、横浜を観光してみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/01/12 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -