神々が宿る天空の砦。奇岩が連なるギリシャのメテオラへ

| ギリシャ

| 旅の専門家がお届けする観光情報

神々が宿る天空の砦。奇岩が連なるギリシャのメテオラへ

神々が宿る天空の砦。奇岩が連なるギリシャのメテオラへ

更新日:2015/01/25 11:23

竹内 あやのプロフィール写真 竹内 あや トラベルライター

ギリシャ語で“空中に浮いた”を意味するメテオラ。朝もやが立ち込めるなか、ふと空を見上げたときに目にするその光景は、まさしく宙に浮いているかのよう。天空と大地の間で、その両世界を静かに見守っているかのような感覚さえ抱きます。その昔、より神に近づきたいと考えた修道士たちは、命をかけてこの奇岩の頂上に修道院を建てました。自然と人間が造り出したこの壮大な景観は、世界複合遺産として登録されています。

メテオラ奇岩群の誕生の謎

メテオラ奇岩群の誕生の謎

写真:竹内 あや

地図を見る

アテネから車で約5時間。ギリシャ本土のほぼ中央、2000メートル級の山々が連なるピンドス山脈のふもとに広がるテッサリア平原にさしかかると、突如奇岩群が現れます。ここが、ギリシャ正教の聖地として知られるメテオラ。奇岩の頂上に建つ修道院では、今も敬虔な修道士や修道女たちが修行に励んでいます。

このような不思議な光景ができあがった成因については、さまざまな説があります。これらの奇岩群は、ギリシャ神話の最高神ゼウスが怒り狂い、天界から投げつけたものだとも……。地理学的にもいまだ詳しくは解明されていませんが、もともと湖だった土地で、長年の浸食・風食作用によって奇岩ができあがったのではないかといわれています。

なぜこのような岩の頂上に修道院が?

なぜこのような岩の頂上に修道院が?

写真:竹内 あや

地図を見る

メテオラに最初に人がやって来たのは、9世紀にさかのぼります。この特異な自然環境を目にした修道士たちは、世俗を避け、より神に近づこうと岩の裂け目や洞窟などに住み着き、神との交信を求める日々を送り始めました。

14世紀になり、イスラム教国であるオスマントルコがギリシャに侵入し始めると、キリスト教徒に対する弾圧を逃れ、さらに多くの修道士たちがこの地へ。そのなかのひとり、アトス山から逃れてきた聖アサナティオスが岩の頂にネガロ・メテオロンを建設したのが始まりだったといわれています。その後、次々と修道院が建てられていきました。

ほぼ直角に切り立つ岩壁をどのようにして上り、そして資材を運び上げたのかを考えると、その計り知れない労力と情熱に圧倒されます。最盛期であった15〜16世紀には、24もの修道院があったといわれていますが、そのうち現存するのは6つ。ギリシャ正教を信仰する50人ほどの修道士と修道女がここで修行の日々を送っています。

メテオラ最大のメガロ・メテオロン修道院

メテオラ最大のメガロ・メテオロン修道院

写真:竹内 あや

地図を見る

メテオラ最大のメガロ・メテオロン(メタモルフォシス)修道院は、高さ613メートルの岩の頂上に建っています。今では115段の階段が設けられていますが、その昔は、縄梯子や滑車に吊るした網袋を使って上り下りしていたのだとか……。今でも当時利用していた滑車が、人間の代わりに物資を詰めた箱を乗せて行き来しています。

■そのほかの修道院
・ヴァルラーム修道院
岩壁を削って造った階段の先にある修道院。16世紀半ばに描かれたフレスコ画は必見。

・アギア・トリアダ修道院
高さ565メートルの岩の頂上、130段の階段を上った先にあります。

・ルサヌ修道院
まさに宙に浮いているような外観の女子修道院。

・アギオス・ステファノス修道院
巡礼者用の施設が整った女子修道院。主聖堂には小アジアで殉死した聖ハラランボスの聖遺物が納められています。

・アギオス・ニコラオス修道院
14世紀に創建された小さな修道院。教会内のフレスコ画は必見です。

数々のフレスコ画やイコンにも注目!

数々のフレスコ画やイコンにも注目!

写真:竹内 あや

地図を見る

メテオラの壮大さは、その外観だけにとどまりません。修道院内では、ビザンティン芸術の宝庫ともいうべきさまざまなアートを目にすることができます。ドームや壁に描かれたフレスコ画やイコン(宗教画)はどれも一流芸術家によるもので、ヴァルラーム修道院の教会内に描かれた「最後の審判」や「聖ヨハネの生涯」、アギオス・ニコラオス修道院内にあるクレタ派の宗教画家テオファネスのフレスコ画など、実に見応えのあるものばかりです。

なかには博物館や資料館などを併設した修道院もあり、数々のイコンのコレクションや昔使われていた調度品などを見ることができます。

カランバカを拠点に修道院巡り

カランバカを拠点に修道院巡り

写真:竹内 あや

地図を見る

観光の拠点となるのは、メテオラの麓にあるカランバカという小さな町。人々の集いの場であるセントラル広場を中心に、メインストリートに沿ってホテルやショップ、タベルナが建ち並び、町なかからどこにいてもメテオラの壮大な姿が一望できます。

ツアーに参加するのもいいですが、自分のペースでじっくり巡りたい人にはレンタルバイクがおススメ(ちなみに、レンタカーショップは1軒もありません)。国外運転免許証を事前に日本で取得しておけば、町なかのレンタルショップで誰もが手軽に借りられます。メガロ・メテオロン修道院まではバスも出ているので、そこを拠点に徒歩で巡るのもいいでしょう。各修道院間は500メートルから3キロメートルほどの距離がありますが、1日あれば充分に巡れる範囲に点在しています。

修道院付近にはいくつものビューポイントがあり、堂々とそびえる奇岩の向こうに広がるカランバカの街並みを一望! それぞれの修道院が見る角度によって、まるで違って見えるのもメテオラならではの面白さのひとつです。

自然と人間が生み出した造形美に出合いに!

ギリシャ観光の最大の見どころのひとつ、メテオラ。実際にこの壮大な光景を目の当たりにすると、知らずとして厳かな気持ちになってきます。神々が宿る天空の砦へ。この自然と人間が生み出した造形美に惹かれ、今日もまた訪れる人があとを絶ちません。

アクセス:アテネからトリカラまでバスで約4時間30分。そこからカランバカ行きに乗り換えて約30分。ギリシャ鉄道で行くことも可能。アテネから約5時間。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/06/24−2014/06/26 訪問

- PR -

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpで複数旅行会社からまとめて検索!

条件を指定して検索

トラベルjp 旅行ガイド

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ