美しい冬鳥たちが訪れる鎌倉市の秘境。散在ガ池森林公園へ

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美しい冬鳥たちが訪れる鎌倉市の秘境。散在ガ池森林公園へ

美しい冬鳥たちが訪れる鎌倉市の秘境。散在ガ池森林公園へ

更新日:2015/02/05 11:45

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

古都らしい歴史文化財もさることながら、深い森林に覆われた山々もまた鎌倉の魅力。市内にはいくつかハイキングコースがあり、そこまでアップダウンが激しくないので気軽に山歩きを楽しめます。そんな山の奥にひっそりとある名所が散在ガ池(さんざいがもり)森林公園。地元では通称の「鎌倉湖」の方が浸透しているようで、確かにその通り、深い森の中に湖がある避暑地のようなスポットです。冬には珍しい鳥が渡ってくることも……。

喧騒からかけ離れた、静かな湖畔でリラックス

喧騒からかけ離れた、静かな湖畔でリラックス

写真:鷹野 圭

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最寄りのバス停から林道を道なりに歩いてくると、やがて写真のような湖畔に到着します。公園の周囲には住宅地があり車や歩行者も結構多く通るのですが、深い森林が騒音を遮ってくれるのか驚くほど静かな場所です。この湖の周囲をぐるりと散策できるように園路が巡らされており、大体1時間もあれば森林浴を十分に楽しみながら一周できるはず。階段などがそこそこ険しく一周すると疲れますが(汗)結構いい運動になります。歩き疲れたら、湖畔のベンチに腰かけて一休み。豊かな自然が優しく貴方を癒してくれることでしょう。

公園内の林道はどこも高木に囲まれており、まるで信州や東北の山奥を歩いているかのよう。この辺りの森はスギやヒノキなどだけの単純林と違い、樹種の多い雑木林で、下草もたっぷりと生えています。近年話題になることの多い生物多様性にも秀でたスポットで、それだけに春夏秋冬を通じて、散策中には様々な生きものに遭遇します。特に秋から初春にかけての冬鳥たちは魅力! 鳴き声が聞こえたら足を止めて、周りの木の梢や林道をよ〜く探してみましょう。

秘境の宝石!? 美しいオシドリを探そう

秘境の宝石!? 美しいオシドリを探そう

写真:鷹野 圭

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オシドリといえば、日本でもトップクラスに美しいカモの一種。「おしどり夫婦」の語源となった鳥で、皆さんも一度は耳にしたことがあるかと思います。関東の都心部でも毎年冬場になると飛来するのですが、どうやら静かな森林環境を好むらしく、明治神宮などの自然度の高い深い森に隣接した水場でないと滅多に見られません。もちろん水面を泳ぎ回って食べ物を探しますので、それなりに広い池沼も必要ですね。その点散在ガ池森林公園は、こうしたオシドリの好む環境にまさにピッタリ。毎年のように秋から初春にかけて観察されています。

写真は、鎌倉湖畔を巡る園路から撮影したオシドリ。かなり距離があり木の葉に覆われて水面が日陰になっていますが、それでもくっきり姿を確認できます。しかしその目立つ色とは対照的に、オシドリは結構警戒心の強い鳥。普段は湖の奥、鬱蒼とした深い森の中で暮らしており、いつでも観察できるというわけではありません。探す時には、まわりに樹木のよく繁った高台の園路から見下ろすようにして探してみましょう。

起伏の大きい園路で、ハイキング気分を堪能しよう

起伏の大きい園路で、ハイキング気分を堪能しよう

写真:鷹野 圭

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鎌倉湖の周りを一周できる園路は、道中に急な階段あり、細い木道あり、一切の舗装がない自然の道ありと、なかなか一筋縄ではいかない造り。足腰に自信のない方には厳しいかもしれません。しかし、周囲は雑木林を中心とした密度の高い自然地。険しいとはいえ、道具などなくても徒歩1時間程度で歩き切れますので、ちょっとした山歩きのようでちょうど良い運動になります。道中には公園の歴史や雑木林の仕組み、生きものなどに関する立て看板があり、なかなか勉強になるのでチェックしてみてくださいね。

途中、最高点からは鎌倉市内の住宅街を見下ろすことができ、眺望はなかなかのもの。道中には、要所に椅子や岩(!)などの腰を下ろせる場所があるので、適宜休憩をとりながら楽しみましょう。

清らかな小川が流れる「せせらぎの小径」も魅力!

清らかな小川が流れる「せせらぎの小径」も魅力!

写真:鷹野 圭

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正門から鎌倉湖へ通じるルートのうちの一つ「せせらぎの小径」は、清流を横目に森の中を歩けるとても魅力的な遊歩道。心の落ち着く静かな水音を聞きながら森林浴を満喫できます。ここの小川は水の透明度が高く、周りの深い緑も相俟って首都圏の一角とは思えないほど。気持ち良い時間を楽しめることでしょう。

この遊歩道は冬場よりも、むしろ初夏から秋にかけてが魅力的。アカガエルやハンミョウなどの、近年の首都圏では珍しい生きものがよく顔を見せてくれます。特に4月末〜6月頭くらいに現れるカワトンボの美しさは見事! 飴細工のように繊細でキラキラした姿に魅了されることでしょう。

こんな冬鳥も!

こんな冬鳥も!

写真:鷹野 圭

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湖を訪れるオシドリの他にも、樹木の豊富な散在ガ森森林公園には様々な冬鳥が訪れます。地上を歩きながら植物の種などを食べる黄色い小鳥・アオジのほか、同じく地上で落ち葉を掻き分けている姿をよく見かけるアカハラやシロハラ、逆に木の頂によく止まるシメやツグミなど、晩秋から春先までバリエーション豊かな小鳥たちを観察できます。鳴き声はもちろんですが、ちょっとした物音などを耳にした時にも一度立ち止まって周りをチェックしてみましょう。冬場は鳥以外に物音を立てるような生きものは(基本)いません。「カサッ」と葉の音がしただけでも、そこに鳥がいる可能性は高いです。

数多の冬鳥の中でも一番美しくバードウォッチャーからも人気が高いのが、写真の青い鳥・ルリビタキ(とっさの撮影だったので少々ぶれてしまいました……)です。上記の鳥たちと比べると個体数が少なく、出会えるかどうかは運次第ですが、それだけに出会えた時の感動は相当のもの。意外にも、園路を歩いている途中でひょっこり姿を見せることも多いですよ。

【最後に】野鳥探しと山歩きを楽しめる、鎌倉の隠れた名所

ハイキングコースも多く設けられている鎌倉市ですが、ここ散在ガ森森林公園は園路の自然度がとりわけ高く、普通に歩いている途中にも色々な生きものと遭遇したり、緑の癒しを享受することができます。自然度の高さに反してアクセスも良く、大船駅からバス一本で訪れることが可能。照明などがあまりなく日が暮れると危ないので、時間に余裕を持って遊びに来てくださいね。

【アクセス】
バス/JR「大船駅」より鎌倉湖畔系統・大船駅循環バスで約20分、「今泉不動」より徒歩約3分
徒歩/JR「北鎌倉駅」より徒歩約40分

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掲載内容は執筆時点のものです。 2013/02/17 訪問

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