ユネスコ無形文化遺産!細川紙に触れる埼玉東秩父・和紙の里

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ユネスコ無形文化遺産!細川紙に触れる埼玉東秩父・和紙の里

ユネスコ無形文化遺産!細川紙に触れる埼玉東秩父・和紙の里

更新日:2015/02/06 14:26

Naoyuki 金井のプロフィール写真 Naoyuki 金井 武蔵国ナビゲーター、歴史探索ブロガー

2014年11月27日、ユネスコは日本政府が推薦した「和紙・日本の手漉和紙技術」を無形文化遺産に登録することを決めました。
今回登録されたのは、「石州半紙」(島根県浜田市)と「本美濃紙」(岐阜県美濃市)、「細川紙」(埼玉県小川町、東秩父村)の3つの和紙です。
今回はこの内の“細川紙”を作っている、埼玉県東秩父村にある「和紙の里」をご案内いたします。

伝統と文化を継承する「細川紙」

伝統と文化を継承する「細川紙」

写真:Naoyuki 金井

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現在の埼玉県である武蔵国は、奈良・平安時代から製紙が行われ、特に江戸時代には比企・秩父・男衾(おぶすま)の三郡が和紙の一大産地として発展しました。
細川紙は、和歌山県高野山麓の細川村で漉かれた細川奉書を、江戸に近い武州(埼玉県)で清流を利用し農閑期の副業として漉いたものが拡大し、明治期の細川紙は、小川町・東秩父村が代表生産地となり、特に強靱性が必要なものに広く用いられました。
こうして発展した細川紙でしたが、戦後は、洋紙などに押されて衰退し、後継者も減少の一途を辿り、細川紙の存続さえ危ぶまれる時代となったのです。

こうした中で、伝統の細川紙を後世に伝えるとともに、その伝統産業に光を当て活性化を図る目的で、昭和60年に東秩父村では「和紙の里」整備事業が着手され、現在に至っています。
比企郡と秩父市に挟まれた山間ののんびりした東秩父の風情の中で、逞しく美しい伝統が息づいているのです。

原料と技術に培った「細川紙」

原料と技術に培った「細川紙」

写真:Naoyuki 金井

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全国に数多ある和紙から、何故、この3種がユネスコに登録されたのでしょう。

一つの要因は、和紙の原料にあります。
一般的な和紙の原料には、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などがあり、原料によって紙の風合いが違ってくるのですが、今回の3つの和紙はすべて、原料に「楮」だけが使用されているのです。
これが意味するのは、他の原料と比べ「楮」には光沢があり繊維が長いので、より美しい和紙を漉けるということなのです。

もう一つは、紙を漉く過程に日本固有の「流し漉き」の手法が使われていることです。
古代の中国で紙が発明されたころの「溜め漉き」とは異なり、「流し漉き」とは紙の料液を漉槽(すきふね)に入れ、全体を揺り動かす技法です。
揺り動かすことにより、紙の繊維を絡め易くし、破れにくい和紙を造ることができるのです。

このような原料と手法で作られた細川紙は、美しくありながら、強い和紙であると高く評価されたのです。

ここ「和紙の里」の“和紙製造所”では、これらの原料から手漉き、絞り、乾燥までのすべての工程が見られますので、まずはユネスコ無形文化遺産である「和紙」と「手漉き技術」を理解していただきたいです。

美しくも実用性のある「細川紙」

美しくも実用性のある「細川紙」

写真:Naoyuki 金井

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「和紙の里」の中には“特産品直売所”があります。
東秩父村の特産品を販売しているのですが、主たる特産品は、当然、細川紙です。

細川紙の商品としては用紙そのものと、加工品です。
用紙は“版画用紙”を始めとして、美術用紙、絞り、千代紙、友禅模様の用紙など様々あります。
加工品には“名刺台紙”“便箋・封筒”“ノート”“タペストリー”“独楽”など、カラフルな色彩からシックな風合いのものまで、様々な細川紙用品が取りそろえられており、見ているだけでも楽しくなる品々です。

私も実際に緑を基調とした柄違いの和紙を購入し、ランチョンマット風に使用してみて、煤けた食卓が、落ち着いた佇まいでシックな雰囲気に変わりました。
お気に入りの和紙で、あなたなりの使用方法を考えるのも楽しいものです。

歴史と環境に見る「細川紙」

歴史と環境に見る「細川紙」

写真:Naoyuki 金井

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「和紙の里」は、“和紙製造所”と“特産品直売所”だけではありません。
貴重な資料を展示している“ふるさと文化伝習館”では、細川紙を始めとして、「国宝 長船影光・影政合作太刀写」や、細川紙の文献など、東秩父村の村宝が展示されています。
特に興味深いのが、昭和2年にアメリカより贈られた珍しい「青い目の人形・マーガレット・フォックス」で、パスポートまであるのには驚きです。

この他、江戸末期の紙漉農家を移築復元した“細川紙紙漉家屋”、研修や宿泊などに広く利用できる“研修会館”、茶室を併設した“ギャラリー”などがあり、いづれも年代を感じさせる文化と風情が味わえます。

そして里の中央には滝や池などを配した日本庭園や芝生広場があり、更に展望台に続く小路は“彫刻の森”として彫刻作品が展示されていますので、アートと眺望も楽しめるのです。
細川紙を彩る様々な施設で、長閑でありながら、どこか凛とした風情を味わっていただけます。

グルメも無関係ではない「細川紙」

グルメも無関係ではない「細川紙」

写真:Naoyuki 金井

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細川紙をたっぷり堪能したら、最後はグルメといきましょう。
和紙の里には、蕎麦・うどんが食べられる食事処「すきふね」があります。紙を漉く“漉槽”から名付けられた店では、紙を蕎麦に置き換えて茹でられています。
昔から秩父地方は、そばの産地として有名で、秩父市を始め、秩父郡やここ東秩父村には多くの美味しい蕎麦店が点在しています。

ここ「すきふね」も噂に違わず、手打ち太麺で、コシのある美味しい蕎麦をいただくことができます。こうした施設にありがちな文字通りの“腰砕け”ではなく、実際に美味しい蕎麦がリーズナブルな価格でいただけるのです。
また、意外なことに“うどん”も美味しく、埼玉県の誇るゴリゴリの武蔵野うどんを堪能することもできます。

食後には、東秩父村の伝統スイーツ「あずきすくい」もおすすめです。
細川紙と同じ歴史と伝統の秩父地方の蕎麦・スイーツをご賞味ください。

最後に。。。

埼玉県唯一の自治体としての村、東秩父村は、長閑な自然の広がる緑濃い村です。
花桃やつつじ・ポピーなどの咲く美しい春、自然の川を生かした水遊びの夏、ハイキングや山菜などの溢れる秋、そしてミカン狩りの冬と云った、一年中自然とふれあえるのが東秩父村です。
自然が恋しくなったら、是非、一度、ユネスコ無形文化財登録の「細川紙」と共に、東秩父村を訪ねてみてはいかがでしょうか。
きっとひと時の安らぎを感じることができるはずです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/01/24 訪問

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