写真:Ise Shinkurou
地図を見る和歌山城と田丸城(伊勢にある紀州藩の支城)を結ぶ和歌山別街道は、かつて紀州からのお伊勢参りの人々で賑わいました。そしてその街道沿いの宿場町「丹生」にあるのが今回ご紹介する真言宗「神宮寺成就院」。
774年弘法大師(空海)の師である勤操大徳(ごんそうだいとく)が開山し、813年弘法大師により七堂伽藍が建立された古刹です。通称「丹生大師」と呼ばれ地元だけでなく近隣からも多くの参詣者を迎えます。
勤操大徳は空海の剃髪の師であり、彼の尽力のおかげで空海は唐に渡る事が出来たとも言われる人物。唐から帰国した空海は、諸国を廻りながら真言密教を広めますが、唐から投げた三鈷があまりにも強く投げすぎ、ここ丹生山で跳ね返り高野山に落ちたとの伝説があります。高野山に先立ち、813年に当寺の整備を行い伽藍を建立しました。
少し硬くなってしまいましたが、この伝説は地元民にとって心のよりどころとなり、空海が建立した伽藍を大切に守っています。
奥行の深い三間二戸の仁王門には、金剛力士・多聞天が祀られその雄大さはこの地のかっての繁栄ぶりを伝え、今も境内と参詣者を魔から守ります。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る大師堂は鬱蒼と木々が茂る小山の頂きに建立されていますので、50段ほどの階段を登る事になります。お勧めは、階段沿いにある白壁と瓦のコントラストが美しい回廊!内部が解放されていますので、どなたでも利用できます。外敵からの防護の為に建てられたと言われる回廊は、往時の雰囲気を色濃く残す素敵な参道ですので、是非通ってみて下さいね。
入り口の石段で靴を脱ぎ内部へ。少し薄暗い階段ですが、連子窓から入り込む光がとても柔らかく、木目の格子の隙間から目にする境内は、自然が描く絵画!季節の移ろいを感じながらの回廊めぐりです。(靴はお持ちください)
写真:Ise Shinkurou
地図を見る「大師堂」のご本尊「弘法大師像」は弘法大師42歳の自画像で、境内にある池に自分の姿を映しながら自らが刻み安置したと伝わります。二度にわたる戦火からも被害を受けず現在まで残った像で、心癒される優しいお顔です。
またここ丹生は水銀の産地として栄えた村でもあり、奈良の東大寺の大仏の建立にも使用されました。周辺を散策されると「たぬき堀り」と呼ばれる水銀抗が現在も残っています。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る丹生のもう一つのお勧めは今も変わらず残る農村風景!そしてそのお味を愉しめる「農村料理レストラン・まめや」は、地元産旬の食材・お母さん・お婆さんの手づくりにこだわった人気のお店。
人気の秘密の一つは地元の農家さんから毎朝届く新鮮な野菜と、それらを使った日替わりメニュー!「今日はどんな料理を愉しめるかな?」って足を運ぶ常連客も多いのです。
また店内もどこか懐かしい雰囲気を持ち、何と汁物は竈で!お口に入れる前から心が温まる素敵な心使いで、まるで故郷へ帰ってきたような落ち着いた雰囲気で食事が出来ますよ。
写真:Ise Shinkurou
地図を見るこのお店の人気メニューは11:00〜14:00までの大豆料理中心のバイキング!大豆は良質のタンパク質がたっぷりの地元産「フクユタカ」のみを使い、様々な旬の食材を使ったメニューが25〜30種類並びます。大豆を使ったメニューがこれほど豊富だとは本当にビックリ!
特にお勧めは豆乳スープ・いり大豆・おからサラダに五穀米おはぎ!昔からの製法で作られた豆腐は懐かしいおばあさんのお味です。ダイエット中の方もお腹いっぱいどうぞ。14:00までに入店すればバイキングを楽しんで頂けますが、人気の商品は品薄になりますので、少し早目に来店されると良いと思います。
またお隣には販売コーナーが併設されていますので、田舎味噌や豆腐など自宅用にお持ち帰りも出来ます。
全国に残る「神宮寺」は日本ならではの神仏習合の歴史を語る場所ですが、丹生大師もその名残りを色濃く残していますので、面白い歴史散策を楽しんで頂けます。
また少しづつ失われつつある日本の原風景と田舎料理の味も、日本人が心のどこかに持ち続ける懐かしい香り。これらが色濃く残る多気町へ是非いらして下さいね。
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(2024/10/5更新)
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