写真:渡部 洋一
地図を見るインドは「宗教の国」と言われるほど、人々の生活と宗教は切っても切れないお国柄。故に、インド人の祭りに対する情熱は凄まじいものがあります。
そんな祭り大国インドにおいて、「インド三大祭り」の一つに数えられる「ホーリー」は、毎年春(日程は毎年変わります。2015年は3月6日です。)に行われ、インドのみならず世界中から集まった人々が熱狂します。
祭りの日が迫ると、街中の露店にカラフルな粉がこれでもかというほど並べられます。ハナモツヤクノキの花などを原料に作られるこの色粉は、ホーリーの超重要アイテムです。サッカーで言うところの「サッカーボール」に相当します。
写真:渡部 洋一
地図を見るついに始まったホーリー。人々は狂います。老若男女関係無し。職業も立場も国籍も関係無し。誰彼かまわずカラフルな色粉をぶつけまくり、顔に塗りまくり、全身に色水をかけまくり、とにかくひたすら騒ぎまくります。
インド人というと、インド映画にも見られるように普段から陽気でいつも踊り狂っているような人たちといった印象ですが、この日はさらに日本人の感覚からは想像できない次元の違いをまざまざと見せつけてきます。
インドが一年で最も熱狂するこの日、人々は力の限りを尽してカラフルに染まり続けるのです。
写真:渡部 洋一
地図を見る人々は、ホーリーを心の底から楽しみます。それには、この国の持つ悲しく歴史、厳しい制度も関係しています。
「カースト」という言葉は、誰もが耳にしたことがあるでしょう。約3000年もの歴史を持つ、インドの厳しい身分制度です。1950年に制定されたインド憲法によってカースト制度は禁止され、法律上はカーストが存在しないことになっている現在のインド。しかし、ヒンドゥー教徒に3000年間根付いてきたものが、そう簡単に払拭できるわけがありません。現実には、今もカーストはインド人の根底に存在し続け、人々を苦しめているのです。
ホーリーは、そんな「カースト」がなくなり無礼講が許される一年間で唯一の日。一年間カーストに縛り付けられていた人々が、この日だけはその縛りから解放されるのです。
彼らの笑顔には、インドの人々がホーリーの日をどれだけ待ちわびていたかがよく表れています。
写真:渡部 洋一
地図を見るホーリーには、国籍も関係ありません。外国人であろうとも、この日に街に繰り出すことは、これでもかというほどカラフルに染まって帰ってくるということです。
写真の欧米人3人組も、ホーリーを満喫した様子がはっきりとうかがえます。
写真:渡部 洋一
地図を見るホーリーカラーに染まったインドの若者たち。本当に楽しそう。
ところで、2015年の大河ドラマは「花燃ゆ」。主人公「文」の兄、吉田松陰が残した有名な言葉があります。
「諸君、狂いたまえ」
自らを「狂愚」と名乗った吉田松陰に影響され、弟子の高杉晋作は「東行狂生」、桂小五郎も「松菊狂夫」と一時名乗ったと言われています。
「狂うこと」の大切さを説いた幕末の偉大な思想家吉田松陰が大河ドラマで大活躍する2015年は、ホーリーに参加し「狂う」のに最適な年と言えます。
いかがでしたか?
今回ホーリーをご紹介した場所は、インド北西部のジョードプルという街です。もちろんインドの他の街でも、同じように熱狂的なホーリーを体験することができます。
ただし、ホーリーはヒンドゥー教のお祭りなので、ヒンドゥー教以外の宗教が強い場所(例えば仏教が強いブッダガヤ等)では、比較的控え目で穏やかなホーリーとなるようです。
「せっかくだからとことん熱狂的にホーリーを楽しみたい」という方は、ヒンドゥー教徒の多い地域でホーリーに参加することをオススメします。
厳しいカースト制度がなくなり、インド中がカラフルに染まるホーリー。その熱狂の渦に、あなたも飛び込んでみませんか?
ホーリーの日程は毎年変わり、2015年は3月6日、2016年は3月23日となっています。
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(2024/12/12更新)
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