三重「赤目四十八滝」をハイキング!おすすめルートをご紹介

三重「赤目四十八滝」をハイキング!おすすめルートをご紹介

更新日:2017/07/03 18:19

下川 尚子のプロフィール写真 下川 尚子 ライター
赤目四十八滝は、三重県名張市の「滝川」の渓谷にある一連の滝。およそ4kmの道のりに大小さまざまな滝が21か所もあり、それぞれの季節で桜、新緑、紅葉、氷瀑と豊かな表情を見せてくれる渓谷です。
「日本の滝100」「森林浴の森100選」「遊歩100選」にも選ばれており、最近ではパワースポットとしても人気を集めています。ここでは21ある滝のなかでも必見の「赤目五瀑」と呼ばれる5つの滝を中心に紹介します。

事前に知っておきたい、赤目四十八滝ハイキングのポイント

事前に知っておきたい、赤目四十八滝ハイキングのポイント

写真:下川 尚子

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赤目四十八滝は、自然そのままの渓谷美を堪能できるスポットです。ただ、自然の渓谷だけに、ハイキング前に知っておきたいポイントと注意点があります。

まずはじめに、きちんと装備を整えておくこと。入山口付近は遊歩道がきれいに整備されており、いかにも気楽に歩ける雰囲気ですが、奥へ進むにつれて足場の悪い場所が多く出てきます。装備は、特別なものは必要ありませんが、歩きやすいしっかりとした靴で、両手が空くのがベストです。

次に、時間配分に気を付けましょう。足場の悪い場所は暗くなると歩きにくくなります。午後に歩く場合は、日の入り時間も確認しておき、帰るための時間もきちんと計算しておきたいですね。

さて、準備ができたら、赤目四十八滝散策を始めましょう。スタートは「日本サンショウウオセンター」から。ここは入山口を兼ねており、入山料を払えば中を見学できますので、まずは特別天然記念物にも指定されている両生類、オオサンショウウオを見学してから歩きはじめましょう。ここで赤目四十八滝全体のマップがもらえますので忘れずに。あらかじめマップでそれぞれの滝の位置関係と、何かあった際の緊急連絡先を確認しておきましょう。

歩きはじめると「緊急時の連絡先」という看板が道沿いにいくつか見られますので、このマップと照らし合わせてチェックできます。先へ進むにつれて携帯電話が通じない場所が多くなりますので、怪我や事故など、何かあった場合に役立ちます。(携帯電話が通じない場所では、近くの休憩所に通報することとなっています)

日本サンショウウオセンターからスタートして、マイナスイオンたっぷりの森林のなかを歩いていくと、最初の滝「行者滝」が現れます。続いて「銚子滝」「霊蛇滝」を見ながら歩いていくと、道沿いに鎮座する「赤目牛」がいます。これは、昔この滝に赤い目の牛に乗った不動明王が現れたという伝承からつくられたもの。なでると目にいいという言い伝えがあるそうですよ。

最初の「赤目五瀑」は、迫力満点の不動滝

最初の「赤目五瀑」は、迫力満点の不動滝

写真:下川 尚子

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赤目牛を超えてすぐにあるのが、不動滝です。大小さまざまな滝が続く赤目四十八滝において、不動滝は、それらを代表する「赤目五瀑」のひとつ。高さ15m、幅7mと迫力満点の姿を見せてくれます。不動滝という名前は、不動明王にちなんでつけられた名前です。

ベビーカーの方や車イスの方でも、この不動滝のひとつ前、霊蛇滝までは平らな遊歩道ですので、気を付けて進めば見学することができます。不動滝も遠目に見られるかな・・・?というところです。ただ、ちょっと歩きにくいので、小さなお子さんなら両手の空く抱っこ紐やベビーキャリーなどがベストですね。

赤目四十八滝では、夏場の一定期間や紅葉の期間、クリスマスの夜などに「キャンドルナイト」といって滝のライトアップイベントが行われるのですが、そのときにはこの不動滝もライトアップされます。夜にライトアップされた滝は、昼の姿とはまた違った迫力がありますよ。

複雑な形の岩が美しい「千手滝」、細く優美な「布曳滝」

複雑な形の岩が美しい「千手滝」、細く優美な「布曳滝」

写真:下川 尚子

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不動滝を超えると、少しずつ道が起伏に富んできます。それもそのはず、この先はもともと原生林で、明治の中ごろまでは入れなかった場所なのだとか。アップダウンもありますし、濡れている箇所もありますので、滑らないように気を付けて一歩一歩進みましょう。

ひんやりとした澄んだ空気は、まさに「マイナスイオンのシャワー」を浴びている感じ。少し疲れても、ふと周りを見渡して深呼吸するだけでパワーチャージできてしまう気がします。「パワースポット」と呼ばれるのも納得。

「乙女滝」「大日滝」「八畳岩」といった見どころを超えると、赤目五瀑のひとつ「千手滝」が現れます。千手滝は高さ15m、幅4m。岩やまわりを囲む樹木との調和が美しい滝です。名前の由来は、千手観音にちなんでつけられたという説と、複雑な形の岩を千手のように水が落ちる姿からつけられたという、2つの説があるそうです。

そして、その千手滝のすぐ側にあるのが、写真の「布曳滝」。高さ30mから、一枚の白い布をなびかせるように流れおちる滝は、とても優美。流れる水がくりぬき続けた滝壺は、深さ30mもあるのだそうです。

入山口から千手滝、布曳滝までは約1km。この布曳滝から、次の赤目五瀑にあたる「荷担滝」まではまだまだ距離がありますので、ここで引き返す方も多くいらっしゃいます。ここにはトイレがありますので、先へ進む方はトイレを済ませておいてもいいですね。

では、もう少しがんばって進んでみましょう。

中間地点は「百畳岩」。赤目五瀑もあとふたつ

中間地点は「百畳岩」。赤目五瀑もあとふたつ

写真:下川 尚子

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布曳滝を超え、「竜ヶ壺」「縋藤滝」「陰陽滝」といった見どころを経てたどり着くのが、写真の「百畳岩」です。このあたりの岩を総称して「百畳岩」と呼ぶのだそうです。

ここが、赤目四十八滝のコースのちょうど中間地点あたり。入山口から約2kmの地点にあります。「百畳茶屋」という休憩所がありますので、疲れたらここで少し休憩を入れましょう。ちょっと座ったり、飲み物を飲んだり、足を水にひたしたり・・・ハイカーのみなさんも思い思いの休み方をしています。

ここから先は、健脚向きのコース。「七色岩」「姉妹滝」「柿窪滝」「笄滝」「雨降滝」「骸骨滝」「斜滝」といったいくつもの見どころを超えると、次の「赤目五瀑」である「荷担滝」が見えてきます。荷担滝は高さ8m、紅葉の名所としても人気で、岩を挟んで流れ落ちる姿が美しい滝です。「荷物を担いでいるように」見えることから、この名前がつけられました。位置は、入山口から約2.8kmほどです。

そこからさらに「夫婦滝」「雛段滝」「琴滝」を超えると、最後の「赤目五瀑」である「琵琶滝」へたどりつきます。琵琶滝は高さ15m、その姿が楽器の琵琶と似ていることから名付けられた滝です。
荷担滝と琵琶滝の距離は比較的近いです。

さらにしばらく歩くと、赤目四十八滝、最後の滝である「巌窟滝」へ着くことができます。ここまでの道のりで約3.5km、大人の足で約1時間半、と言われています。個人差はありますが、景色を見たり、写真を撮りながら歩くなら、2時間以上見ておくほうがオススメです。

赤目四十八滝の「四十八」は、数が多いことを示す言葉で、実際の滝の数は21か所となっています。ただ、歩いていくうちに分かると思うのですが、「見どころ」「美しい場所」を数えると48でも足りないほど。美しい景色に目を奪われがちですが、現在時刻のチェックも忘れずに、しっかりと時間配分をして歩いてくださいね。

ハイキング後のオススメグルメ、名張市名物「へこきまんじゅう」「牛汁」

ハイキング後のオススメグルメ、名張市名物「へこきまんじゅう」「牛汁」

写真:下川 尚子

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赤目四十八滝をハイキングすると数時間かかりますから、帰ってきたときには体力自慢の方も疲れていると思います。そんな疲れを癒してくれるのは、なんといってもグルメ!入山口付近の売店「民芸屋たまきや」で販売している「へこきまんじゅう」は、名張市の名物のひとつです。

へこきまんじゅうはさつまいもの生地を焼いたシンプルなおまんじゅうで、「和風スイートポテト」といった感じの味です。外側はふつうのおまんじゅうに見えますが、割ってみると中はきれいな黄色で、ホックホクの食感とやさしい甘さ。焼き立ては特に絶品で、疲れた体にしみわたります。

ちなみに、このへこきまんじゅうのネーミングはさつまいもを使っていることからきているそうで、忍者をモチーフにしています。名張市も属する伊賀地区は、忍者の里として有名ですよね。ここ赤目四十八滝も、伊賀忍者の修行の場といわれています。

もうひとつの名張名物に「牛汁」がありますので、おなかがすいている方はそちらもどうぞ。牛汁は、伊賀牛と野菜をあたたかいお出汁とともに煮込んだ汁もの。ほっとする味わいです。入山口付近のお店でも食べられますが、名張市内にいくつかのお店がありますので、チェックしてみてもよいですね。下記の「名張の牛汁」ページをご参照ください。

イベントを組み合わせて、もっと充実したハイキングを!

三重県のパワースポットのひとつ、赤目四十八滝をご紹介してみましたが、いかがでしたか?マイナスイオンのシャワーを浴び、自然からたくさんのパワーをもらえる赤目四十八滝の散策。準備は万全に、ぜひハイキングを楽しんでくださいね。

また、前述の「キャンドルナイト」をはじめとして、赤目四十八滝では魅力的なイベントが多数行われています。たとえば、「忍者修行体験」や、「滝参りスタンプラリー」など。ご興味に合わせて、こうしたイベントを組み合わせると、また違った楽しみがあるかもしれません!

なお、キャンドルナイトについては別ガイド「赤目四十八滝キャンドルナイト〜夜の滝道ハイキングに出かけよう〜」にて、詳しくご紹介しています。「関連MEMO」にリンクしていますので、ぜひご覧になってみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/12/23 訪問

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