ニューヨークタイムズ紙がおススメ!四国八十八ヶ所霊場「岩屋寺」

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ニューヨークタイムズ紙がおススメ!四国八十八ヶ所霊場「岩屋寺」

ニューヨークタイムズ紙がおススメ!四国八十八ヶ所霊場「岩屋寺」

更新日:2015/01/29 17:24

中井 靖のプロフィール写真 中井 靖 お遍路ナビゲーター

ニューヨークタイムズ紙が先ごろ発表した「2015年に行くべき場所 52選」の中に日本で唯一ランクインしたのが「四国」。
「四国八十八ヶ所霊場は世界の中でも平和に安全に歩けるパワースポット」として紹介されています。そして同紙が写真を掲載した場所が第45番札所岩屋寺なのです。
急な坂道を歩く参道は巡拝者を修行の道へ誘います。今回は昔から修行の道場として栄えたお寺の見どころを紹介します。

標高700メートル。天空に佇む霊場は典型的な山岳霊場だった!

標高700メートル。天空に佇む霊場は典型的な山岳霊場だった!

写真:中井 靖

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奇峰が天を突き、巨石の中腹に埋め込まれるように堂宇が建つ岩屋寺。神仙境を思わせる数々の岩窟や境内は昔から修験者が修行の場とした霊場です。そして境内に繋がる参道は急な坂道の連続であり、参拝者泣かせの霊場でもあります。
ただその参道は鬱蒼とした杉林であり、マイナスイオンの宝庫でもあります。頭上から聞こえる風の音、鳥のさえずりや足元から聞こえる小川のせせらぎが心地よく耳の中に入り込んできます。気分はまるでプチ歩き遍路に来たようです。
苦しくなった地点では写真のように弘法大師(空海像)がお迎えくださり、古木が癒してくれるのです。最後の坂道をがんばって上れば、そこには天空の霊場がその姿を見せてくれます。

さまざまな伝承が残る境内。その琴線に触れてみよう!

さまざまな伝承が残る境内。その琴線に触れてみよう!

提供元:大西隆善(岩屋寺副住職)

http://www.88shikokuhenro.jp/ehime/45iwayaji/index…地図を見る

弘法大師空海が霊地を探してこの地に入山したのは弘仁6年(815年)。大師はこの地で法華(ほっけ)仙人と呼ばれる空中を自在に飛べる神通力を持った女性と出会います。
仙人は大師に篤く帰依し全山を献上し往生を遂げます。そして大師は木彫りと石造の不動明王を刻み、木像は本堂に安置、石像は奥の院の岩窟に秘仏として安置し、お山全体をご本尊として定めます。
「山高き 谷の朝霧海に似て、松吹く風を 波にたとえむ」と大師は詠じて、寺号を海岸山岩屋寺と名付けたのです。

鎌倉時代に入り、時宗の開祖・一遍(いっぺん)上人が参籠。修行をされたことは「一遍聖絵(国宝・神奈川清浄光寺蔵)」にも描かれています。

昭和2年に再建された現在の本堂も昔と同様に巨石の中腹に建てられ、写真のように冬期には雪景色の本堂を見る事ができます。なお本堂横には修験者が修行した岩窟があり、はしごが掛けられています。高さ約5メートルの木製はしごを登れば、天空に広がる境内全体を見渡すことができます。勇気のある方はお試しあれ!

西洋の建築要素を取り入れた近代和風モダンの大師堂。

西洋の建築要素を取り入れた近代和風モダンの大師堂。

写真:中井 靖

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先を急ぐお遍路さんにぜひ注目していただきたい建物が大正時代に建てられた大師堂です。息を切らしながら石段を上り切ると本堂よりも一際目立った大師堂が目の前に現れます。初めてお参りするお遍路さんは大師堂を隣に建つ本堂と間違うくらいの堂々たる風貌です。

大師堂は伝統的な建築様式である本堂に比べて、洋風のデザイン要素をあちらこちらにちりばめた近代建築遺産であり、平成19年(2007年)に国の重要文化財に指定された愛媛県を代表する産業遺産です。

建築デザインは国会議事堂設計に関わった郷土出身の河口庄一。
屋根に付けられた宝珠相輪(そうりん)、蛇が口を開けたような形状の垂木先端部、エンタシスを付けた二本組の角柱・向拝(こうはい)柱、立て爪の付いた銅製の宝珠など大師堂の内外を問わず、細部に洋風のモチーフが見られる特異な意匠建築となっています。

写真は紅葉と大師堂。
実はこの写真にはさらなる仕掛けが隠されています。大師堂の大屋根の上にある岩窟にご注目ください!さて何があるのでしょうか?

岩窟にたたずむ仏様は「阿弥陀如来立像」だった!

岩窟にたたずむ仏様は「阿弥陀如来立像」だった!

写真:中井 靖

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何度もお寺を訪れているベテランお遍路さんでさえ見落とす隠れた名所がこの阿弥陀如来立像です。しかしこの仏様が拝めるポイントは限られており、境内のどこからでも見えるものではありません!
ひとつ目は、写真のように大師堂の屋根越しに見るポイント。ふたつ目は、奥の院に通じる山門付近、最後は鐘楼堂の付近です。

お寺ではいつの時代に安置されたものかの記録がなく(大火により焼失)、詳細は不明ですが、江戸前期の僧・寂本(じゃくほん)の記した「四国遍路霊場記」に登場する立像です。望遠レンズなどを通して見ると、ふくよかなお顔立ちの凛々しい仏像であることがわかります。

お参りの際は、本堂・大師堂のほか、この阿弥陀様ともぜひご縁を結んでください。

頂上の視界は360度の大パノラマ「奥の院・逼割禅定」。

頂上の視界は360度の大パノラマ「奥の院・逼割禅定」。

写真:中井 靖

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時宗の開祖・一遍上人が修行した様子は「一遍聖絵」にも描かれていますが、その絵を見るといかにも行場らしい急峻な奇峰であることがわかります。その地がここ「岩屋寺行場白山大権現・奥の院 逼割(せりわり)禅定」です。
奥の院 逼割禅定に参拝するには、納経所で鍵を借り、行場入口で鍵を開けます。目の前には見る人を圧倒する巨岩が立ちはだかります。
人がやっとひとり通れるほどの岩の裂け目を抜け、約30メートルの絶壁をロープで登った後、鉄の鎖場を経由して木製のはしごを登れば頂上です。そこには写真にある白山権現が祀られています。納経所から時間にして約50分の行程です。
頂上は視界を遮るものは何もなく360度のパノラマが広がり、天気の良い日には山岳霊場の代表格である霊峰・石鎚山を望むことができます。
ただ現場は、足場が安定しないところも多々ありますので、体力に自信のない方はご遠慮ください。頂上に挑戦する際は十分に気を付けてお参りしましょう。

美しい自然の宝庫。岩屋寺参拝は時間をかけて!

いかがでしたか?

岩屋寺は国指定の名勝に指定され、県立自然公園に位置しています。周辺には国民宿舎「古岩屋(ふるいわや)荘」があり、その周辺にも奇岩群を見る事ができます。
また宿の天然温泉は外湯も受け付けてくれますので、岩屋寺参拝で汗をかいた後に温泉を楽しむお遍路さんも多くいます。

春夏秋冬の季節ごとに表情を変える岩屋寺はいつお参りしても人々の心を癒してくれます。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/02/02−2015/01/27 訪問

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