広島県呉市「御手洗」は懐かしい故郷のような町並み

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広島県呉市「御手洗」は懐かしい故郷のような町並み

広島県呉市「御手洗」は懐かしい故郷のような町並み

更新日:2017/10/29 19:42

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、東海道完歩ブロガー、青春18きっぷ伝道師

2013年夏の頃だったでしょうか、JRグループの広島ディスティネーションキャンペーンの広告で、電車の車内吊りに、どこか懐かしくて、今すぐそこに帰りたくなってしまうような美しい町並みが写っていたのを覚えているでしょうか?
それが広島県呉市の大崎下島にある御手洗(みたらい)の町並み。
瀬戸内の島々の中でもあまり知られていない御手洗ですが、そこは江戸時代からの歴史文化を感じさせる素晴らしい場所なのです。

美しい町並みが連なる御手洗のメインストリート、常盤町通り

美しい町並みが連なる御手洗のメインストリート、常盤町通り

写真:風祭 哲哉

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御手洗は、瀬戸内の大崎下島にある小さな集落。正確な住所は「広島県呉市豊町御手洗」。
江戸時代、風待ち、潮待ちの天然の良港として栄えた御手洗は、大小の商家、茶屋、船宿、住宅、神社、寺院などが網の目のようにはり巡らされた狭い小路に立ち並んでいたと言われています。そうした歴史的な建造物や町並みが、当時の雰囲気を残したまま今もその痕跡を集落内に留めていて「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けています。

船着場から狭い路地を抜けると、古い家々が両側に並ぶ御手洗のメインストリート、常盤町通りに出ます。御手洗の町並みのグラフィックは、この通りが取り上げられることが多いのですが、常盤町通りの突き当り、町並み保存センターという建物から斜めに伸びる通りの景観が特におススメです(上の写真)。

常盤町通りにある「潮待ち館(豊町観光協会)」では『見たらいい町、御手洗マップ』という手書きテイストの地図を配布しています。ここにあるモデル散策コースは御手洗の見どころがイラスト入りでわかりやすく説明してありますので、初めての方はこれに沿って回るといいでしょう。

「御手洗」の地名の由来か?菅公ゆかりの天満宮。

「御手洗」の地名の由来か?菅公ゆかりの天満宮。

写真:風祭 哲哉

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散策マップに沿って常盤町通りを抜けて、山側に道を折れると天満宮。各地の天満宮と同様、ここも菅原道真を祭神とする神社です。
「御手洗」という地名は、菅原道真が大宰府に左遷された際、九州に向かう途中で、この地に船を着け、口をすすぎ、み手を洗われ、お祈りをしたことが由来の一つとされていて、それが「菅公の井戸」として今でも信仰されています。この井戸の水を使って書き初めをすると字がうまくなるらしく、近くには大きな筆の石像もあります。

菅公の井戸のすぐわきにあるのが可能門。これは本殿の下が潜れるようになっていて、願いを込めながらくぐると、それが叶うと言われていて、天満宮のもうひとつの見どころとなっています。

江戸、明治、大正、昭和、各時代の特徴的な建築物が混在。

江戸、明治、大正、昭和、各時代の特徴的な建築物が混在。

写真:風祭 哲哉

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天満宮を出ると、すぐ目の前が金子邸。小さな集落なので、次から次へと見どころが現れます。ここは幕末の頃、倒幕に向けて長州藩と広島藩の条約(御手洗条約)が結ばれた場所でした。昔から風待ち、潮待ちの天然の良港とされていた御手洗は人と情報が集まる要衝地だったため、こうした歴史的な出来事も多かったようです。

金子邸の向かい側には江戸時代のお茶屋だった若胡子屋跡。さらに海に向かって進むと、大正か昭和初期頃と思われる洋館風の床屋さん(写真)、明治から続く時計屋さんなどが続きます。

その先にあるのが、御手洗の見どころのひとつ、乙女座。ここは昭和初期のハイカラ建築であった映画館・劇場を復元したもので、中には「花道」や、「奈落」、2階部分には「桟敷席」が設けられていて、今でも中を見学することができます(入館料200円)。

そのほかに、昔の洋館のまま現役を続けている町の医院(醫院という表記でした)、築140年のなまこ壁の屋敷、江戸の船宿など、御手洗にはさまざまな時代の特徴的な建物が多数残っています。

「足の長すぎる小学生」など、B級スポットもたくさん

「足の長すぎる小学生」など、B級スポットもたくさん

写真:風祭 哲哉

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「見たらいい町、御手洗マップ」では、『御手洗おもしろウォッチング』として町内のB級スポットが紹介されていて、なかなか味があるのでいくつか紹介します。

・足の長すぎる小学生の看板(上写真/足が速すぎる小学生、という説も)
・乙女座正面の文字と飾りが乙女の涙に見える。絵文字だと(TдT)
・モアイに見えるバルコニー(乙女座横の建物)
・くぐると願いが叶うと言われているトンネル(可能門)や「筆が立つ」ようになる筆の石像(先ほど天満宮で紹介済)
・可能門を通り抜けた先にちょこんといる小さなお地蔵さん(本当に願いをかなえてくれそう。ちなみにこれはマップにはありません)

そう、マップに紹介されていなくても、あれっ、という発見がたくさんあるのが御手洗。ぜひみなさんならではの面白スポットを探してみて下さい。

展望台からは、みかん畑の向こうに御手洗の町並みと瀬戸内が

展望台からは、みかん畑の向こうに御手洗の町並みと瀬戸内が

写真:風祭 哲哉

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御手洗の町並みと瀬戸内を見下ろせる展望台へは、旧御手洗幼小中学校跡から遊歩道があります。みかん畑の中、坂道を上って約20分ほどで周囲360度が見渡せる展望台へと到着します。

みかん畑越しに、御手洗の狭い路地に沿って並ぶ家々の立派な瓦屋根、そしてその向こうには瀬戸内の海と島々が望めます。
反対側からは来島海峡大橋など、しまなみ海道の橋梁や四国の島々がはっきりとわかります。天気の良い日であれば素晴らしい眺め、間違いなしです。

「見たらいい町、御手洗」のキャッチコピーに偽りなし。

御手洗は、モデル散策コースに沿って主な見どころをまわっても、2時間程度でぐるっと一周できてしまう小さな集落です。けれどもここはまだあまり知られていない宝の島のような輝きを秘めています。

「見たらいい町、御手洗」
ありきたりなキャッチコピーのように聞こえますが、それはけっして語呂合わせだけでなく、どこか懐かしくてホッとするような、本当にいい町だ、と思えるところです。
ぜひ今度、ご自身の目でそれを確かめに来て下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/12/29 訪問

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