写真:風祭 哲哉
地図を見る小岩井農場一本桜は、観光牧場として有名な小岩井農場「まきば園」から北西へ1.5キロほど先の広域農道沿いの牧草地内にあります。
5月のGW時期は、小岩井農場やまきば園内の桜も満開であることが多いため、これらの桜並木も同時に楽しめます。
ただしGW期間中は大変な渋滞や混雑となるので注意が必要です。
まずは公共交通機関の場合。
小岩井農場まきば園までは、盛岡駅から路線バスで所要約40分(渋滞のない場合)ですが、GW期間中は満員で乗り切れないことも。例年、繁忙期の日中は30〜60分毎の運行間隔となりますので、早めに並ぶか、1本待って次の便に乗るかという選択が現実的です。
次に車で向かう場合。
通常は国道46号線から分岐して、小岩井農場方面へと約6キロの一本道を進むのですが、GW期間の午前中はここが渋滞することが多く、通常は10〜15分の区間に所要1時間ということも。
ポイントは裏道をうまく使うこと。特にJRの小岩井駅から少し雫石方面に進んでから北に折れると、比較的スムーズにまきば園の近くまで行くことができます。ただし、地元の農道にも使われているような道なのでスピードの出しすぎは厳禁です。
JR小岩井駅から地元のタクシーを使うと、この方法で行ってくれるはずです。また、路線バスも渋滞時はこの迂回路を利用しています。
さて、到着後もまきば園は大変な混雑で、GWの午前中は入場のために長い列が続くこともありますので、まずは比較的人の少ない小岩井農場内の桜並木を散歩しながら、一本桜に向かいましょう。
写真:風祭 哲哉
地図を見る期間中、一本桜へはまきば園からシャトルバスが運行しているほか、小岩井農場めぐりのガイド付きバスツアーなどでも行くことができますが、まきば園から徒歩20分程度なので、天気がよければ歩いて行ってみてはいかがでしょうか。
まきば園の北にある交差点を曲がり広域農道へ入ると、やがて右手に小岩井乳業の茶色い建物が見えてきます。小岩井乳業を過ぎると、もう何も遮るものがなくなり、岩手山が全貌を現します。
新緑の牧草や木々の向こうに、残雪をまだたっぷりとたたえながら、青々とそびえる雄大な岩手山に、まず感動。できれば空気が澄んでいて、比較的雲の少ない午前中に行くことをお勧めします。
写真:風祭 哲哉
地図を見る小岩井乳業を過ぎ、広域農道のゆるやかな坂道を下ると、やがて右手に孤高の一本桜が見えてきます。雄大な岩手山をそのまま背景にして、満開の桜の花びらをたたえながら、広い大地にたったひとりで凛と立つ姿は、見事というほかはありません。
一本桜はエドヒガンという種類の桜で、約100年前に植えられたと言われています。この草地は、今は牧草を収穫するための畑ですが、昔は牛の放牧地でした。牛は暑さが苦手なので、夏の強い日差しから牛を守る「日陰樹」として一本桜は植えられたのでした。
牧草地内は立ち入り禁止になっているので、一本桜は広域農道沿いから眺めることになります。近くには駐車場もあって、自家用車だけでなく、時々観光バスなどもやってきますが、一本桜の魅力は車でやってきては半減してしまいます。
第1幕、第2幕、第3幕と、期待に少しずつ胸を膨らませながら歩いてきて、初めて一本桜がその姿を現したときの感動は、車でのそれとは比べ物になりません。
ゆっくりと歩きながら、少しずつ景色が移り変わってゆくのを楽しむ。ここはそんな本当の旅の楽しみ方にふさわしい場所なのかもしれません。
写真:風祭 哲哉
地図を見る帰りは、行きにも前を通った小岩井乳業での工場見学はいかがでしょうか。予約不要で入場も無料なので、気軽に牛乳や乳製品の製造過程をご覧いただけます。
もちろん工場見学終了後にはおいしい牛乳の試飲も可能です。売店では牛乳やヨーグルト、ナチュラルチーズやアイスクリームなどの乳製品を販売しています。岩手山を臨むホールには、広い休憩所がありますので、その場で食べることも、お土産として持ち帰ることもできます。
工場見学が終わったら、まきば園へ戻って、お花見を楽しむもよし、牧場ならではのアクティビティを楽しむもよし。バーベキューなどのランチも充実しています。
<小岩井乳業 基本情報>
住所:岩手県岩手郡雫石町丸谷地36-1
電話:019-692-1211
営業時間:10:00〜15:00
休業日:毎週水曜日および11月上旬〜4月下旬(お盆・GWは水曜も営業)、火曜・木曜は売店休業
アクセス:盛岡駅より路線バス「小岩井農場まきば園行き」または「網張温泉行き」で約35分、マイカーの場合、盛岡 I.Cより国道46号を秋田方面へ約12km 約15分
最近は、この一本桜が絶景写真集で取り上げられることも増えてきました。こうした絶景写真集には、プロのカメラマンが、最高の一瞬を狙って撮った写真が多く、実際に現物を目にしてみると、その違いにがっかりすることも多いのですが、この一本桜は、満開時期で天気さえよければ、写真と本物にほぼ違いはありません。
むしろ、その堂々とした姿を目の当たりにすると、写真にはない迫力が漂ってきます。
小岩井農場一本桜。この、絶景写真集にも負けない本当の絶景を、ぜひのんびりと歩いて探しに行ってみて下さい。
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(2024/10/10更新)
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