バリ島初の世界遺産を「グヌン・カウィ」遺跡で学ぶ旅

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バリ島初の世界遺産を「グヌン・カウィ」遺跡で学ぶ旅

バリ島初の世界遺産を「グヌン・カウィ」遺跡で学ぶ旅

更新日:2015/11/09 19:16

遠藤 まさみのプロフィール写真 遠藤 まさみ 世界遺産探検家、ホテルマニア、クラフトビア愛好家

インドネシアはバリ島に位置する世界遺産「トリ・ヒタ・カラナというバリ・ヒンドゥー教の哲学を元に、独自の水利システム・スバックによって維持される、水田地域の文化的景観」。バリ島初の世界遺産です。

名称は長いし何だかとても難しそうな雰囲気ですが、実は日本人にはとてもなじみやすい文化遺産です。バリ島に点在する登録地のなかから、ウブドにほど近い「グヌン・カウィ」で、世界遺産の価値を学んでみましょう。

ウブドから30分「グヌン・カウィ」遺跡を訪ねてみよう

ウブドから30分「グヌン・カウィ」遺跡を訪ねてみよう

提供元:遠藤隆尚

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バリ島中部に位置する芸術の街ウブド。そこから車やバイクで北上すること約30分の場所に、今回ご紹介する「グヌン・カウィ(Gunung Kawi)」があります。キンタマーニの南から流れる聖なる川「プクリサン川」を中心とした「プクリサン川流域のスバック景観(Subak Landscape of Pekerisan Watershed)」の一部として、世界遺産に登録されている「グヌン・カウィ」遺跡。ここを訪れたら、バリ島にある世界遺産の難解にも感じるその価値が見えてきます。

入場料を支払い、スレンダンを腰に巻いたら早速階段を降りて「グヌン・カウィ」を目指してみましょう。

■「グヌン・カウィ」遺跡へのアクセスなど
ウブドから:車で約30分
クタから:車で約1時間30分

入場時間:9:00-17:00
入場料:15000Rps.
服装:特に制限はありませんが、肌の露出が少ない服装がよいでしょう。入場料を支払うと、スレンダン(腰紐)やサロン(腰布)を貸してもらえます。(入場料に含まれる)

バリの水利組合「スバック」を知る

バリの水利組合「スバック」を知る

写真:遠藤 まさみ

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目指す「グヌン・カウィ」遺跡は、下り坂の一本道。帰りを考えると少し恐ろしくもある階段をひたすら下っていくと、ごうごうと流れる水路に架かる橋にさしかかります。この水路が「独自の水利システム・スバック」の謎を解く鍵です。

「スバック(Subak)」とは、9世紀頃から始まったとされる、バリ島農家の水利組合のことです。人々は水を管理し棚田を維持するために、組合を結成します。そして源流から貯水槽に水を引き込み、水を均等に各棚田に分配する水路とシステムを作り上げました。

また水路の上に設置された、神棚のような「プランキラン(Pelangkiran)」にも注目してみてください。ここに限らず、バリ島の田んぼや水路には「プランキラン」が配されているのが見て取れます。「スバック」の考え方や精神は、バリ・ヒンドゥー教と深く結びついています。「スバック」ごとに寺院を保有し、稲の女神「デウィ・スリ(Dewi Sri)」や、水の神「ブタラ・ウィスヌ(Brata Wisnu)」への豊穣儀礼(ほうじょうぎれい)など、祭祀活動も「スバック」単位で行っています。

スバックによって維持される棚田群はバリ・ヒンドゥー教とともに

スバックによって維持される棚田群はバリ・ヒンドゥー教とともに

提供元:遠藤隆尚

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インドネシアにおけるヒンドゥー教の歴史は古く、2000年前にはインドからジャワ島やバリ島へもたらされたといわれています。ヒンドゥー教の水神と哲学にバリの生活や文化が融合し、やがて「トリ・ヒタ・カラナ(Tri・Hitta・Karana)」という概念が生まれます。

「トリ」は3、「ヒタ」は幸せや喜び、「カラナ」は理由や原因。
つまり「幸せになる3つの要因」と訳されるこの概念は、神・人間・自然の調和を尊重し、自然と人間の共存を理想としています。「スバック」は、こうした概念を背景として生まれたといわれています。

「グヌン・カウィ」遺跡へ続く坂道の両サイドには、美しい棚田の風景が広がっています。ヤシの木が生い茂り、どことなく森の中で共生するかのように見える棚田から、自然と人間の共存のすばらしさが読み取れるのではないでしょうか。

バリ最大の石窟王墓「グヌン・カウィ」に生きる伝説

バリ最大の石窟王墓「グヌン・カウィ」に生きる伝説

提供元:遠藤隆尚

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棚田を抜けると、プクリサン川の美しい渓流と対岸の巨石に彫られたチャンディ(記念碑)が見られます。今回の目的地でもある、バリ最大の石窟王墓「グヌン・カウィ」遺跡です。

「グヌン・カウィ」遺跡は、9〜11世紀頃のワルマデワ王朝時代の王墓です。巨大な一枚岩に、高さ7メートルのアーチ天井と石窟寺院が彫られています。そのときの王、ウダヤナ王と王妃・息子がまつられたこの石窟寺院は、王の家臣であった伝説の巨人クボ・イワによって、一夜にして彫り上げられたという伝説が残されています。

「グヌン・カウィ」周辺は見所がたくさん!

「グヌン・カウィ」周辺は見所がたくさん!

提供元:遠藤隆尚

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今回ご紹介した「グヌン・カウィ」遺跡の周辺(プクリサン流域のスバック景観)には、聖水のお寺「ティルタ・ウンプル寺院(Pura Tirta Empul)」や謎の多い「ゴア・ガジャ遺跡(Goa Gajah)」、古代神話が描かれた「イェー・プル(Yeh Pulu)」に、美しい棚田が広がる「テガララン(Tegallalang)」など、たくさんの見所があります。

車をチャーターして「グヌン・カウィ」遺跡とともに、ぐるっと回ってみるとよいでしょう。

バリ島に点在する世界遺産で、バリ独自の文化に触れる

いかがでしょうか?
改めて「トリ・ヒタ・カラナというバリ・ヒンドゥー教の哲学を元に、独自の水利システム・スバックによって維持される、水田地域の文化的景観」という長い世界遺産名を眺めると、その意味が理解できたのではないかと思います。

インドネシアの中では珍しく、ヒンドゥー教が盛んで独自の文化を持つバリ島。ゆっくりと滞在して、時間をかけてバリ島の世界遺産を回ってみるのもよいですね。

■世界遺産に登録されている寺院・地域
今回ご紹介した「プクリサン川流域のスバック景観」と共に、合計5つの寺院と地域が世界遺産として登録されています。
「ウルン・ダヌ・バトゥール寺院(Supreme Water Temple Pura Ulun Danu Batur)」
「バトゥール湖(Lake Batur)」
「バトゥカル山のスバック景観(Subak Landscape of Catur Angga Batukaru)」
「水の王立寺院タマン・アユン寺院(Royal Water Temple Pura Taman Ayun)」

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/15 訪問

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