北海道の玄関口である函館は、JR東北新幹線の新青森駅から津軽海峡線に乗り換えて約2時間で到着します。
2015年度末には新幹線が函館まで延伸されることが決定されており、そうなると『東京-函館』間が約4時間で結ばれることになります。
観光として手軽に北海道へ行ける時代の幕開けではないでしょうか?
函館と言いますと有名なのが朝市と夜景。中でも朝市は毎朝5時くらいから沢山のお店がオープンします。新鮮なイカやカニが所狭しと並べられる光景は圧巻です。朝から新鮮な海鮮丼を頬張る観光客も多く、中にはお酒まで楽しんでいる人もいるようですね。
函館の朝市で人気なのが新鮮なイカですが、実は函館生まれの人は『イカの刺身』を朝食として食べます。イカは鮮度が落ちるのが早く、夜までは待っていられないのです。
函館に住んでいると朝早くからトラックでイカを売りに来る光景を見かけます。いわゆる行商なのですが、これも朝食にイカ刺しを食べる習慣が根付いた証拠。美味しいイカが食べたいのなら、朝市で食べるのがベストですよ。
古くから港で栄えていた函館には、様々な老舗があります。その中でも和菓子の千秋庵は1860年創業と言う歴史があります。
もともとは秋田藩士が開いたお店で、千秋庵と言う名前も秋田を懐かしむ思いが込められていたそうです。今と違い江戸時代の北海道は、まさに異国であり、故郷を懐かしむ思いを偲ばせますね。
千秋庵の本店は函館山のふもと、高田屋通りにあります。函館山登山道路に繋がる道なので、見つけやすいと思います。
古くても風格のある佇まいは、老舗料亭の趣き。大きな看板が歴史を感じさせてくれます。
■DATA
千秋庵総本店
北海道函館市宝来町9-9
Tel.0138-23-5131
歴史のある千秋庵で是非オススメしたい和菓子が『どらやき』です。函館では『どらやき』と言えば『千秋庵』、『千秋庵』と言えば『どらやき』と言われるくらいに愛されている和菓子です。
『どらやきなんて何処にでもあるよ〜』などのツッコミはあるでしょうが、本当に美味しいと紹介できる一品。日本中どこにでもある和菓子ですが、千秋庵のものはまず餡が違います。水あめの量が多いのかしっとりして、ネバリもある餡は甘すぎることもなく上品な味。
ふっくら焼いた皮で挟むことで、フワフワしっとりの食感が得られるのです。
大正より作られている『函館の和菓子』と言っても良いでしょう。
皆さんは『中華まんじゅう』は好きですか?そうそう白くてまん丸で中にはジューシーな豚肉の餡が入っている。
ウーン……違います。
私が聞いているのは函館の『中華まんじゅう』のこと。実は函館では中華まんじゅうとは、小豆の餡が入った和菓子のこと。函館の中華まんじゅうはまんじゅうと言っても、餡をカステラ風の皮で挟んだ和菓子で、三日月のような餃子のような形をしています。
実はこの和菓子の中華まんじゅう、函館以外でも北海道内や本州の一部地域などで見られるそうです。
関東の人が函館で『中華まんじゅう下さい』と注文したら、和菓子が出てきて驚いたと言う話はよく聞きます。皆さんも注意して下さいね。
函館では一般的に『中華まんじゅう』と記載されていますが、千秋庵では『中花まんじゅう』と表記されています。どちらにしても読むと『ちゅうか』なのですが、色々由来がありそうで面白いですね。
一見してどらやきと形が違うだけと思いがちですが、写真でわかる通り餡が『こし餡』になっています。皮もどらやきよりも薄く水分も少なめに感じます。つぶ餡が苦手な人にはぜひオススメしたい和菓子です。
函館は北海道では珍しい歴史のある街と言えます。歴史上の人物が闊歩した街には、西洋と東洋が息づいているのです。
朝市、函館山の夜景、史跡五稜郭、レンガ倉庫街、トラピスチヌ修道院、ハリストス正教会など沢山の観光スポットが貴方を待っています。
でもちょっと観光に疲れたら、『どらやき』や『中華まんじゅう』で一休みしては如何でしょうか?
西洋的な街の中にある老舗和菓子店、ぜひ訪れてみて下さいね。
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(2024/12/14更新)
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